the shadow of silver
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3月29日(木)
[本日の独言(ひとこと)]
先日18日には第12回冬季パラリンピックが閉幕して、これで韓国の平昌で開催されていたオリンピックは全てのプログラムを終了した。開催前は散々な評判だったが、終わってみればオリンピック、パラリンピックともに日本人選手の活躍も多く、世間も充分に盛り上がったように感じられた。2020年の東京オリンピックではどうなることか。その前に5月からはサッカーのワールドカップが開催される。またガンバレニッポンムードが高まるのだろう。

オリンピックにせよ国際大会にせよ、出場選手達のスーパープレイは本当に素晴らしく感動させられる。ただ何よりも私が感心するのは。選手達の度胸、メンタルの強さだ。フィギュアにせよジャンプにせよ、あの大観衆、大声援さらに全世界中継の中で一回勝負に挑むのは本当に凄い。私なら間違いなく途中棄権して、できるだけ早く会場を立ち去るだろう。もちろん日々のたゆまぬ練習によるものだろうが、それはそれとして、あの精神力は競技とは別の才能や訓練が必要だろうと感じている。

スポーツに取り組む人たちの中でよく言われている不調にイップス(yips)というものがある。何かしらの精神的な要因により突然思い通りのプレイができなくなるというものだ。プロゴルファーのトミー・アーマーが名付けた言葉で、元々はゴルフの分野で使われ出した。今では野球やテニスやサッカーなどあらゆる競技で使われており、スポーツ分野におけるメンタルトレーニングの重要性を語るものとなっている。

イップスを引き起こす要因は様々だが、ひとつには「予期不安」というものがあるという。「また失敗してしまうのではないか」という思いが体の動きを止めてしまい、本当に失敗してしまうというものだ。だから失敗して当たり前の初心者にこの症状は発生しない。成功して当たり前、メダルが取れて当たり前と思い込んでいるプロほど陥りやすい負のスパイラルなのだ。

そして精神的な症状なので一度填るとそう簡単には抜け出せない。思うようなプレイができなくなって引退を余儀なくされることも少なくはない。しかも端から見れば体力の限界や年齢による衰えにも見えてしまうからやりきれない。本人は地獄の苦しみを味わうことだろう。なお日本の古い運動習慣に多い努力と根性の精神論は、イップスの克服とは真逆の対策方法と言えるだろう。

イップスはスポーツ分野の言葉だが、あるいは一般人の仕事や日常生活にも当て嵌まるものかもしれない。受験、就職、会議、商談、投資など、私たちも大なり小なりあらゆる「大会」に臨んでいる。できるはずのことができない、本番に弱いと思った時は、自分の頭を叩くよりもアスリートたちの克服方法を参考にするのもいいだろう。きっとそのほうが解決は早いだろうし、何より悩むよりも簡単だ。

[一日三報]
[CNN] 1200年前のくしにバイキングのルーン文字 デンマーク

みんな大好きヴァイキング。
見つかった道具には「くし」(名称)という文字と「すく」(用途)という文字が刻まれていたという。
お前らそんな律儀な連中だったのか。

[毎日新聞] 国立科学博物館 これが縄文人の顔 瞳は明るい茶色

ビートたけしかヒロミか長州力か。
こう見えても女性、でもこんなおばちゃんもいるよね。
昔と比べて背は高くなったというけれど、顔は思ったほど進化していないのかも。

[山陽新聞] 岡山駅前に群がる特攻服姿の中3 恒例化「ど派手に卒業祝いたい」

彼らの装束や文化にはかなりの特殊性があって、ニンジャやゲイシャよろしく海外にも熱心なファンがいるらしい。
これを格好悪いと言うなら、渋谷のハロウィンも流行の歌謡曲も似たようなものじゃないかと。
趣味嗜好の範囲として、世間に迷惑をかけなければ好きにしてもいいと思う。
迷惑をかけるから嫌われるんだろうけど。



3月20日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
自動車のカーステレオに接続しているiPodが動かなくなった。
第5世代のiPod。近頃はiPod classicという扱いを受けている機種だ。発売は2005年らしいので、もう13年も前になる。音楽だけでなくビデオ再生もできるのが特徴だが、今となってはディスプレイが小さいので使い物にならない。もちろんハードディスクタイプでタッチパネルや通信機能は搭載されていない。その代わり頑丈で長持ちしている。そういえば昔のゲームボーイにも似ている気がした。

そのiPodに2500曲くらい詰め込みケーブルを繋いで再生させていたが、ある時から接続が切れるようになった。調べてみると電源が入らない。しかし持ち帰って充電器に接続すると再生できる。どうやら本体の充電池が劣化して車内のカーステレオではうまく充電と再生が働かなくなっているようだ。

