the shadow of silver
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1月30日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
小説というのは作者が思い描くイメージを言葉で表現した作品であり、読者はその言葉から筆者と同じイメージを思い浮かべて楽しむ遊びだ。近頃は表紙の絵や挿絵で実際に見て理解できる作品も多いが、基本的には作者と読者のイメージを一致させることが必要となる。ゆえに作者は自分のイメージを正確に、時には余裕を持たせて伝えることに苦心する。あるいは、わざと誤認しやすい表現を混ぜて読者の意外性を誘うこともある。ミステリの叙述トリックなどはそういうものだ。

昨年、マイクロソフトは文章からイメージを自動生成できるAI技術を開発したという発表があった。「黄色い体で、黒い翼を持ち、短いくちばしの鳥」というテキストを入力すると、それに見合ったCG画像を自動的に作成できるそうだ。これまで写真や画像から自動的に説明文を付ける検索技術やAIは開発されていたが、その発展型となる手法だろう。特筆すべきは「黄色い鳥」や「黒い馬」という一括りの言葉ではなく、○○+○○+○○と、複数の要素を取り入れられることだ。

開発段階ではあるが、ゆくゆくは文字だけの小説から自動的にアニメーション映画を作ることができるかもしれない。あるいは作家の文章表現が正確に読者へ伝わるかどうかの試験にも使えそうだ。ついでに、こっちの言い回しのほうが良いなどと提案してくれると有り難い。いっそこちらのイメージをみんなAIが理解して文章化してくれるともっと助かる。で、それをAIの編集者が出版して、AIの読者が読んで楽しむ。僕らは何をしようか。

[参考URL] Microsoftがテキストから本物と見間違うレベルの架空のイメージを自動生成する新AI技術「AttnGAN」を開発 - GIGAZINE

[一日三報]
[CNN] 中国当局、香港書店オーナーを列車内で拘束 外交官同行も

[共同通信] 中国、ラップ禁止令

かつての何とか革命よろしく。
基本的に共産主義国は政府が強い国なので、社会が発展してもこういうことは平気で起こる。
あるいは中東の王国や独裁国家も厳しい法律と軍隊で国民を縛りつけている。
言論の自由、行動の自由が認められている国は、実はそれほど多くないかもしれない。
それに気付かないと、ダメな点ばかり目立つ自国に絶望して、ダメな点が「なぜか見えない」他の国に憧れる。

[WIRED] 「404」は部屋番号だった? 「Not Found」エラーにまつわる噂の真偽を、「生みの親」に聞いてみた

そんな訳ないだろと思って読んだら、そんな訳なかった。
デマというのは、分かりやすくて誰かに話したくなる情報だから広まるのだろう。

[AFP] ムンクが描いた貴重な肖像画を公開、ゴッホ美術館

意外と紳士。
「叫び」のハゲたオッサンが自画像だと思っていた人も多いのでは。
ちなみにあの人は「叫んでいる」のではなく「叫びに脅えて耳を塞いでいる」オッサンらしい。



1月23日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
今月、岩波書店の「広辞苑 第七版」が今月10年ぶりに刷新して発刊された。全3216ページ、別冊付録424ページ、重さ約3300グラムの堂々たる知の結晶だ。価格は8500円(特別価格)とのことだが、製作の労力と印刷の規模を考えると相当安く抑えられている。その分売らなきゃならないので、宣伝広告にもかなり力を入れているようだ。

ところがその広辞苑も刊行5日で水を差された。新たに追加した「しまなみ海道」の説明にミスがあると分かったのだ。海道の経由地に「周防大島を経由する」と記載していたが、正しくは「大島を経由する」と記述すべきだったそうだ。同社は校正ミスを認めた上で、重版時に改訂するとコメントしている。初版発行部数は知らないが、訂正シールくらい付けてもいいのではと思った。紙の辞典はネットとは違い、すぐに修正できないのが辛いところだ。

今日びはインターネットで検索すると大体どんな情報でも手に入る時代になっている。有料で巨大な本の辞典など、偉い人が本棚に並べるくらいしか使い道がないかもしれない。ただ私はこういった辞典や事典、あるいは字典は、正しい説明が正しい日本語で書かれた文献として特別な価値があると思っている。

