the shadow of silver
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11月27日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
奈良の残念なマスコットキャラクターでお馴染みの『せんとくん』は、誕生から8年が経過しても消えるどころか、ますます幅を利かせて定番化してしまった。毎年この時期になると全国のご当地マスコット・キャラクターやゆるキャラを集めた『ゆるキャラグランプリ』が開催されているが、そのようなイベントにも一切出場せず、まるで「ひこにゃん」や「くまモン」(第一回グランプリ)と同じレジェンド枠に収まっているかのような印象だ。

そんな『ゆるキャラグランプリ』では今年ちょっとした騒動があった。投票に際して某市の某キャラクターに組織票があったというニュースが報じられたが、その際にNHKのホームページに、出場エントリーしていない三重県伊賀市のゆるキャラ『いが☆グリオ』の画像が掲載されていたというのだ。

関係者は『誤解を招く形で拡散され困惑している』と話し、同市の市長も『ニュースで犯人の顔写真を間違えたのと同じ』と憤っているらしい。NHKの広報局は『ご指摘のような意図はありません。誤解が生じないよう説明を加えました』と回答し、画像の脚注に無関係な旨の文章を付けた。なおこのページは現在も下記URLにて公開されている。どうやら『犯人の顔写真を間違えたのと同じ』とは考えていないようだ。

ゆるキャラブームに異変!人気投票に”組織票”が… - NHK クローズアップ現代+

この件にかかわらず、近頃インターネット上のニュース記事では、本文の内容と一致しない画像を掲載していることが多い。火災や事故の報告では実際の現場写真が使われているが、世間への問題定義を伝えるような記事では、どこから取ってきたのか分からないような画像を掲載して(写真は記事の内容とは関係ありません)などとしていることをよく見かける。それもインターネット上のゴシップなニュースサイトだけに留まらず、いわゆる一般新聞のサイトでもその傾向がある。関係ないなら載せるなと言いたいところだ。

無関係な画像を掲載する理由は、印象操作という面もあるが、単純にクリック数を増やす目的もあるのだと思う。今時、画像の一枚も載っていない記事は見出しの段階で読まれない。一方でインパクトのある画像が見えると、どんな記事でもクリックしてもらえる。そんな状況になっているのだろう。お陰でどのニュースサイトも画像だらけになってしまい、肝腎の記事は中身のないものが増えてきたような気がする。

小説の『表紙買い』に近いものがあるので強くは言えないが、あまり下品な真似をせずに、新聞社なら新聞記事で勝負して欲しいと思っている。まあ昔から政治家も芸能人も社長さんも、事件を犯した途端に『悪い顔の写真』を載せられたりしているが、ああいうのもどうかと思っている。カルロス・ゴーンさんも最近のニュースのお陰で、えらく悪どい顔つきになった気がする。

[一日三報]
[ITmedia] 「世界中で住所革命が起きている」 3つの言葉で位置を示すwhat3wordsの仕組みと課題

これはなかなかの新発想。
今どき地図を片手に電信柱の番地を確認する人も少ないわけで、ややこしい地名の多い日本でも導入すると役に立つかもしれない。
かえって紛らわしくなる可能性もありそうだけど。


[ナショジオ] コモドドラゴンの生息地が広がらない意外な理由

見た目と違って慎重派。
外界へ進出するリスクを取らなかったことが繁栄の理由であり、恐らく出て行ったコモドドラゴンはみんな死んでしまったのだろう。
それに比べて人類は、動物の中でも極めて冒険心の高い動物だと思う。

[中国網] 「錦鯉の転載」に「星座」、若者たちがハマる新種の「迷信」

日本でも『この画像をリツイートしたら幸せになれます』みたいな奴が出回ることもあり、それがまたバンバン転載されている事実もあるわけで。
そんな画像データになんの価値があるんだと思いますが、まあ古来より火の用心のお札、ナマズの錦絵、仙台太郎の写真よろしく、人の心に響くものがあるのだろう。
それが気休めになるなら、充分に価値のあるものだと思う。


11月20日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
推理小説は作家にせよ読者にせよ、初めての試みを求めている。
今までの推理小説にはなかった斬新なトリック、画期的な展開、驚くべき結末こそが、書く理由、読む理由の基本となっている。初めて推 理小説というものを生み出したとされるエドガー・アラン・ポーの作品は、今読めばさほどの驚きはない。天才的な探偵、あるいはコンビ で解決する推理小説を世に広めたコナン・ドイルの作品は、今読めば割と強引な推理展開も見せている。ただし彼らは先駆者であったこと で最大級の賛辞が送られている。『少年探偵団』を生み出した江戸川乱歩も然りだろう。

