the shadow of silver
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9月27日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 【振動コントローラーが嫌い】
ゲーム機の振動コントローラーが苦手だ。
コントローラーの内部にバイブレーション機能があり、ゲームのシーンに応じてブイーンと深度する物だ。

どうして苦手かというと、特に臨場感も得られない大雑把な物だからだ。
例えばゲームの中で大地震が起きた時にブイーンと振動するが、地震が起きているのはゲームを見ていれば分かる。
さらに地震が起きているのに手だけが震えるのも不自然だ。
巨大な怪物が画面一杯に広がって、ガオーッと雄叫びを上げている。
それなのに、なぜか自分の手だけが震えていると、途端に嘘に思えて興醒めしてしまうのだ。

つまり振動が嫌なのではなく、臨場感を演出するには中途半端な機能だから嫌なのだ。
テレビゲームは映像と音とコントロールで楽しむ物だと思っている。
せっかく美麗な絵と壮大な音で演出してくれているのに、コントローラーが無意味にブイーンと震えるせいで没入感が失われてしまっている気がする。
それならそんな機能はいらないと思うのだ。

先日、NHK技研は電子書籍の漫画に振動や熱を伝えるタブレットの開発論文を発表した。
そのタブレットを使用すれば、例えば漫画の「ゴゴゴゴ……」といった表現で読者に振動を与えたり、「ゴォー」という熱の表現で実際に温度を与えたりできる。
静的メディアである漫画にインタラクティブな臨場感を与えることができるようだ。

もしそんなタブレットが開発されたら、恐らく一回は楽しむだろうが、結局は煩わしくなってすぐに使用を止めてしまう気がした。
振動や熱が伝わる漫画は、もはや漫画ではない別のメディアだと思う。
絵と文字だけで臨場感を伝えるのが漫画であり、読者はそれを楽しむものだろう。
小説に映像と音と振動を付けたら、恐らく読み難くて仕方ない。
小手先の技術に頼らず受け手に振動を与えられる作品が良いと思う。

[一日三報]
[ニューズウィーク] 米オクラホマの刑務所、童謡を繰り返し聞かせる「拷問」受けた受刑者が死亡

なんとなくスタンリー・キューブリックが好きそうな話。
「時計仕掛けのオレンジ」とか「フルメタルジャケット」とか。
しかし四時間の童謡で死亡するなら幼稚園も大惨事になるわけで。
きっと何か他の理由があったのだろうなと。

[ロイター] 世界のアリ生息数は2京匹、研究者「生態系の重要な担い手」

単一種で世界最大の生息数を誇っているのは、南極近海に住むオキアミと聞いたことがある。
いずれにせよ多くの生物の被補食生物、みんなのごはんとなっているようだ。
食い食われの生態系の中で、人間だけが食うばかりで最後は無価値な灰になってドロップアウトしている。
そろそろ土葬というか、他の生物や植物の生育に役立てていくほうがいいと思う。

[GIGAZINE] 暑すぎたり寒すぎたりすると「ネット上のヘイトスピーチ」が増加する

南国の人が大らかに見えるのも、北方の人が頑固に見えるのも、気象の影響が大きい気がする。
暑い、寒い、お腹痛い、なんかしんどい、は避けられないトラブルゆえに、かなりメンタルもやられるはずだ。
とはいえヘイトスピーチに繋がるのは別の要因も大きい。
仕事とか人間関係とか、自分の中でうまくいかないけど、言っても誰も聞いてくれない不満が募っているのもあると思う。



9月20日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 【100歳まで、生きてどうする】
先日、数年ぶりに近くの病院で健康診断を受けて来た。
コロナ禍を言い訳にしばらく延期にしていたが、そろそろ落ち着いてきたので、面倒ながらも行くことにした。
結果は後日だが、久しぶりに計った身長は169.9センチだった。
絶対に170センチと言わせないぞ、という己の身体の強い意思を感じた。

