the shadow of silver
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7月27日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
先週23日には東京オリンピックの開会式が執り行われて、ついに世界大会の本番がスタートした。
当日にテロ事件が発生するという小説を書いた私も、一応の責任者として式典をテレビで見守っていたが、どうやら目立った事件も起こらず無事に終わって一安心した。
何か事件が起きれば良いのに、というのはフィクションの小説では当然の期待だが、リアルの世界では決して起きるべきではない。
小説を楽しむためにも、日常は平和でなければ困るのだ。

開会式も始まる前からすったもんだあったが、実際に見せられたその内容は今まで見たことがないほど暗くて地味でつまらないものだった。
しかしこのご時世を考えても派手で賑やかで晴れやかなオープニング・セレモニーを見せるわけにもいかず、世間を無視して浮かれぶりを晒すわけにもいかないだろうから、仕方がなかったところもあるだろう。
何よりセレモニー中止の判断が下されなくて良かった。

しかし、どうせならもっと厳粛で重苦しく、趣深い日本らしい開会式にしても良かったと思う。
天皇陛下による開会宣言の途中に慌てて起立した首相よろしく、中途半端な形になってしまったのが一番残念だった。

ということで、もう開会式の時点で十分満足できたようにも思える東京オリンピックだが、今から50年後、前回に合わせると57年後にはどのような評価で落ち着いているか気になるところだ。
困難な世界情勢の中でも開催されたオリンピックとして、歴史に名を残しているのだろうか。
まさか開催前から惨憺たる有様だったとは語り継がれないだろう。
かつての東京オリンピックと同じく、負の側面を全て隠した美談となっているのかもしれない。
政府が、組織が、アスリートが、国民が一丸となって取り組んだ歴史的な出来事として、映画やドラマとなっていたら面白い。
それもまた、人類史の慣例か。
それで未来の人たちが興奮して、感動してくれたら、もうそれでいいだろう。
どうせその時には関係者も参加者も、私たちも皆死んでいるのだから。

[一日三報]
[読売新聞] 閣僚たちの誇り、脱ハンコでも花押は残った

謎の伝統。
首相や大臣になると、閣議決定の書類のみならず、常にあちこちでサインを求められるようになるとか。
お世話になった人も多いので断り切れず、まさかサイン料を取るわけにもいかず、仕方ないとは面倒なことだろう。
ちなみに私のイチオシは平賀源内の花押だ。


[CNN] 野生のチンパンジーがゴリラを襲って殺す行動、初めて目撃 ドイツ研究チーム

人類は発展した理由って、知能よりも他の動物には類を見ない残虐性だと思う。

[AERA] 「接種シーン怖い」注射嫌いの大人たちが悲鳴 医師「先端恐怖症の可能性」指摘

面倒臭いなぁと思いつつも、結局テレビはいきなり目と耳に押し入ってくる受動的なメディアなので配慮も必要になるのかなと。
映画や小説は視聴者や読者が見ない、読まないという選択もできるのである程度は過激な表現も認められるわけで。
それでもPGだのRだのCEROだのといった指定も業界ごとに設けられている。
そろそろインターネットも何かしら規制が入るかもね。
どう見ても青少年には不健全だから。



7月20日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
昨日7月19日は、拙著『フィニッシュライン 警視庁「五輪」特警本部・足利義松の疾走』の物語が始まる当日だ。
小説では札幌市の時計台で爆発事件が起きるという不吉な内容となっているが、もちろん現実世界ではそんなこともなく、とはいえ平和にオリンピックに向けて準備が進められているとも言い難い状況だ。

これからメディアがいかにフィーバーを演出できるか期待したいところだが、ここまでトーンダウンしてしまうと軟着陸させることが精一杯かもしれない。
でも、こんなの素直に楽しめないなどと言いつつも、みんなやっぱりアスリートの熱戦は観たくなるんじゃないかと思っている。

『フィニッシュライン』と現実のオリンピックの内容は大きく乖離してしまったが、一部ではリンクしている面もあると私は思っている。
つまり、イベントの規模が大きくなると不測の事態への対応が不十分となり、『上』は強権的となり『下』が迷走するということだ。