かつては新聞がその役割を担っていたが、どうも近頃は内容も文章もゴシップ記事やインターネットのネタ文、いわば世間の話言葉に引きずられて、雑な記事が増えている気がする。「忖度」の意味を意図的に貶めたことなどその典型だろう。だからこそ原点に立ち返って説明してくれる辞典は必要な存在であり、そのために労力を費やす人にはきちんと報酬が支払われるべきだと思う。日常的な言葉なんて意味が伝われば雑であっても構わない。しかし基本となるものがなければ、それが雑かどうかも分からなくなるだろう。

なお広辞苑はスマートフォン版も同時にリリースされている。容量はギガ単位だが、あの内容が手元に収まるとは凄い時代になったものだ。ちなみに価格は9800円と、なぜか分厚い紙版よりも高く設定されている。本を買えと言うことか。でも実際に売れるのはこっちだろう。「第八版」は本を止めて完全電子化になるかもしれない。

[一日三報]
[時事通信] レジなしコンビニ開店=スマホで自動精算-米アマゾン

以前から話題になっていたアマゾンGOがついに開店した模様。
いよいよネット通販がリアル店舗の経営に乗り出しつつある。
レジを通さず、商品を持って出られるという感覚は楽しそう。
でもお買い物感がさらに薄れて買いすぎてしまいそう。
それも狙いだろうけど、子どもの教育には難しそうだ。

[ITmedia] 「格好悪い」「鼻眼鏡みたい」 見た目が話題になったウェアラブルデバイス「b.g.」 メガネスーパーのこだわり

今日のウェアラブル。
確かに見た目は、ちょっと鼻の骨を折ったっぽい。
白色というのが特にケガ感を印象付けるのかもしれない。
「眼鏡の歴史は700年」という言葉に「北斗神拳の歴史は2000年」というケンシロウの言葉を思い出した。

[CNN] 1ホールを1分50秒で終了、ギネスがゴルフの最速記録認定 英

動画の必死感が良い。
もっと頑張れば、もっと縮められそう。
でも、これはやり過ぎだけど、現実のゴルフもちょっとダラダラし過ぎな気もする。
スコアの他にタイムも競う、アスリート要素があっても楽しそうだ。



1月16日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
中華料理に酔蝦(ツェイシア)というものがある。直訳すると「酔っぱらいエビ」。生きたエビを紹興酒や老酒で漬けて湯引きした料理だ。(生食する場合もある)。注文すると店員が生きたエビの入ったガラスのボウルをテーブルまで運んで来て、目の前で酒に漬けてくれる。勢いよく飛び跳ねるのでガラスの蓋をしてしばらく置いたあと、さっと湯引きして供されるのだ。

エビが酒に浸ってぴちぴちと跳ねるさまはインパクトがあり、パフォーマンス的な楽しさがある。日本でも食べられる捌きたての動くイカ刺しや、シラウオの踊り食いに近い感覚を抱くだろう。しかし外国によってはショッキングで残酷に見えるかもしれない。動物の生食を禁止している宗教や、厳しく制限している国も少なくないからだ。

今月10日、スイス政府はロブスターを生きたまま熱湯に入れる調理法を禁止し、事前に気絶させてから絶命させることを義務付けた。理由はロブスターなどの甲殻類は高度な神経系を持っており、生きたまま熱湯で入れられると痛みと苦痛を感じるからという、動物の愛護団体や科学者の主張に国も賛成を示した形だ。

近頃では魚も実は痛みや苦しみを感じており、生命の糧や生活の術ではない、遊びとしてのフィッシングは残酷な行為に他ならないという意見もあるらしい。残酷とは何か、痛みとは何か。もしかすると先の酔蝦やイカ刺しや踊り食いもそのような主張が受け入れられて取り扱いが難しくなるかもしれない。というか、私たちの感覚自体も変わっていくのかもしれない。痛みは生理的な反応だが、残酷は心理的な反応だ。残酷の基準は意外と短い期間で変遷している。