先日の9日に日本国内の最高齢男性、上田幹藏さんが112歳で亡くなられた。
明治43年に京都で生まれ、和歌山県庁に勤務して、奈良の施設でその長い生涯を終えられたそうだ。
明治43年は西暦1910年になる。
同じ歳にはマザー・テレサ、大平正芳(元総理)、森茂喜(森喜朗元総理の父)、初代・松本白鸚(二代目白鸚(松本幸四郎)、故・中村吉右衛門の父)、レオ・レオニ(絵本作家)、黒澤明、安藤百福(日清食品創業者)がいる。
また出来事としては、武者小路実篤や志賀直哉らによる文芸誌「白樺」が創刊され、幸徳秋水らによる大逆事件が発生。
柳田國男が「遠野物語」を発刊し、足踏式の脱穀機が発明され、先日8日に死去したエリザベス2世の祖父・ジョージ5世がイギリス王に即位した年というから驚きだ。

110歳以上の人間は「スーパーセンテナリアン」と呼ばれている。
100歳以上は「センテナリアン」、日本だと「百寿者」と呼ばれており、それよりさらに上ということだ。
「あの人は100まで生きだろうよ」と言われていた人が意外とポックリ亡くなるように、100歳の壁は想像以上に高い。
先のイギリス女王エリザベス2世が96歳で亡くなったことを見ても、絶大な権威と莫大な資金を持ってしても100歳を超える寿命を得ることはできないようだ。
なお長生きの秘訣を聞かれた上田幹藏さんは「自然と長生きになっただけ」と答えていた。
「九十歳。何がめでたい」という本もあったが、本人からすれば生きようとしたのではなく、ただ死ななかっただけという気持ちなのだろう。
「あいつは100まで生きる」と言われたり、「私は100まで生きる」と言っている人ほど、100歳の壁は乗り越えられないようにも感じている。

私は100歳まで生きられるとは思わないが、明日死ぬのもちょっと困るので、気休めでも健康診断を受けることにした。
皆さんも、そろそろやっておいても良いのではないでしょうか。

[一日三報]
[CNN] 自宅の所有物1万2795点をカタログ化、そこで気付いたこととは

精神疾患の治療の一巻として、自分に関する物事を記録するというカリキュラムがあるという。
日記を付けたり毎日の食事を記録しておくことで、自分の行動に注目して改善に役立てているそうだ。
そうでない人も一度自分の持ち物を徹底的に調べてみると、何か新たな発見があるかもしれない。
たぶん途中で飽きて止めるだろうけど。

[毎日新聞] 政府サイトにサイバー攻撃か mixiも ロシア拠点ハッカー集団が示唆

さりげなくmixiをディスる記事。
ただディスられてもやむなし状況とも思う。
誰も使っていないコミュニケーションツールは何の役にも立たないが、そもそもコミュニケーションツールに流行や廃りを作られるのも面倒だと感じている。
たぶんmixiは色々とできすぎたのがダメだったのだと思う。
結局みんな単機能で充分なのよ。

[読売新聞] 人気キャラクターを模した錠剤、実は覚醒剤…容疑の男「やばいものと思っていたが」

半分に欠けても分かる人気キャラクター。
実は公式だったら面白いなと。



9月13日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 【百低山と、これでいいのだ的世界】
「にっぽん百低山」というテレビ番組がある。
NHKがどこかの曜日のお昼に放映している30分の番組だ。
酒場詩人・吉田類というよく知らないお爺さんが、ゲストの女性とともに日本各地にある低い山を登っている。
登ったあとは下山して、肩書きよろしく酒を飲んで終わる内容だ。

プロボクサーのマイクタイソンは、かつて5階級制覇の王者フロイド・メイウェザー・ジュニアの試合に対して「庭の芝生が育っている様子を見ているようだ」と評したが、ちょうどそんな感じの毒にも薬にもならない番組だ。
しかしその緩さがいいのか毎週続いており、私も昼食とともに毎週観ることもなく眺めている。
ただ、その番組のキャッチフレーズとして毎回ナレーションが語る「山高きが故に貴からず」(やまたかきがゆえにたっとからず)という言葉がいつも気になっていた。