先日のニュースによると、史上初めて南極で殺人未遂事件が起きたと報じられていた。場所は南米チリの南端からさらに南、南極大陸の尻 尾の端とも呼べる場所にあるキングジョージ島。ここの研究基地に勤務する55歳の男性が、同僚の52歳の男性の胸を食堂のキッチ ンナイフで刺したそうだ。被害者はチリに運ばれ緊急入院となったが命に別状はない。犯人は国籍のあるロシアのサンクトペテルブルグに強制 送還され、すぐに逮捕されたそうだ。

一面氷の世界にある研究施設で起きた、史上初の殺人未遂事件、トリックやSFめいた展開はないが、その閉鎖的な舞台だけで興味を抱く ミステリファンも多いらしい。お陰で単なる暴力事件ながら遠く離れた日本に住む私も知ることとなった。ちなみに事件の動機は、犯人が 呼んでいた本の結末を被害者が先に明かしたために逆上してし まったらしい。なんと、そん なところにまでミステリ要素が。ちなみに本のタイトルまではニュースで報じられていなかった。是非とも知りたいところだが。

[一日三報]
[ナショジオ] ハサミムシのすごい翅、驚異の折り畳み式

[産経新聞] ハサミムシの羽、「ミウラ折り」を超え人工衛星に応用!?

今日の昆虫。
どちらかというと山野に近い家屋などで目にすることの多いハサミムシ。毒はないけどたまに挟んでくるハサミムシ。スマートな体形のせ いで羽がないと思われているハサミムシ。凄いよね、虫って。

[AFP] 69歳男性、20歳の若返り求め裁判所に申し立て オランダ

考えてみれば、ハタチ以降、年齢って何の意味があるんだと。
病院とか統計調査はともかく、プロフィールとして明かす必要なんてないと思ったり。
ツイッターのプロフィールで見かける『成人済』って表記は割と正しいのかもしれない。

[ニューズウィーク] 「人肉を食べ飽きた」呪術師らの公判で明らかになったおぞましい新事実

今日の猟奇。
だから(写真は記事の内容とは関係ありません)って書いて写真を載せるのはやめろと。
人体を使った伝統的な薬の名前が"muti"というのも、皮肉というか無知というか。
しかし、もしこれが日本で起きていたら大問題になって、あまり茶化した話もできないと思うと、なかなか考えさせられる。


11月13日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
昨年の12月4日に配信した本メールマガジンVol.824で、天体「A/2017 U1」、通称「オウムアムア」について書いた。天体観測史上初めて確認された、太陽の引力に捕らわれずに移動する恒星間の天体として、大きな話題となっているという話だっ た。

オウムアムアに関してはその珍しさもさることながら、その独特の形状にも注目していた。それは長さ160~400メートル、幅40 メートルほどで、UFOの形状としてよく知られる「葉巻型」だったことだ。これらの特徴をもって、私はこの天体が太陽系の外からやっ て来た宇宙人の乗り物であると結論付けた。

さて、そんなこともすっかり忘れて、およそ一年後の先日7日、ハーバード大学の研究者たちがオウムアムアについて、地球外生命体から 送り込まれた探査機の可能性もあるという論文を発表した。その理由は、かの天体が太陽系から離れていく速度が想定よりも速いことが確 認されたからだという。これは太陽光からの圧力を受けて進むソーラーセイル(太陽帆)によるものと考えられるが、そのような機能を持 つ物質は自然界には見られず、つまり異星人の手が加わっているのではないかという話のようだ。

なお、この発表については既に多くの天文学者から異論が出ており真偽のほどは定かではない。私の予言が正しければ母星へと帰還したオ ウムアムアは、やがて大宇宙船団を率いて地球の上空に現れることだろう。それはともかく、研究者も天文学者も注目を集めるためには大 衆に迎合したネタも求められて、苦労も多いことだろうと思った。

[一日三報]
[ITmedia] ビル・ゲイツ氏、糞便を横にトイレ技術を語る

近頃のゲイツさん。
とうとう枕詞にITやマイクロソフトの名前が消えて「大富豪の博愛主義者として知られる……」とあしながメガネおじさん的な紹介をさ れるようになりました。
世界のトイレ問題は大切な話です。

