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ハテナくんおにいさん


-第2回-

質問はこちら


 「さあ、どとうのいきおいで第2回だよ!」

 「難しい言葉を知っているんだね。」

 「うん。 この間勉強したんだ」

 「意味分かってるのかい」

 「分かってるさ! なんかもう、すごいって意味だよ!」

 「何かもう、すごい?」

 「・・・ごめんなさい、よく分かってないよ」

 「しょうがないなあ、ハテナくんは。 いつまで経っても鉄クズなんだから」

 「さらりと酷いこと言うね、おにいさんって」

 「『どとうのいきおい』ってのはね、かつてヨーロッパ諸国を恐怖に震え上がらせた『暗黒の騎士』ことドトー・バルベメッサの・・・」


Q3.
おにいさんたちへの質問なんですけど、前回の登場から今回の登場までの間皆さんは何をやっていたんでしょうか。皆さんも霞を食べて生きているわけではないと思うので何がしかの職業について口を糊していたと思うのですが。教えてください。
(弐兎那さん)


 「重戦車の如き進軍をたとえて、」

 「おにいさん、質問だよ」

 「それがどうしたんだい? その質問が僕の今の回答よりも優れているとでも?」

 「いや、ドトーのいきおいはもう分かったよ」

 「・・・まあそう思っておくが良いさ。 で、質問?」

 「うん」

 「皆さんは、って事は皆さんに聞かないとダメだね」

 「そうだね、じゃあ呼ぶよ」

 「そうしてくれたまえ。 ハテナくんお得意の、人の耳には聞こえない低周波を使って」

 「そんなのないよ」



「・・・・・」



 「と、いうワケで、みんなに集まってもらったよ」

 「じゃあ一人ずつ答えてあげなさい」

 「ボクかね? ボクの近況なんて世間に筒抜けじゃないか! 知らないのはキミの怠慢だ。 全くプライバシーってのはなんだ、有名人には持つ事が許されないものかね!」

 「僕はMacG5を作ってたよ」

 「自分で作ってたのかい?」

 「うん。 図工と保健体育は5だったんだよ」

 「わあ、すごいやジョブスさん!」

 「マセた子供だったからね」

 「図工のことだよ」

 「モモさんは?」

 「俺か? 俺はあれだ。 ソネットADSLを引いていたな」

 「それもまた、自分でかい?」

 「まあ力仕事だからな。 俺とロボットとで引いてた。 全国に」

 「すごーい。 怪力だね」

 「ああ、最近はそんな感じだな。 ああ、あとホステスにちょっかい出してエライ目にあった

 「子供の夢を壊すね」

 「俺は子供とホステスさんの味方だ」

 「パセリくんは?」

 「もちろん、モテてましたよ。 夏には海にだって行きました」

 「行く事自体も自慢になるんだね、君は

 「行っただけじゃないですよ。 もうなんか、モテモテここにありでしたよ」

 「羨ましいじゃねえか、この野郎」

 「だから君は、そういう所にだけ絡んでくるんじゃない」

 「まあモテるのは宿命ですからね。 僕の巧みな話術でイチコロでしたよ」

 「巧みな話術って、どんなのだい?」

 「『焼きソバは400円になります』とか」

 「バイトじゃない」

 「とんでもない! 社員ですよ」

 「で、君は?」

 「私? んー、何んだろう。 寝てた」

 「ああ、それでお金を

 「え? ああ違う。 そういうのじゃなくって、普段の生活が」

 「じゃあ、どうやってご飯を食べていたんだい?」

 「特に、土地と株を転がしてたら、そこそこ入るし」

 「羨ましいじゃねえか、この野郎」

 「そうでもないけど。 あとは、色々輸入して売ったりして」

 「・・・深くは聞かないでおくよ」

 「そうして。 そんなのでご飯は食べてた。 後は寝てた」

 「誰と?

 「一人だってば」

 「じゃ、まあそういう事だ。 はい回答終わり」

 「まだあんたと、ハテナくんが残ってるじゃない」

 「ハテナくんには超小型永久機関が搭載されているから、燃料の心配はいらないんだよ」

 「そうなんだ」

 「あんたは? 永久機関じゃないでしょうに」

 「うん。 僕は違うよ」

 「そういや、お前は普段何してんだ?」

 「どうやってご飯を食べているのですか?」

 「別に。 ご飯なんていらないし」

 「ご飯はおいしいよ」

 「ご飯食べないと、死ぬじゃない」

 「だって、僕はインターネットの人だから

 「あ・・・」

 「・・・そういうのはアリか」

 「僕達、頑張ったのに・・・」

 「嘘はいけない。 この質問の本当の意味は、どうやって生活してるかとか何をして口に糊しているかとかではなくて、お前達は生きてご飯を食べているのかという事だよ。 回答は、食べてない

 「何もかも、ぶち壊しね」

 「当人にとっては目から鱗の大発見だよ。 インターネットの人はご飯を食べなくても大丈夫。 だから働かない。 つまり労働の本分は空腹を満たす為だけにあるんだよ」

 「すごいやおにいさん! そうやって質問からそらしていくんだね」

 「そういう事は言っちゃいけないな」




 「じゃ、今回はここまでだよ。」

 「質問は1個だけだったね」

 「来てないんじゃないの?」

 「ところが、第1回の話の後に一気に増えちゃったんだよ」

 「でも回答ペースはこれ位にしようね。 じゃあご飯を食べに行こう

 「わあい。 ボクお腹空いちゃったよ」

 「ハテナくんって永久機関じゃないの?」

 「燃料はいらないけど、空腹感はあるんだよ。 食べないと満たされないまま永遠に生き続ける

 「割と地獄ね、それは」

 「♪ごっはん〜、ごっはん〜、しっろごっはん〜♪」

 「で、インターネットの人は、お金あるの?」

 「安心したまえ。 今日は君のおごりだ

 「なんでよ」

 「・・・食べないと満たされないまま、永遠に生き続ける・・・」

 「・・・来るんじゃなかったなあ」


[つづく]