「山高きが故に貴からず」は、平安時代末期から明治初期にかけて普及していた庶民の教科書「実語教」にある有名な言葉だ。
詠み人知らずで江戸時代では寺子屋などで子供に教えられてきた。
あえて説明するまでもないが「山高きが故に貴からず」は「山は高いからといって偉いわけではない」という意味になる。
続けて「木有るをもって貴しとす」とあり、「木々が旺盛に茂っているから偉い」となるのだ。

「にっぽん百低山」という番組にふさわしい名文句、またその番組を見ているであろう教養がありそうな暇な老人に響く言葉なのかもしれない。
しかし今時の言語感覚で見ると、あるいは褒めているのか貶しているのか分からない印象も与えかねない気がした。
「やまたかきがゆえにたっとからず」は、まず文字ではなく音で聞いても伝わりにくい。
続けて上手く聞き出せても脳内で適切に漢字変換できない可能性が高い。
さらに「山高きが故に貴からず」と推測できても「だから低い山にも価値がある」とまで発想が及びにくい気がした。

近頃はコミュニケーションの高速化が進み、言葉ひとつをとっても比喩や暗喩はあまり求められなくなっている。
処理する情報が多過ぎるせいで、ぱっと見で伝わらないコンテンツは受け入れない、誤読は紛らわしい表現を使う相手が悪い、という風潮が強くなってきた。
だから「山高きが故に貴からず」と言ってもそのうち全く伝わらないどころか「番組の趣旨に反している」とか「高い山だって尊いはずだ」という見当違いの批判を受けるかもしれない。
そんなことを、お昼のテレビ番組を見ながら年寄り臭く感じた。

結局のところ「低い山もエライのだ」くらいのキャッチフレーズが今の人たちにはよく響くような気がする。
つまり赤塚不二夫はやはり天才だったというわけだ。

[一日三報]
[CNN] AI作品が絵画コンテストで優勝、アーティストから不満噴出

アーティストの憤りと、制作者の煽りが興味深い。
ただし単なる油絵コンテストではなく、デジタルアート・デジタル加工写真分野での受賞であることも重要だろう。
こういった場合に「AIは真の芸術作品を制作できるのか」という命題が必ず提示されるが、真の芸術作品ってなんスかと思うことも多い。
たぶん、幼少期のトラウマや、苦悩と貧乏の修業時代といったバックストーリーを求めているのだろう。
AIに製作させるのも結構大変だと思うけど。

[読売新聞] 「日本最古の文字」実はペン汚れ…ラベルなどの文字が転写か

今日の遺跡。
田和山遺跡は20年くらいまえに発見された新しい遺跡で、弥生時代のものらしいが詳しくはまだ調査中らしい。
かつての「ゴッドハンド事件」もあるが、業界ではともかく、世間に向かって大々的に発表したことは簡単には訂正できないから難しい。
特に遺跡や古代史などは、ファン以外は興味はないが、それでも耳目に残りやすいのでアップデートしないまま覚えられることが多いと思う。
興味を持たれすぎてストーリーを盛られすぎた、尾張の大うつけさんもいるけど。

[共同通信] ブラジル、アイフォーン販売停止 「充電器必要」

今日の正論。
おう、充電する機械も付けんで充電せいってどういうことやねん、ワレのとこのケータイは使い捨てか、環境保護なら糸電話でも作っとけ、という話。
とはいえアイフォーンユーザーにしてみれば、毎回充電器を付けられても無駄に溜まってしまうわけで。
欲しい人には一個タダであげたら良いのにね。



9月6日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 【ゴルビーというアイコン】
昔ファミコンのゲームソフトに「ゴルビーのパイプライン大作戦」というゲームがあった。
開発は脳みそをこねすぎて倒産したコンパイル、発売は「ファミマガ」でお馴染みの徳間書店。
落ち物パズルゲームで、タイトルの通りパイプを繋いでクリアを目指し、東京からモスクワまでをパイプラインで繋ぐものとなっていた。
なおウィキペディアには「ソ連のミハイル・ゴルバチョフ書記長を主人公にする」とあるが、実際の主人公はロシアの民族衣装を着た男の子だった。
やりこみ要素の高い良いゲームだったが、発売がファミコン末期だったのであまり話題にならなかった。

