お受験


いよいよ受験シーズン真っ逆さま。
進学を望んでおられる学生さん達は大変な時期ですね。
「自分の力を持ってすれば第一志望に合格するなんてたやすい事」
なんて、根拠の伴わない自信に満ち溢れている方も多いと思われます。
ソレはソレで良し。
この時期、自己暗示は有効な手段の一つでもあります。

しかし皆さんも知っているように、勉強ができるからといって必ず合格するとは限りません。
第一志望に間違いなく合格するであろうと思われていた人が
意外と不合格となってビックリという場合も多いです。
これはひとえに、受験の影に潜む「魔物」の仕業に他なりません。
「魔物」は受験生達の自信と未来をうち砕く、様々な罠をしかけています。


そこで、今回の「お受験伝説、夢幻一次方程式」は、受験の「魔物」について勉強しましょう。



1・受験前日の準備

いよいよ明日は受験当日。
勉強はバッチリですか? そりゃバッチリでしょう。 バッチリと思わないとやってられません。
しかしバッチリなのが勉強だけというのは全くの世間知らず、片手落ちというものです。
何度も言いますが、受験には「魔物」が潜んでいます。
いわば明日は、受験と同時に魔物退治でもあるのです。
魔物を退治するのに、「微分・積分」が何の役に立つでしょう?
「日露戦争」の年号で果たして「魔物」が退くでしょうか?
「方丈記」の序文で「魔物」が成仏してくれるでしょうか?

現代人は頭でっかちになるばかりで、古人の受験生の心得を忘れてしまっています。
一体なぜ古人は、鉛筆を小刀で削っていたのでしょう?
あれこそが「魔物」退治の武器だったのです。
鉛筆を削るのは、魔物を油断させる為にあったのです。
さあ、今からでも間に合います。 筆入れの中に小刀を入れておきましょう。
腕に自信のない人はもっと長大な、日本刀を用意し、当日は腰に下げて家をでましょう。
それを観て近付く人間、駅員、警備員、体育教師がいるかも知れませんが、
それは間違いなく「魔物」に洗脳されているはずです。
遠慮なく切り付け、試験会場への道を、自らの手が開きましょう。


2・試験会場の探し方

さて、日本刀を下げて試験会場へ向かう勇ましいあなた。 しかしここで安心してはいけません。
あなたは本当の、試験会場を知っているのでしょうか?
事前に渡された会場案内は、本当に正確なのでしょうか?
魔物の巣窟から送られてきた地図ですよ。 正確な訳ないじゃないですか。
さあ、どうしましょう。 これでは辿り着けません。

しかし「魔物」は、受験生を不合格によって絶望させるのが大好きなのです。
会場に来て貰わないと、絶望させる事もできません。
すなわち「魔物」は、嘘の地図を渡しておきながらも、会場に辿り着けるヒントを残しておくという、
「見事この謎を解いて、私の元に辿り着くが良い」的な、尊大な最後のボスの様な性格をもっているのです。
もう戦いは始まっています。
渡されたニセ会場案内から、真の受験会場を見破ってみせましょう。

○匂いを嗅いでみる

 ・紙にヒントとなる匂いが隠されている場合があります。 嗅覚を鋭敏にし、隅から隅まで嗅いでみましょう。
  ミカンの匂いがすれば、「魔物」がミカンを食べながらこの紙をプリントした可能性が高いです。

○あぶり出してみる

 ・ミカンの匂いは、レモンの匂いの可能性もあります。 「魔物」はレモン汁を使ってあぶり出し会場案内を作成した可能性があります。
  火に近付けて様子を見てみましょう。 もし真っ黒になり始めたら、それは感熱紙です。 取り返しの付かない事になる前に止めましょう。

○剥がしてみる

 ・ビックリマンシールの「魔性ネロ」の様に、紙(シール)が二重になっている場合があります。
  紙の角に爪を立て、めくれるかどうか試してみましょう。
  爪が短くてめくり難ければ、伸びるまで気長に待ちましょう。
  樹木の様なボロボロの「魔性ネロ」が現れれば、紙を元に戻して大切に保管しておきましょう。
  しばらくはクラスのヒーローになれ、やがて飽きられます。

