the shadow of silver
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4月28日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
「トキは学名をニッポニア・ニッポンと呼びます、でも日本にはもう二羽しか残っていないそうです」90年代にAC(公共広告機構)がそんなCMを流していたのを覚えている人もいるだろう。
昔ACがよく展開していた「怖いCM」的な作り込みだった。
あのCMを観てトキという鳥の存在とその学名と危機的状況を知った人も多いのではないだろうか。

あの時に紹介されていた二羽のトキは雄の「ミドリ」と雌の「キン」と名付けられて大切に保護されていた。
しかし1995年に「ミドリ」が死亡し、2003年の「キン」も死亡したことで日本産のトキは絶滅してしまった。
その後は中国からの輸入を受けて繁殖を試みたお陰で個体数は徐々に増え始めており、これまでに合計142羽が放鳥され野生での繁殖を含めておよそ280羽ほどが確認されているらしい。
ちなみに中国産のトキは日本産と遺伝子の差異がないため外来種ではなく、それどころか古代から遺伝的交流もあったものと推測されている。

そういう経緯があって日本のトキは、決してまだ多いとは言えないが地道に数を増やしつつあるらしい。
ところが先日、法政大学の島野智之教授と東邦大学の脇司講師の調査によると、ひっそりと別の動物が絶滅していたことが明らかになった。
それが日本産のトキの羽にだけ生息していた「トキウモウダニ」というダニだった。
中国産のトキの羽には「トキエンバンウモウダニ」という近縁種のみが生息しており「トキウモウダニ」は先の日本産トキ「ミドリ」「キン」の残された羽からしか死骸が見つからなかったそうだ。

これは、ある種の生物が絶滅すると、その種とかかわりのあった他の生物も同時に絶滅するという例だろう。
トキは何とか復活できたが、ダニは間に合わなかった、というか気付かれてもいなかった。
しかもダニはトキとは違って、何とか復活させようという試みすらも行われにくい。
絶滅したダニを蘇らせたい!と叫んだところで、誰も関心を持たないだろうし、国も予算を渋るだろう。
あるいは「なぜ復活させたいの?」という意見まで出るかもしれない。

ジュゴンやラッコの保護活動を支援して、絶滅寸前のキタシロサイに胸を痛める人であってもそうかもしれない。
かく言う私も、蚊とゴキブリの絶滅を願ってやまない。
自然環境の保護とは、あくまで人間にとって好都合な、という制限が付くものなのか。
これはなかなか難しい問題だと思う。

[一日三報]
[CNN] 魚やめんどりを「散歩」、自宅待機命令の抜け道探す人続出 スペイン

コロナショックは世界と社会のあり方を再定義する可能性がある。
これまでそうあるべきと思われてきた真理、あるいは伝統と習慣によって築かれてきた常識が見直されるかもしれない。
ペットとは何か、散歩とは何か、僕らはもう一度考え直す必要がある。
シルバニアファミリーとおでかけをする使命だってあるはずだ。

[毎日新聞] 「唐辛子かけるの好きだった」 法務事務官、飲食店の七味3缶盗む 停職処分

推理小説ならここから陰惨な殺人事件へと続き、やがて法務事務官の詳細が明かされて、ついには七味を盗んだ驚くべき動機が明かされるはずだけど、現実はそうならないかも。
ストレス解消というつまらない理由で終わるのかな。

[Gigazine] 「冷却ファンの振動」からPCの機密データを盗み出すことが可能と判明

前にHDDの書き込み音からデータを盗むという情報もあったけど。
なんでもかんでも取れるのだなと。
色々と条件が厳しすぎて、トリックとしては使いにくいかも。

4月21日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
先週に発刊した『へたれ探偵 ─祇園小町の神隠し─』(Kindle版)の無料キャンペーンは、お陰様でそこそこ皆さんに興味を持っていただき、ダウンロードもそれなりにしてもらえた。
無料配信というのは本当に無料で配信されるコンテンツなので、収入という点ではゼロなのだが、それで既刊の書籍に注目していただけるなら、それはそれで結構なことだと思っている。
出版社を通して発刊している書籍にそういう施策はできないので、これも手作りのメリットと言えるかもしれない。

最近では漫画などもそのような無料配信を行っているものも多く、単行本の一話はおろか、シリーズ物なら一巻丸々公開している作品も少なくはない。
当然、著者も出版社もそのほうが収益があると見込んでいる訳だが、一方でそれが当然という風潮になりつつあって、牛丼の値段を争うようなチキンレースの様相を呈しているようにも見えてきた。
行き着く先はサブスクリプション、月額定期購読になっていくのだろう。