「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の昔の回に「ゲリバコフ大統領」という人物がいた。
某国の大統領として、両さんは「ゲリピー」の愛称で呼んでいた。
伝説の「フュラーリ テスタオッサンドナイシテマンネン」もあるが、作者はこういったギャグネーミングに天才的なセンスがある。
というか、もはやレジェンド化したヒゲメガネのおじさんだけど、経歴と作品のクオリティを振り返ってもこの人こそギャグ漫画の怪物だと思う。

そんなこんなで、44歳の私の中でミハイル・ゴルバチョフ氏はチャーミングでフレンドリーなソ連の書記長(大統領)のイメージが強い。
ちょうど各国のリーダーを知見する年代だったので、えらい人と言えばレーガン、中曽根、ゴルビー、サッチャーの印象が強く残っているのだ。
先月の8月30日にゴルバチョフ氏が死去して、これで全員が鬼籍に入られた。
実は4人の中で一番若く、レーガン大統領より20歳も年下だったとは知らなかった。

そしてファミコンや漫画にも登場したフレンドリーなゴルビーが、リーダーを務めたソ連、ロシア国民の多数から嫌われていたことを知ったのも随分と後になってからだった。
考えてみれば自分の国を崩壊に導いたリーダー、しかも今まで敵と言い続けてきた西側の相手と笑顔で握手して人気者になっていたのだから当然だろう。
極端な話、日本がダメになったからといって岸田首相がロシアのプーチン大統領と手を組んで、社会制度を転換して「本州国」と国名を変えて北海道や九州や沖縄が独立国となった感じだ。
当然、社会は混乱して経済は低迷し不況が一気にやってくる。
それなのにリーダーは、東側諸国のロシアや中国で人気者になって、あろうことかノーベル平和賞なぞもらっている。
理由があろうとなかろうと、地に足の着いた庶民の印象は最悪なはずだ。

しかし気になるのは、そんな自国の状況や印象は全く語られることなく、子供の目には「いい人ゴルビー」しか映らなかったことだ。
いや多くの大人の目から見てもそうだったのではないか。
振り返ってみるとやはり西側諸国としての印象誘導、操作ではなく、ゆるやかなイメージ戦略があったように思う。
ゲームや漫画にもその影響が及んでいたように感じた。

ちなみにゲームの「ストリートファイター」シリーズにも、ソ連出身のプロレスラー「ザンギエフ」のエンディングに「大統領」として登場していた。
レスリング部の先輩後輩という関係で、一緒にコサックダンスなどをしていた。
公平な目で見ると、やっぱりちょっとおかしかったと思う。

[一日三報]
[AFP] ビデオゲーム約2万タイトル収蔵 仏国立図書館が誇るアーカイブ

私はビデオゲームは映像と音楽と文学を兼ね備えてインタラクティブ性まで与えた総合芸術だと思っている。
しかし玩具市場とテクノロジーの一旦を担っているがゆえに、進化の波にさらされて、古い作品は古いと見なされて価値を失っているのが残念だ。
ビデオゲームはポケベル、ケータイ、スマホの進化とは違う。
ゴッホの絵やベートーベンの音楽が古いと貶す人はいない。
なので、こういった取り組みはあっていいと思う。

[CNN] NASA探査車、火星で酸素の生成に成功 小さな木1本分

今日のテラフォーミング。
小さな一歩だが、ではないが、結構な成果だと思う。
そのうちドームに包まれたミニ地球のような火星に人類が移住する日が来るかもしれない。
そして所有権を巡って星間戦争が起きる気がしてならない。

[Gigazine] 若いマウスに年老いたマウスの血液を輸血すると老化の兆候が現れる

ドラキュラ伯爵かエリザベート・バートリか楊貴妃か。
飲んだり風呂に入ったりしても意味はなかったが、彼らやその創作者の発想は真に迫っていたのかも。
ワシは脳を他人の体と入れ替えることで永遠の命を手に入れたのじゃ、は実現するのだろうか。
その前に思考の全パターンをAI化したワシロボットが誕生するかも。