the shadow of silver
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9月27日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
今月22日、米ハーバード大にて発表されたイグ・ノーベル賞に「股の間からものを見ると見方が変わる」を研究し、実際より小さく見える「股のぞき効果」を実証した立命館大教授の東山篤規さんと大阪大教授の足立浩平さんが「知覚賞」を受賞しました。

イグ・ノーベル賞は1991年に創設された「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞です。名前はノーベル賞と英単語の"ignoble"(下劣な・不名誉な)とかけられていますが、その研究テーマは私たちの日常生活に馴染みあるものも多く、決して下劣でも不名誉なものではありません。近年はインターネットによる情報洪水の影響もあり、毎年注目を集める賞となっています。

今回受賞した「股のぞき効果」については、人は前かがみになって股の間から後方を見ると、直立して見る景色とは異なり遠くのものが小さく、かつ手前にあるように見える錯視の効果が確認できた、という内容です。日本三景のひとつ京都の天橋立では、見晴台で「股のぞき」を楽しむ遊びがよく知られています。天橋立は海上を走る松並木の細い砂州ですが、これを股の間から逆さになって見ると、海が空のように錯覚してまるで天空にかかる橋を下から仰ぎ見ているように感じられます。まさに天橋立。その美しい光景から疑問を抱き研究を始めたそうです。

錯視・錯覚はミステリのトリックにもありますが、受け手の認識を覆す遊びはいつも楽しく考えさせられます。そして人間の五感は本当に曖昧で頼りないものだと思い知ります。今回受賞した論文ではありませんが、下記のリンクより受賞者の東山篤規さんが2005年に発表した同テーマの話が掲載されています。プレゼン形式の発表でとても分かりやすく書かれているので興味のある方はどうぞ。

[参考]「天橋立股のぞき」はなぜ美しいのか?|東山篤規(立命館大学)

[一日三報]
【産経新聞】 農業は「危険な職業」だった!? 死亡事故割合は建設業の2倍 目立つ高齢者の機械操作ミス

クマやイノシシに襲われるから危険かと思ったら。
建設業界の安全規定はどんどん厳しくなっていますが、農業は放ったらかしになることも多いので。
しかしインパクト重視で全然違う業界同士を比較するのはどうかと。
実りの季節、お気をつけください。

[WIRED] 携帯電話のつながりにくい場所に「LTEドローン」を! AT&Tの空飛ぶアンテナ計画

移動ホットスポットとして便利かも。
自動運転でソーラー発電や充電器まで戻って来る機能があればもっと凄い。
ついでに監視カメラも備えていればテロ対策になる。
で、ライフル搭載で上空から狙撃。

[佐賀新聞] 「痛」教習車 ミクも登場 大町自動車学校

私が通っていた20年くらい前は、ベンツだのなんだのと高級教習車が話題になっていましたが。
しかしボディにペイントしても運転者には何も見えないのでは。
横並びになって走る教習でもあるのかな。



9月20日(火)
[本日の独言(ひとこと)]


先週末に奈良少年刑務所で開催された「第26回奈良矯正展」を見に行きました。矯正展というのは刑務所を開放して見学会を行ったり、全国の受刑者が社会復帰をめざして作った製品を展示即売するという、いわゆるお祭りのイベントです。場所は東大寺にもほど近い般若寺の近く、入り組んだ路地の奥がいきなり開けると高い塀に囲まれた施設が現れます。

奈良少年刑務所は明治41年(1908年)に竣工した全国7箇所の少年刑務所の一つです。明治期の重工でモダンなレンガ作りの建築物として知られています。しかし来年三月で閉鎖されることが決まり、その後の市民の要望を受けて建物の保存が決まりました。そんなニュースが夏前に流れたこともあって、今回で最後となる矯正展も大きな注目を集めました。



訪れた刑務所内は赤レンガのロマネスク調様式が非常に美しく、あたかも名門女子高校のような佇まいを感じました。豪華な施設は当時の日本が近代化の波を受けて、罪人にも人間扱いをという風潮が高まっていたことも要因にあるようです。もちろん内部は窓のない独房や大広間の作業スペースなど、いわゆる塀の中であることに変わりません。その点を見ると確かに古過ぎて効率も悪くなっていただろうなと思います。