さらに調べてみると本体中央のメニューボタンが引っ込んだまま押せなくなっている。衝撃を加えた覚えはないが、いつの間にか内部で異変が起きていたようだ。

インターネットで調べてみると、中央のボタンは内部でゴムの接着が弱く、剥がれたりずれたりするとボタンが押せなくなるらしい。というわけでカバーを外して解体すると、確かに小さなゴムがずれてしまっていた。車内で長年にわたる熱と冷気を受けてやられたようだ。木工用ボンドを塗って接着して、再びカバーを戻すと無事にボタンは押せるようになった。

でも充電池を交換するのをすっかり忘れていたので、結局カーステレオでは再生できないままになっている。何をやっているんだ俺は。

パソコンにせよスマホにせよ、何だか毎年数回はこんな風に何かを修理している。買い直したほうが手っ取り早いことも多いのに、それでも何となくやってしまう。これはモッタイナイ精神ではなく、単にそういう性分なのだろう。小説のキャラ設定でいうと、手元の道具箱に精密ドライバーや半田ゴテやパワーテスタ(電力測定器)が入っている系の人。でも基盤を買ってまでは自作しないタイプだ。そこまではさすが面倒だし、きっと戻れなくなるから。

[一日三報]
[WIRED] 壁の向こうの「見えない物」の立体形状を、レーザー光線で“見る”:米大学がシステムを開発

ちょっと「釣り」気味のタイトル。
透視できる技術が開発されたのかと思ったら、レーザーを反射させて物体の存在を確認している。
コウモリやイルカの音波ソナーみたいな感じか。
色んな用途が考えられそうだけど、やっぱり真っ先に思いつくのは、軍事利用かと。

[BBC] ブッダのタトゥー、電子タバコ…… 国によっては逮捕される5つのこと

日本でもたまに海外のミュージシャンが大麻所持で逮捕されている。
あれなどは別に密輸のつもりはなく、自国に比べて規制が厳しいことを知らなかったのが理由のようだ。
これからオリンピックに向けて色々と議題に上るかもしれない。
でもまあ、何でもかんでもオープンにして海外に合わせる必要もないわけで。
イスラム教圏ほど厳密でないにしても、文化的にタブーなものはタブーと言っていいかと。
拳銃は言うまでもなく、薬も大麻もタトゥーも。
異国情緒ってそういう面もあるんじゃないかしら。

[産経新聞] 6年前のガム「DNA鑑定」で判明…さい銭盗容疑で男を逮捕 和歌山県警

[産経新聞] 皮膚のウイルスに日本人特有のDNA、犯罪捜査への応用も…高知大チームが発見

[GIGAZINE] 殺人現場に残された「結び目」からロープの専門家が犯人を導くまで、結び目から犯人の何がわかるのか?

犯罪捜査技術の進歩は、安心できる社会を目指す上でとても有益なことだけど、ミステリ小説的には万能過ぎて使いにくかったりする。
シャーロック・ホームズなんかは、結局当時の警察以上の技術を持っていたから活躍できたのだろう。
だから現代の名探偵は超能力を持つか離れ小島に追いやられるしかないのだ。



3月13日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
英国のバンド「ポリス」の曲に「孤独のメッセージ」というものがある。
2作目のアルバム「白いレガッタ」に収録されており、切ない旋律と歌詞が魅力的な名曲だ。英語の題名は"Message in a Bottle"。手紙が入ったガラス瓶のことで、日本だと「ボトルメール」と称されている物だ。

歌詞は、無人島に取り残された男が寂しさに耐えかねてSOSを知らせるボトルメールを海に流した。すると1000億本ものボトルメールが自分の下へ流れ着いた。そして自分だけではなく、みんな孤独なんだと気付いたという話だ。百人一首にある良暹法師の句「寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづこも同じ 秋の夕暮れ」に似ているのが面白い。

先日オーストラリア西部の海岸で見つかったボトルメールが、調査の結果およそ132年前にドイツの帆船がインド洋に投げ入れた世界最古の物であることが分かった。これまでに発見された108年4か月18日を大幅に上回る発見らしい。手紙の内容は孤独のメッセージではなく、潮流を調べて最速の航路を見つける目的で流された物らしい。当時のドイツは同様の実験を何年にも渡って続けており、同様のボトルメールを何千本も海に流し続けていたらしい。今なら国際問題に発展するだろう。