メッセージアプリの「LINE」が提供している小説アプリ「LINEノベル」というものがある。
スマホで読める小説、あるいは自作の小説が投稿できるアプリとして、私も既刊の「読んではいけない殺人事件」がリリースされているようだ。
ただ、これは章ごとに有料のコインを費やして読むという形になっていて、私の作品も全60話に分けられている。
最初の3話は無料で公開されているが、残りを読むならお金を支払ってという仕組みだ。
なかなか興味深い試みだが、特に長編ミステリ小説には向かないシステムかもしれない。
章ごとに盛り上がる展開や、続きを読みたくなる部分を設けていかないと、アッと驚くラストまで辿り着けないからだ。
中編も厳しく、短編あるいは掌編くらいでないと楽しんでもらえないかもしれない。
それこそ、このアプリのフォーマットに適切な小説を、このアプリを使ってスマホで執筆するのが正しいスタイルだと思う。
たぶん、その中から一般小説にも負けない優れた作品が生まれていくことだろう。

私の住む奈良では先日、市内の新しい施設に大型の蔦屋書店が開店したらしい。
しかし、よりによってこのご時世だ。
今はちょっと人々も足を向けにくいだろう。
外へ出るなと、国が言うのだから仕方がない。
そうなるとスマホで書籍を探してダウンロードで読むしかなく、それに慣れて満足できれば書店へ行く必要もなくなってしまう。
他の多くの業界でもそうだろうが、コロナ禍のせいで本との付き合い方も大きく変わってしまう気がする。

[一日三報]
[朝日新聞] バンクシーも在宅勤務? 洗面所に作品「妻は嫌がる」

だんだんと安売りを始めた感のある覆面画家。
できれば謎のまま活動を続けて欲しかったが、もう色々とバレているのかなと。
しかし謎の絵テロリストでも無ければ、別に大した作品でもないような気もしたり。
結局、画家もキャラ作りと売り方の時代なのかもしれない。
それはそうと、東京湾で見つかったバンクシーの絵はどうなったのだろう。
宣伝のうま味もないから、もう飽きちゃったのかな。

[AFP] ボルト氏の「ソーシャル・ディスタンシング」写真、SNSで話題に

面白いけど、これ、並の一位選手がやったら非難ゴーゴーなんじゃないかと思ったり。
2位以下の選手たちを完全に貶めちゃっているわけで。
ある意味彼にしか許されないネタなんだろうなと。

[長崎新聞] イノシシを素手で“撃退” 下田さん「ここで死にたくない」

今日の戦い。
緊迫したバトルシーンに記者の筆が乗っている感がある。
たまにはこういうのもないとね。

4月14日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
お待たせしました! ではありませんが。
このたびまた電子書籍を出版しました。



『へたれ探偵 ―祇園小町の神隠し―』(Kindle版)

著者 椙本孝思
出版 銀影出版
価格 19日17時まで無料(通常250円)
発売日 2020年4月

(あらすじ)
対人恐怖症のへたれ探偵、柔井公太郎と、ドSで美人な探偵助手、不知火彩音のローカルミステリー。
友達の女子高校生、月西葉香と訪れた京都・祇園の旅館で全裸の女性死体を発見。ところが時を同じくして、頼りになる助手の不知火彩音まで行方不明になってしまった。
残された柔井公太郎は月西葉香と謎に挑む。
果たして事件は無事に解決できるのか。
引っ込み思案で臆病だけど、とんでもない迷探偵の超推理!

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『へたれ探偵』シリーズ(幻冬舎・刊)の最新作。
諸般の事情により収録されなかった作品をKindle限定で出版しました。
エンジョイ引きこもりキャンペーンにつき、19日17時まで完全無料!
これを機会にぜひどうぞ。

コロナ禍の中、小説家として世間への貢献を考えると、やはり小説を出すことしかないと考えております。
自粛と外出制限に鬱々とされている方も多いかと存じますが、せめて一時でも世間を忘れて楽しい気分になってもらえたら幸いです。

というのは、まあ殊勝な建前の話で、実際はコロナ禍のせいで新作がお蔵入りになってしまったので、憂さ晴らしと生活のために出版したのが本心です。
タダ読みで気に入っていただければ、他の作品もご購読いただくか、SNS等で宣伝していただけたら嬉しいです。
絶対に損はさせない作品になっています。

何卒よろしくお願いいたします。

[一日三報]
[ニューズウィーク] ドイツ政府「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ」大規模支援

なかなか頼もしいお言葉。
アート、エンタメ、娯楽産業は、しょせん平和な世界の暇潰し、と言ってしまえばそれまでだけど、退屈な人生を少しでも楽しく生きるための精神的栄養と捉えると、これもまた第一次産業と言えなくもないと思ったり。
有事になると蔑ろにされるのはいつものことだけど、まあもう少し優しくしてあげてもいいんじゃないかな。