係の人に話を聞いたところ、現在の入所者はそれぞれ別の刑務所へと移動となるそうです。なお見学スペースに張り出されていた入所者の一日の生活によると、午前6時30分に起床、点呼の後に朝食、7時半から12時まで作業(休憩あり)、12時に昼食、12時30分から午後4時50分まで作業、点呼の後に夕食、午後5時30分から午後9時まで自由時間、その後就寝というスケジュールでした。残業はなく週休二日制。ご飯も粗食ですが、『臭い飯』ではありません。出所後に役立つ資格を取得できるカリキュラムあります。テレビやスマホやお酒やパチンコなどの誘惑もありません。親兄弟や友人からも隔離されて、しがらみもありません。作業による報奨金(賃金)は一か月で数百円と微々たるものですが、少なくとも入所中は生活に困ることはありません。三年くらい入ってみると色々と価値観が変わって鍛え直してもらえるような気がしました。まあ、そのための施設なのですが。

ちなみに矯正展自体は一般的なお祭りでした。広場で餅つきをしたり、露店でご飯や受刑者作の製品などが売られたりしていました。こういうイベントがあるならもっと早くに行きたかったと思いました。



[一日三報]
【GIGAZINE】 本を開くことなく中身を読む技術をMITが開発

いや開いて読めよと思いましたが、古文書などに損傷を与えず中身を見る技術のようです。
「タイムレゾリューション」(時間の分解能」という単語は近ごろよく目にします。
日本の巻物とかはどうだろうか。

[ITmedia] Twitter、ツイートの140字制限に画像、動画、投票、引用ツイートを含まぬ仕様変更

いよいよ140文字にこだわる理由も無くなりつつあるツイッター。
縛りがあるからこ、そ気軽に書けて気軽に読めるものだと思うのですが、どうか。
あまり盛り込むと他と変わらなくなりそうです。

[CNN] 呼ぶとやって来る自動運転カート、米ウォルマートが特許取得

自動車だけじゃない自動運転。
手ぶらで店内を回って、後でカゴを取りに行ってしまう派の私には便利かも。
でもウォルマートは知りませんが、日本のスーパーだと事故や渋滞が増えるだけのような気もしたり。
あとシルバー人材の貴重な働き口が奪われたり。



9月13日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
オーストラリアのタスマニア島にのみ生息するタスマニアデビルという動物がいます。犬のような大きいがネズミのような顔をしており、真っ黒な体毛に鋭い爪を持つ肉食有袋類です。あまり可愛くない面構えに夜行性で家畜を襲うという理由でデビルと名付けられ、19世紀には入植者によって大量に駆除されました。また1996年には「デビル顔面腫瘍性疾患」という恐ろしい病気が確認され、わずか十数年で個体数の80%を減少させました。このままでは今後数十年で絶滅するものと見られています。

そんな不幸なタスマニアデビルについて、近ごろ驚くべき研究結果が発表されました。それは最近誕生した個体の中で、顔面腫瘍を発生させる遺伝子に変化が起きて免疫力と抵抗力が高まりつつあるということです。これは進化と呼べる状況ですが、それがたった4~6世代で起きています。つまり我々でいうと、曾祖父や高祖父なら罹患した病気が、我々には生まれつき罹らないという状況です。有袋類という高等な生物がこれほどの速度で進化していることに研究者は驚かされました。またこの進化によりタスマニアデビルの絶滅は免れる可能性もあります。

一方、魚類の中では地球温暖化に伴うCO2の増加に適応した種類がいることが確認されています。海中の酸素と二酸化炭素は日中と夜間とでは大きく変化します。日中は水中の藻類が光合成によって二酸化炭素を消費して酸素を増やします。夜間にはその活動が止まるので二酸化炭素が増加します。ところが昨今のCO2の増加により、日中でも水中の二酸化炭素レベルは高まりつつあります。お陰で魚類の中では勝手が変わりこれまでの住処を追われるものや、生態系の変化によって大量発生、大量消滅するものも現れています。

スズメダイ科の小魚にはその環境の変化に適応すべく、日中でも体内の状況を「夜間モード」にしている種類が確認されています。つまりCO2の増加しても問題なく生息が続けられるようになりました。これもまた進化のひとつと呼べる状況です。

進化といえば何十億年をかけてジワジワと変化してきたものと思われていましたが、実は想像以上に素早く柔軟に対応できる場合もあるようです。しかもそれが単細胞生物だけではなく、魚類や有袋類といった脊椎動物においてもそのようです。そう考えると、同一個体の長寿命にこだわり続けた人類にはちょっと不利です。自らを万物の長たる霊長類と名乗りましたが、そのうち進化に遅れをとって他の動物に追い抜かれるかもしれません。