ボトルメールを題材にした小説では、夢野久作に「瓶詰の地獄」という作品がある。凄まじい傑作掌編なのでご一読されることをお薦めしたい。

[一日三報]
[CNN] 古代ローマの「地獄の門」、動物が死ぬ謎を解明

今日のヘルズゲート。
このトリックはミステリか冒険物であったような気がする。
理由は分からないけど、言い伝えで入ってはいけない場所とか、触ってはいけない石とかいうのも、調べてみればこんな謎が解明されるのかも。

[WIRED] 「マッスルメモリー」は遺伝子レヴェルで実在していた

キン肉マンの必殺技っぽい名前。
ゲーム脳で説明すると、レベル10で死んだらレベル1から再スタートになるけど、もらえる経験値は倍になるからガンガンレベルアップするぜという感じか。
「頑丈」ってこういうものかも。

[京都新聞] ヘビやゴキブリもう怖くない? 苦痛なく緩和に成功

前世の死体をゴキブリに食い散らかされた気がしてならないほど苦手な私には朗報。
しかしこれは、使い方によっては恐怖心をなくして殺戮マシーンを作ることにもなりそうな。
ヘビは好きだから平気。



3月6日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
アリとアブラムシはどちらが先か、と思うことがある。
アブラムシは植物の茎や葉に付くと維管束に口針を突き刺して師管液を吸って生活する。その際、肛門から甘露と呼ばれる糖を含んだ排泄物を出すが、アリはその甘露を求めて集まってくる。それによりアブラムシの天敵であるテントウムシなどを追い払ってくれるという効果をもたらしているのだ。
これを共生関係という。とはいえ甘露は単に過剰な糖分を排出しているだけで、アリを呼ぶために策を練ったわけではない。多分、甘露を出さなかった原初のアブラムシは食い尽くされてしまったのだろう。

アブラムシで言うと、体内にブフネラという細菌を持っている。これはアブラムシが摂取した師管液を必要な栄養分に合成する役割を担っている。ブフネラがいなければアブラムシは生きていけず、またブフネラもアブラムシの体外では生きていけない。これなどはアリ以上に密接な共生関係と言えるだろう。なおブフネラはアブラムシの親子間でも受け継がれている。

どうしてこんな所にこんな動物が? という発見も興味深いが、どうしてそんなものを食べるの? という食性を見るのも不思議で面白い。ゾウはあれほど大きな体をして草しか食べない。現存する地球最大の動物シロナガスクジラは塵のようなプランクトンを大量に食べて生きている(たまにイワシも食べる)。
パンダは竹しか食べないが、実は体はクマのままなので竹ばかりでは栄養摂取の効率が悪い。しかし肉を美味しいと感じる遺伝子が機能していないので肉も食べられない。
吸血コウモリも動物の血液ばかりを摂取していては栄養不足になるので、遺伝子と体内細菌の働きによってうまく適応できるようになっている。そう考えていくと、こんな所にこんな動物が? というのは どうしてそんなものを食べるの? と密接に関係しており、共に進化の奇跡と呼べるものだろう。

なお吸血鬼ドラキュラが人間の血を吸って生きているというのは食性ではなく、モデルとなった「串刺し公」ことワラキヤ公ヴラド三世の残虐性を示すものとして、奴は人の生き血をすするというイメージと結びついたものと思われる。ちなみにヴラド公の生涯は決して残虐一辺倒のものではなく、隣国などの謀略によって生前から後世まで貶められた部分も大きいようだ。

食性について思うのは、雑食であればあるほど優位に立てるということ。人間がこれだけ繁栄できたのも、元はどこへ行っても食えるものを見つけ出せることにあると思う。

[一日三報]
[GIGAZINE] グンタイアリは自分たちの体で橋を作るとき2つのシンプルなアルゴリズムに従っている

今日の昆虫。
このシンプルかつ理に適った生態こそ、自然の驚異、生物の神秘と呼べるものかと。
人間もあまり大脳新皮質だけで考えないほうがいいかもしれない。

[神戸新聞] モグラの二大勢力 数十万年の縄張り争い

ヘルメットを被ったモグラのイラストなんて、久しぶりに見た。
リアルでは死骸しか見たことないなあ。
それにしても日本列島における自然の勢力争いって、だいたい石川-富山、岐阜-長野、愛知-静岡あたりで分割されるのが興味深い。

[AFP] FB、旧石器時代の裸像を検閲 ウィーン博物館が批判

[AFP] フェイスブックが検閲を謝罪 旧石器時代の「ビーナス」像

地球の支配者、霊長類の人類は、最終的には自らで繁殖を止めて絶滅すると思う。