[CNN]「隔離中は猫の外出させないで」、新型コロナで英獣医師協会が勧告

今日のにゃんこクラスター。
ペストの媒介にネズミやノミが大きく関わっていた歴史を振り返ると、人間以外の感染経路があっても全く不思議ではないわけで。
今後また新たな媒介動物が出て来そうで心配です。
猫はまあ、今は家で一緒に遊んでいるのがオススメかと。

[共同通信] ひよこの「パニック買い」急増 コロナ拡大の米、社会不安背景か

人間、切羽詰まるとトンチンカンなことをやり出すもので。
ナショナリズム(自国主義)の次はインディビジュアリズム(個人主義)が台頭してくるかも。
俺ファースト、そりゃそうだ。

4月7日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
新型コロナウイルスの急速な感染拡大を受けて、海外では外出の禁止や自粛が相次いでいる。
そんな中、運動不足を解消するために、中国の男性は自宅のベッドの周りをグルグルと回って、なんと6時間41分かけて66kmの距離を走破したそうだ。
一方、スペインの男性は、同じように自宅のリビングで行ったり来たりを繰り返して、約10時間をかけて61kmを完走したらしい。
フランスの男性は7メートルほどのベランダを3000往復して、6時間48分でフルマラソンを走り抜いた。
そしてドバイの夫婦も20メートルのベランダを1050往復してフルマラソンを達成したそうだ。
ここで一番驚くべきは、ドバイのベランダの広さだろう。

人間は古代のネズミみたいな動物から進化したと言われているが、まさしくハツカネズミのような習性を有しているのかもしれない。
ルームランナーなどの宅内で使える健康グッズも売れているだろうが、根性があればどこでもマラソンはできるようだ。

長年にわたって自宅での仕事と生活を続けている私は、かねてより一日の内に「体育の時間」を設けることで運動不足を解消している。
ただでさえ体力がないのに、スポーツも苦手で体を動かす趣味もない。
登校も通勤電車もないので、そのままでは運動どころか歩くことすらほとんどしなくなるのは目に見えていた。
人間というのは体の使わない部分はどんどん衰えていくもので、何もしなければ骨も筋肉も心臓も肺も血管も汗腺も弱くなってしまう。
このままでは生命が脅かされると感じたので、せめて軽い運動を習慣化するようになった。

「体育の時間」では基本的にラジオ体操と筋トレとジョギングを、一時間ほどかけて毎日行っている。
重要なのは毎日行うことであり、毎日やっていれば内容は少なくても良いはずだ。
お陰で健康マッチョマンになったかというと、特にそうでもなく、体力も筋力もないし、毎年のようにややこしい病気にも罹っている。
ただ、運動のお陰でその程度で済んでいるとも言えるだろう。

突然の自宅待機で運動不足になっている人も多いだろうが、何かやっておかないと復帰するのもしんどくなるので気をつけてほしい。
在宅勤務の先輩としては、とりあえずラジオ体操を続けているだけでも、結構体調が良くなった気がするのでお薦めしたい。
ジョギングも自粛したいならスクワットを、それも大変なら屈伸運動を繰り返しても構わない。
ラジオ体操と体育の時間、基本はやっぱり小学校なんだと思う。

[一日三報]
[AFP] 男が外で「大声でしゃべる」若者5人を射殺、外出禁止令下のロシアで

[東京新聞] 「新型コロナ」言うだけで逮捕 トルクメニスタン 大統領の意向か

今日のディストピア。
民主主義の弊害で対応が後手後手に回るのも困りますが、強権すぎるというのもちょっと。
未来は地球の環境が破壊されたため大半が砂漠となり、人類はそれぞれドーム型の居住地で生活を営むようになった。
昔によくあった未来世界が、形を変えて現実の物になりつつあります。

[Gigazine] 兄のいる男性は同性愛者である確率が38%も高いという研究結果

こんにちは弟です。
同性愛者ではありませんが、同性愛的な作品も嫌いではありません。
ホルモンかタンパク質かは分かりませんが、幼少期に頼るべき同性が身近にいたという環境も理由にあるのかもしれません。

[47News] 体に串を刺した人々はなぜ15キロも行進するのか

人間は暇になると余計なことを考えて勝手に怒ったり落ち込んだりする習性があります。
身体に苦痛を与えると、ただ目の前のことに、生きることに没頭できるので、ストレスフリーとなって心が解放されて快感が得られるようになります。
いわゆる宗教的修行というのはそういう側面があります。
要するに、好きにやらせておけということです。