[一日三報]
【AFP】 タイムズスクエアで終戦を祝う「キス写真」の女性が死去 92歳

歴史を語る有名な一枚。
ご存命であったことにも驚きですが、この二人が知らない者同士だったことにも驚きです。
嬉しさのあまり? 道端にいた見ず知らずの女性に?
なんと言いますか、こんな奴らと戦争やっちゃいけませんな。

[WIRED] 落とした食べ物の「5秒ルール」はウソ:研究結果

そりゃそうだ。
しかし誰もが知っている結果をわざわざ研究して結論付けるのも研究者の偉大な作業です。
私はそれよりも「5秒ルール」が世界に広まった文化的な流れを知りたいです。

[ITmedia] 年末向け女児玩具の名前がやたらと「DX」な理由

いわゆる歳末大売り出し。
女児玩具に限らず、スーパー、ウルトラ、大、などを付けたがるものです。
「DX」の上には「EX」があるとか。
するとその上は「FX」になるのか。
おままごとセットFX、デイトレーダーか。



9月6日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
先月末、ロシアの電波望遠鏡が宇宙から発せされたものとみられる強い信号をキャッチしたという報告がありました。ロシア科学アカデミーの特別天体物理観測所(SAO RAS)は「RATAN-600電波望遠鏡で受信した信号はほぼ間違いなく地球のどこかで発せられたものだ」と発表しました。

信号を確認した地点は地球から約95光年離れた恒星「HD164595」の方向。恒星とは自ら光を発する太陽のことで、その周辺には複数の惑星があるものと知られています。なお95光年とは光が地球に到達するまでに95年かかるという遠さですが、宇宙の規模で見ると物凄く近い距離になります。

地球外生命体の発見となると偉大なことですが、それが自ら信号を発したとなると、ちょっとゆゆしき事態です。ミジンコやトカゲ程度なら可愛げがありますが、自ら積極的に宇宙へのアクセスを試みているとすれば人類と同程度かそれ以上に高度な文明を持っている可能性が高いです。地球人同士ですら一つにまとめられないのに異星人と仲良くできるはずもありません。こうして地球人は自らの手で宇宙戦争を始めてしまうのです。

などと思っていましたが、その後の見解によると実は宇宙からの信号ではなく、地球由来のもの、人工衛星などからの信号だったのではないかと報じられました。どうやら見間違い、信号の取り間違いだったようです。まさに杞憂、あるいはぬか喜びでした。

今、人類は火星にまでロボットを送り込んで調査をしていますが、火星に人間を連れて行けない理由のひとつに、人体に存在する細菌やウィルスを完全になくすことができないというのもあるそうです。火星で発見された細菌、つまり地球外生命体が、実は宇宙飛行士の体に付いていたものという事態にもなりかねません。ゆえに慎重にならざるを得ないようです。

宇宙からの信号もロマンを感じますが、やはりそううまくはいかないようです。でもこの失敗に挫けることなく観察を続けて欲しいと思います。いつか本当に宇宙からのメッセージを受け取る日が来るかもしれません。今回の発表の責任者がどのような処分を受けるかは知りません。

[一日三報]
【AFP】 トナカイ300頭以上、落雷で死ぬ ノルウェー

【WIRED】 トナカイ300頭を殺した「雷のナゾ」

人間にとっても動物にとっても、落雷の被害はままある話ですが、規模が恐ろしい。
まったく不運なトナカイさん。
そりゃ昔の人が見たら「神の怒り」とか言い出すことでしょう。

[CNN] 本当は存在しない「核のボタン」 米大統領の発射方法とは?

バッグを開けたら放射能マークのでっかいボタンがあると思っていました。
しかしこういう情報が伝えられている以上、またやり方は変わっているかもしれません。
なんにせよ、大統領が「核兵器使用の決定権」というボタンを持っているのは間違いないわけで。

[ITmedia] Google、“組み立てスマートフォン”「Project Ara」プロジェクト中止を認める

面白そうだけど売れないだろうなと思っていたら、プロジェクト自体がなくなりました。
やはりコスト高は避けられないか。
3000円でベースを買って、500円ずつくらいでユニットを追加できるみたいのだったら楽しそう。
無駄を一切省いた地図アプリ専用端末とか、初心に返って電話しか使えないとか。
そういう選択はあってもいいと思います。