[一日三報]
[ホウドウキョク] エビは魚?それとも虫?? インドでの禁止令に戦々恐々

こちらもエビ。
宗教的な理由で禁止される、あるいは忌避される食べ物というのも多い。
欧米では知性の有無を判断基準にする場合もあるが、それも結局は上等か下等か、さらに言うと宗教を理解できるかどうかという理由が大きいように感じられる。
クジラやイルカも賢いからダメというから、一寸の虫にも五分の魂と思う人たちには受け入れがたいものがある。

[ITmedia] カーシェア、「仮眠」「カラオケ」にも需要 ドコモ調査

仮眠や電話や読書のために車を借りる人がいるとは知らなかった。
しかし場合によってはカラオケボックスや漫画喫茶よりも、安くて便利に使える「移動個室」という面もあるのだろう。
それだけ気軽に借りられるという面をアピールすれば、特に都市部では大きな需要になるかもしれない。

[CNN] 「iPhone依存症」、アップル元幹部も対策を要望

たとえば私のようなデスクワーカーは、一日中室内に籠もってモニタを見ながらキーボードを叩いているが、そういった職業は20、30年前にはほとんどなく、人類史上においても存在しなかったライフスタイルともいえる。
それゆえに、この作業に従事することで起きる体調や精神の変化も未知数あり、新たな生活習慣病が生まれる可能性もないとは言えないだろう。
スマホライフもそんな最中にあるから、あまりやり過ぎないほうがいいと思うよ。



1月9日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
正月にある方から興味深い話を聞いた。ここから以下の文章は医学的見地に基づいたデータやアドバイスではなく、単なる世間話として書くことをお断りしておく。

その方は長らく糖尿病を患っている。糖尿病というのは血中に含まれる糖の値、つまり血糖値が正常な基準値を超える状態であり、それによりさまざまな病気を引き起こす原因となる疾患のことだ。血糖値というのは食事により上昇するが、健康体であれば膵臓からインシュリンというホルモンが分泌されて抑制される。糖尿病患者はこの機能がうまく働かず、最適な量のインシュリンが分泌されないために血糖値が下がらないのだ。

糖尿病にもいくつかの段階に分かれており、インシュリンが全く分泌されない人もいれば、分泌量が不足して補いきれない人もいる。全く分泌されない人の場合は生け花の剣山に似た専用の注射器を使って外部からインシュリンを投与する必要があり、不足している人は食事制限や運動により血糖値を抑えることで改善するできる。先の方はインシュリンの分泌不足であり、それで日々食事に気を付けて、食後はウォーキングなどの運動で血糖値を下げるよう心がけているそうだ。

そんな中でふと疑問が湧いた。それは、運動ではなく頭を使っても糖を消費できるのではないかと思ったそうだ。脳はブドウ糖のみを栄養としており、しかも他の臓器よりも大量に消費しているというのは有名な話だ。それならば、運動代わりにパズルを解いたり将棋をしたりすれば血糖値が下がるのではないか。実に画期的な民間療法、糖尿病は将棋で治せ。そこで早速病院の先生に質問を投げかけてみた。

残念ながら、それでは大して血糖値は下がらないから無駄とのことだった。

簡単にいうと、脳がブドウ糖を栄養としており、しかも他の臓器と比べて圧倒的に消費量が高いのは間違いないが、所詮それは微々たる量で運動と置き換えられるものではない。さらに脳は覚醒していれば、思考していても何も考えていなくても全力で活動しているので、勉強や将棋をしても消費量が極端に増加するものでもないようだ。

それはメシを食べなければ脳よりも先に体が餓死することを見ても分かる。だから糖尿病だけでなくダイエットにも効果はない。脳はブドウ糖を一杯使っているというのは、単なる思い込みのようだ。その上で、低燃費で高性能を発揮する脳機能には改めて感心させられた。結局、大人しく運動するのがいいだろう。

なおプロの棋士はひとつの対局で2、3キロも体重が減る、という話もある。しかし、たとえそれが事実だとしても、脳が膨大な糖分とカロリーを消費しているからではなく、過度の緊張と集中により食事の量が減っているか、脱水症状を起こしているのが理由のようだ。羽生善治さんは細身だが、加藤一二三さんは福々とされているのを見ても分かるだろう。ちなみに小説家も執筆だけで痩せたという話など聞いたこともない。