[WIRED] ロボット芝刈り機の普及が、ハリネズミの命を危険に晒す

今日のロボット。
先日、京都大学の新しい農学部のキャンパスで働くロボット芝刈り機を見て感心しました。
日本ではゴルフ場などで活躍してあまり一般家庭には普及していませんが、庭の多い欧州ではそれこそルンバさんのように活躍しており、 ゆえにこのような問題も出てくるのかなと。
まあ人も歩けば蟻を踏み潰しているわけで、仕方ないんじゃないかな。

[AFP] 中国・新華社、世界初とする「AIキャスター」を起用

今日のAI。
記事だけ読むとテキスト読み上げソフトにしか見えませんが、どこかにAI的な奴も組み込まれているのか。
人間キャスターとAIキャスターとの違いは、人間キャスターは記事に個人の思いを反映させて分かりやすく伝えることかもしれません が、それもいつかはAIが担ってくれる日が来るかも。
まあ、そもそもそんなの必要ない。キャスターは事実だけを伝えるべしと思う人たちも多いわけで。
その内、AI同士の事件や事故をAIキャスターが報じて、人間がそれを観ることになるかも。
知らんがな。


11月6日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
弊著『スパイダー・ウェブ』ではメガネ型のコンピューターデバイス『サイグラス』を登場させた が、現実でこの分野 は思ったよりも発展していない。多くの人々が待望し、様々な企業が開発研究を繰り返しているが、製品化されても一般人が日常で使用す るまでには流行らず、 ましてやスマートフォンに取って代わるとは思えない状況だ。

そんな中、カナダの新興企業Northが10月23日に発表したスマートグラ ス「Focals」は、普通のメガネっぽさを強調した製品となっている。やや太いツルの部分にデバイスの機能を組み込んでおり、他社 製品のように近未来型 通信端末の存在感よりも、今までのメガネ・プラスアルファの印象を目指して作られた製品のようだ。

(参考サイト) Focals by North

な お端末の操作は指輪型のコントローラーか、AmazonのAI音声アシスタント「Alexa」で行う。価格は999ドル(約11万 円)とお高めだが、新た な通信端末として、新しモノ好きへのアピールを狙った製品としてはかなり抑えた額だろう。問題は見た目もメガネそっくりなので相手を 騙しているような感 覚、いわゆるスパイっぽさを思わせるところだろうか。しかしこればかりは世間が慣れるまではどうしようもない。スマートフォンだって 昔の人が見れば相当に 胡散臭い機械だろう。

一方、それはとは真逆の話になるが、世の中に存在するあらゆるディスプレイを見ないようにするために新たなメガネの 開発を目指している人たちがいる。「IRL Glasses」と名付けたそれは、簡単に言うとメガネのレンズに偏光フィルムを貼って液晶ディスプレイの光が目に届くのをシャット アウトする物のよう だ。スマートフォンなどに貼られる『覗き見防止フィルム』をメガネのレンズに貼る感覚だ。それにより目に入るディスプレイは全て黒一 色となり、テレビもパ ソコンもスマホも屋外の電子広告も見なくて済む。情報化社会の圧力に抗い、心の平穏を保とうということだ。なお名前の「IRL」 は"In Real Life"の略語だそうだ。

(参考サイト) IRL Glasses

メガネを使ってさらに情報を取り込むか、あるいはメガネを使って情報を遮断するか。私としては両方の機能を備えて欲しいとも思う。な んにせよ、メガネ型デバイスの灯火はまだ消えてはいないようだ。雨傘とメガネはまだ進化の余地を残していると私は思う。

[一日三報]
[ねとらぼ] 「スーパーマリオ」の名前の由来となったマリオ・セガールさん死去

プレイヤーが操作するマリオネット(操り人形)が由来かと思ったら、実在したとは。
任天堂ともゲームとも配管工ともなんの関係もないけど、この人の人生もそれはそれで面白そう。

[AFP] 道に高級品ばらまいた姿をネット投稿、中国で流行 パロディーも

衣食足りて礼節を知り、礼節足りて芸術を知り、芸術足りて遊びを知る。
こういうくだらないことが流行るようになると、かの国は文化的にも成熟してきたと感じるわけで。

[読売新聞] 「w」「ディスる」…辞書に載るネット語の条件

今日の日本語。
どこまで正しい日本語にこだわるか、どこまで新しい言葉を取り入れるか。
辞書に載る意味というのは、その言葉が世間に通用する日本語であるというお墨付きを与えること。
つまり小説やニュース記事などで、注釈を省いて使用しても構わないことにもなると、編纂者は自覚して欲しい。