○触って温度を確かめてみる

 ・まだ温かければ、「魔物」はそう遠くへ行っていません。 すぐさま辺りを窺いましょう。

○会場の一例
 
 ・以上の方法を用いれば、大抵は真の会場が見付かります。 恐らくは相当過酷な場所のはずです。
  諦めずに目指して下さい。 何年かかっても構いませんから。 私は。
  「魔物」もきっと待ち続けているはずです。


ラクダ通学可
(ピラミッド試験会場)

雪崩注意
(エベレスト試験会場)

モノリス有
(木星試験会場)


3・筆記試験

なんとか会場へと辿り着き、定刻となるといよいよ筆記試験がはじまります。
いよいよあなたの、これまでの勉学の成果を試されますが、
ここでも当然、「魔物」の罠が仕掛けられています。

○椅子

 ・最初に罠が仕掛けられているのは、あなたが着席する椅子です。
  座る前に表面に尖った物はないか、汚れてはいないか、しっかりとネジは締まっているか、
  前の人の体温がなま暖かく残っていて気持ち悪くないかを確かめましょう。

○机

 ・椅子とくれば机です。 これも忘れずにチェックしましょう。
  汚れていないか、斜めになってはいないか、なんかベトベトしてはいないか
  彫刻刀で好きな異性の名前は彫られていないか、無差別に中傷する言葉(バカ、ハゲなど)が書かれていて落ち込んでしまうことはないか、
  意味不明な言葉(肉、ビグザム、チョップ上等など)が書かれていて気が散らないか、
  下まで貫通している穴は空いていないかを確かめておきましょう。
 
○試験問題

 ・教官より渡された試験用紙は、まず本当の試験問題ではないとみて良いです。
  先の会場案内と同じく、何度もチェックをして本当の問題を探しましょう。

○鉛筆

 ・書き進んでいく内に、鉛筆の芯が無くなって困る事もあります。
  もちろんこれも、「魔物」の「書けなくなって大ピンチ」作戦です。 あなたを慌てさせて、本来の力を発揮できなくさせようとしているのです。
  どうぞ焦らず、持参した日本刀で削りましょう。
  教官が急いで止めに入る場合もありますが、「魔物」の手下である事は間違いないので無視しましょう。
  それでもしつこく絡んでくる場合があれば、会場、殿中、所構わず切り捨て御免という事も一つの手段です。


4・「魔物」との対決

試験が終了すると、いよいよ業を煮やした「魔物」との対決です。
え? 「魔物」はものの例えだと思っていたって?
いやはや、そこにもまだ、あなたの甘さが窺えますね。
当然、「魔物」は実際に存在しています。
これを倒さずして、真の合格はあり得ません。
どうぞ気を引き締め、最後の戦いに臨んで下さい。

○受験の魔物データ
 
  ●変身前
悪魔導士
 ・名前:受験の魔物
 ・体力:1358
 ・魔力:3752
 ・力:472
 ・賢さ:999
 ・素早さ:240
 ・攻撃方法:殴る、守る
 ・魔法:ファイア・ストーム(炎)、ブリザート・アタック(冷)、サンダー・ボルト(雷)、ウルトラ・リフレッシュ(回復)
 ・特殊攻撃:金縛りにらみ(麻痺)

 ●変身後
ギガドントロス
 ・名前:受験の魔物正体「ギガドントロス」
 ・体力:9774
 ・魔力:0
 ・力:999
 ・賢さ:680
 ・素早さ:575
 ・攻撃方法:殴る(2回)、守る、噛みつき、キック(2回)、チョップ(3回)、デンプシー・ロール(8回)、新型デンプシー・ロール(回避不能16回)
 ・魔法:無し
 ・特殊攻撃:爆炎ブレス(炎)、毒液(毒)、痺れウロコ(麻痺)、休憩(回復)、ためる(力2倍)、クリティカル・チョップ(一撃死)

「魔物」は怪獣に変身します。
変身前は、魔法がほとんど通じません、なるべく体力を消耗せずに、地道な攻撃で倒しましょう。
変身後は、強力な魔法をバンバン使用しましょう。 但し、(炎)系は利きません。
特殊攻撃「クリティカル・チョップ」で首を刎ねられた場合は諦めましょう。
今まで培った力(受験勉強)を用いれば、決して倒せない相手ではありません。
頑張って下さい。



いかがでしょうか?
これで受験はバッチリですね。
どうか受験の「魔物」を打ち倒し、
感動のエンディングを目指して下さい。





エンディング?


退場