ハテナくんおにいさん
50000回目のS.O.S.





ハテナくんみんなこんにちは! ハテナくんだよ!
今回は5万ヒット記念として『みんなにありがとう』の意味で登場だよ!」



ハテナくん「・・・でもおにいさんは相変わらずの不在だよ。
『乾燥ホタテ貝柱がどうのこうの・・・』と言って出ていったままなんだ。
それで
ハテナくんはちょっと心配しているって具合だよ。」



ハテナくん「・・・困ったなぁ、間が持たないよ。」


ハテナくん「・・・あ、足音が聞こえる。
あの、姿勢を正して、つま先から地に付ける独特の革靴の音は間違いなく
おにいさんだ。


ハテナくん「ほら、もうそこまで来ているよ。 みんな拍手で迎えてあげようよ。
何でかは知らないけど。



ハテナくん「あ、ドアの前で躊躇している。 きっと今まで笑顔だったのを頑張っていつもの無表情に作り替えているんだ。
ボクは何でもお見通しだよ。 そしてドアノブの汚れを気にしてハンケチでくるんでからドアを開けるんだ。
みんな、準備はいいかい? せーのっ、
おかりなさい、おにいさん


おねえさん「ふぅ・・・ただいま・・・。」

ハテナくん「・・・・・・・・・・・・・誰?

おねえさん「勘弁して貰いたいわ・・・」

ハテナくん「誰!? 誰なの!? 何で靴脱いでるの!?」

おねえさん「・・・土足?」

ハテナくん「ううん、靴は脱ぐけど。」

おねえさん「・・・靴ぐらい、いくらでも脱ぐわよ・・・」

ハテナくん「いや・・・え? 誰?」

おねえさん「誰だって良いじゃない。 個性なんてささやかな抵抗なんだしさ・・・」

ハテナくん「だってここは、ボクとおにいさんの家で、おにいさんには友達なんていないし・・・」

おねえさん「家なんてドコも一緒よ。 屋根なんて有って、無いようなものよ。
そもそも他人に見えてないから「安らぎの空間」だなんてのがおかしいのよ。
そこまでして保つ社会性になんの意味があるのよ・・・」

ハテナくん「その口調は、おにいさん? おにいさんなのかい!?」

おねえさん「どちらかといえばおねえさんじゃないの?」

ハテナくん「うん、そうだね。 おにいさんが、おねえさんになったのかい!?

おねえさん「おかしな事言わないでよ・・・・」

ハテナくん「違うの? いや、もうボクは全然分からないよ。」

おねえさん「で、キミはどうしてココにいるの?」

ハテナくん「だって、ココはボクの家だし、5万hitだし。」

おねえさん「5万ひっと?」

ハテナくん「そうなんだ。 SOSがなぜか5万hitになったんだよ。」

おねえさん「えすおーえすが5万ひっと?」

ハテナくん「うん、それで、何かしなくちゃいけないんだけど、ボクだけじゃ何もできなくて・・・」

おねえさんおねえさんが何かしろって?」

ハテナくん「いや、本当はおにいさんが何かするんだけど、帰ってこないから、おねえさんでも良いとボクは思ったよ。」

おねえさん「ふぅん・・・」

ハテナくん「何か、できる?」

おねえさん「・・・どうかな、できない事も無いけど。」

ハテナくん「何かやらないと、全然話が進まないよ。」

おねえさん「じゃあやろうか。 どっちが良い?」

ハテナくん「どっちって?」

おねえさん「・・・キミは、オトナ向けとコドモ向けと、どっちが良いのかな?」

ハテナくん「・・・うぁ、なんか新しい展開だよ。」

おねえさん「・・・どっちぃ?」

ハテナくん「・・・うーん、じゃあボクは子供だから子供向けが良いな。」

おねえさん「・・・」

ハテナくん「・・・え?」

おねえさん「・・・ふぅん、じゃあそうしようか。」

ハテナくん「うん。 何をするの?」

おねえさん「そうね、右手の人差し指を顔の前に持ってくるの。
で、その指を左右に振りながら、ちっちっちって言うの。」

ハテナくん「・・・? ボクは指がないよ。」

おねえさん「じゃあ手を振りましょう。」

ハテナくん「・・・うん。ちっちっちっ・・・」

おねえさん「もっと歯切れ良く、眉を真ん中に寄せて、本当に困ったなという感じに。 ちっちっちっ・・・」

ハテナくん「ちっちっちっ・・・ねえ、これのどこが、」

おねえさん「それをしながら、段々離れていくの、ちっちっちっ・・・」

ハテナくん「いや、だから、」

おねえさん「離れたと思ったら、また近づいてくる、盗人みたいな足取りで。 ちっちっちっ・・・」

ハテナくん「・・・おねえさん。」

おねえさん「ん?」

ハテナくん「これ、どこが面白いの?」

おねえさん「分かんない! キャハハ。」

ハテナくん「えー・・・」

おねえさん「だって、キミが子供向けが良いって言うんだモノ。 そんなの分かんないわよ。 キャハハ。」

ハテナくん「・・・なんか、ヤだな・・・」


おにいさん「ただいま。」

ハテナくん「あ、おにいさん。」

おにいさん「おや、ハテナくんも隅に置けないね。 角が丸くて。

ハテナくん「そうじゃないよ。 助けて!」

おねえさん「あら失礼ね。」


おにいさん「あっ・・・」

おねえさん「あっ・・・」


ハテナくん「・・・何? どうしたの?」

おにいさん「・・・なぜ?」

おねえさん違う! 違うの! 知らなかったの!

おにいさん「・・・」

おねえさん「ホントよ! 嘘じゃないわ。 針千本も飲まされることないわ!

ハテナくん「針千本?」

おにいさん「・・・どういうつもりだい? 僕の座敷わらしまで奪う気かい?」

ハテナくん「え? ボクの事?」

おねえさん「奪わないわよ。 奪えやしないわよ。 こんなの奪ったって・・・」

ハテナくん「こんなの?」

おにいさん「それも略奪の限りを尽くした君の一族特有の方便かい?」

おねえさん「・・・酷い。」

おにいさん「酷い? 40年前に僕の書いた伝導性ポリマー理論を記憶ごと盗んでおいて。」

ハテナくん「それって、ノーベル賞の白川博士の? 40年前?」

おにいさん「幾らで売れたんだい? もとい、何ペソだい?

おねえさん「わかんないわよ! ルピーで渡されたもの!

ハテナくん「・・・ねえ・・・」

おにいさんはっ! 分かんないか。 『チチキトク スグカエレ』をキティちゃん電報で届ける君には。」

おねえさん「必死だったのよ! サンリオも、電報も!」

ハテナくん「・・・おにいさんおねえさんも。」

おにいさん「何だい!?」

おねえさん「何よ!?」

ハテナくん「・・・何の話?」

おにいさんおねえさん「分かんない。 キャハハ!」

ハテナくん「えー・・・」


ハテナくん「結局誰だったの? あのひと。」

おにいさん「それはこっちの台詞だよ。 誰なんだい?」

ハテナくん「・・・知らないで話していたの?」

おにいさん「やむをえず。」

ハテナくん「うーん。」

おにいさん「それよりも、5万hitがこんなので良いのかい?」

ハテナくん「分かんないよ。 何もかも。」


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