[一日三報]
[ロイター] スコットランドの人気飲料、「砂糖半分」への変更に反発広がる

今日の糖分。
世界の風潮からは逆行しますが、私もこの反発はもっともと思います。
ダイエットだの、シュガーフリーだの、大体ジュースなんて糖分摂取が目的みたいなもんでしょうが。
おかしな人工甘味料に頼るくらいなら、砂糖をガンガン使えと言いたい。

[CNN] 情報処理チップに不具合か、数十億の機器に影響の恐れ

[WIRED] インテルなどのチップに潜む脆弱性は、アップデートされても解決しない

割とマジで大変なニュース。
でも日本のテレビとかって、こういうの全然伝えませんね。
規模が大きすぎるのでエンドユーザーは動向を窺うくらいしかできないかもしれません。
うちはCore2Duoさんが未だ現役です。

[Gigazine] Googleが海賊版コンテンツを閉め出すために検索結果からの該当リンクを削除している

こういうのって拳銃や麻薬と一緒で、撲滅なんて不可能です。
ただ、簡単に手に入る状況が問題なわけで、その点では検索エンジンの責任は大きいかと思います。
漫画のタイトルを検索したら、予想検索候補に「○○○ zip」なんて出しちゃダメだろと。



1月2日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

2018年、平成30年の年を迎えた。以前から書いているが、年末年始は長い人生における貴重なリセットボタンだと思う。人間は思い込みの激しい動物なので、きっかけとタイミングだけで精神と身体を一新させることができて、社会と経済を活性化させることもできる。単に日付が変わるだけと捻くれずに、自分自身も生まれ変わったと思うほうが何かと得だろう。

昨年の決定により今上天皇は来年の4月30日に退位されて、翌5月1日には皇太子殿下が即位されるという。それにともない元号も改めることになるそうだ。だから一年丸々平成時代というのは今年が最後になる。長い日本の歴史を振り返っても、元号が変わる予定がこれほどしっかり決まっていた時代はない。これからの一年半は凄く画期的な期間に違いない。そんなこじつけなアニバーサリー感を抱いて過ごすのもいいだろう。

改元に際して気になることと言えば、やはり新元号の言葉だ。次はどんな二文字になるのか、政治家も歴史家もカレンダー製作会社も気になっているだろう。多分そのうちどこかで話題になるだろうが、大正から昭和への改元時には「光文(こうぶん)事件」という誤報事件が起きている。大正天皇崩御の後、いくつかの新聞社が新元号は「光文」と報道し、その後当時の宮内省が「昭和」であると伝えて世紀の大誤報となってしまった。一説によると新元号は実際にも光文と決まっていたが、マスコミが宮内省を差し置いて先に報道したために、急遽昭和に変更したとも言われている。そういう歴史もあるので次の元号も、その時が来るまでは決して明かされない、先に知った者がいても伝えられることはないだろう。

一般的な判断によると、過去の明治、大正、昭和、平成と同じ一字や、書類の生年月日などで略されるM(マ行)、T(タ行)、S(サ行)、H(ハ行)の頭文字は使われないと言われている。すると残るは「ア行」「カ行」「ナ行」「ヤ行」「ラ行」となり、語感と歴史から、「ア」「エ」「ケ」「コ」「ネ」辺りから始まる言葉になると私は思っている。とはいえ、全く外れる可能性もあるが。一年半かけてそんなことを考えてみるのも楽しいだろう。新元号でトトカルチョをしたら、やっぱり怒られるだろうか。

[一日三報]
[CNN] 古いiPhoneの反応速度低下、米アップルが意図を説明

昨年末あたりから話題になっていたニュース。
言い分は分かるが、要は事実と認めるようだ。
万人が新機能や最適化を望んでいるわけではなく、今の機能をそのままずっと使い続けたい人たちも多いと思うが、なかなか許してはくれない。

[Gigazine] ワイングラスは昔よりも7倍も大きくなっている

過去に課せられていた「ガラス税」が影響しているというのは興味深い。
世の中にある様々な「一杯分」「一人前」の基準も、時代とともに大きくなったり小さくなったりしているのではないだろうか。
メシ屋さんで、たまにビックリするくらい量の多い定食とかあるよね。

[読売新聞] 「八王子隕石」とされる小石、本物とは言えず

今日のオカルト。
隕石、天文方、土御門家ってワクワクするよね。