今回のオリンピックも不測の事態により史上初めて丸一年の延期となったが、逆に考えると丸一年も準備できる期間が延びたということでもある。
国際的なイベントでこんなボーナスが得られる機会など今までなかったことだろう。
しかも世界はIT化の真っ最中で、VRもARも回線速度も日進月歩で進化している。
スマートフォンも爆発的に普及し、家にいながら、どころか椅子に座って手の平の上で世界中の情報が動画付きで得られるようになった。

という現状を考えると、今年のオリンピックこそ無観客で完全IT化を目指す絶好の機会だったとも言えるのではないだろうか。
会場へ行かなければ興奮が伝わらないというのは幻想で、野球中継でもサッカー中継でも大半の人はテレビやネットで鑑賞し、十分に盛り上がっている。
憎むべきコロナウィルスを利用して意識改革を行えば良かっただろう。

にもかかわらず、そんなことに関係者は誰も気づかず、あるいは言い出せず、ひたすら会場集客
にこだわってしまい、それもできないという顛末になってしまった。
ギリギリまで粘って頑張ったという評価もあるのかもしれないが、やはりダメだったのかという敗北感のほうが強いだろう。
IT化で完全勝利と謳ったほうが、政府もメディアも良かったような気がしてならない。
スポンサーだってそのほうが嬉しかっただろう。
デジタル庁もそのために使えたはずだ。

結果論だと言えなくもないが、不可能だったとも思えない。
やはり今回の迷走ぶりは『上』の責任だろう。
なおここで言う『上』は『フィニッシュライン』でも示した『上』のことだ。
特定の人物でもなければ組織でもない。
だからこそ厄介なのだ。

[一日三報]
[ロイター] 韓国、ジムでハイテンポの音楽禁止 コロナ新対策も効果に疑問

坊主怖けりゃ袈裟まで怖い。
そろそろ「世界のヘンテコなコロナ対策」が検証される時期かもしれない。

[GIZOMODO] LEGOのおもちゃに見える本物の銃、非難の嵐で製造中止へ

オモチャのような銃を作ることは違法だが、銃をオモチャのように見せかけることは合法(脱法)というのは興味深い。
とはいえ、さすがにレゴを使ってレゴ社にまでアピールするのは命知らずかと。
しかし「誤って子供が撃ってしまうかもしれない」という心配もちょっとズレている。
銃が当たり前すぎるから、子供向けアニメで銃のシーンが規制を受けるという話もあるわけで。
もうちょっと何とかしろよカウボーイとも思う。

[CNN] 玄関ポーチの下から150超のボウリングボール、改修中に発見 米

そのままにして数千年後に発掘されたら、「古代人の武器」として展示されたかもしれない。
あるいは「傾斜のある床に転がして先の棒を倒した数で競い合うゲーム」と記録から正確に解明されても、やっぱり古代人だなぁと思われたかもしれない。



7月13日(火)

[今日の独言(ひとこと)]
「事実は小説より奇なり」というのは英国の詩人バイロンの言葉だが、これは考えてみれば当たり前のことを言っている。
なぜなら小説とは読者が想像できる範疇の中で描くことしかできないものなので、想像できない現実、大災害や大異変などは、必ず現実の後追いをするしかないからだ。
現実を超えた小説はもはや小説ではなく、単なる自己満足の作文に過ぎない。
SFであってもゾンビ小説であっても、それは読者が想像できる現実なのだ。

という大それた話は置いておいて。
あと10日後に開催される予定の東京オリンピックもまた、小説を超えた奇なる現実となってしまうようだ。
新型コロナウィルスの感染拡大による緊急事態宣言と、それを受けての無観客開催。
関係者はどうしてそんなことになったと嘆き、無関係者は何やってんの? と呆れかえっていることだろう。

この現実から分かることは、この国はイレギュラーな事態に対してあまりにも脆弱で無様なことかもしれない。
そもそも東京オリンピックは政府も企業もアスリートも国民も、誰にとっても有益で待望のイベントであったはずだ。
いや俺はそもそも反対だったと言う人もいるだろうが、景気対策としても国全体の盛り上がりとしても、きちんと開催できるなら拒むこともなかっただろう。
にもかかわらず、開催前から揉めに揉めて、果ては新型コロナウィルスによるパンデミックでグダグダになってしまった。
何だかんだ言いつつも、一応は体裁を整えてやるのだろうと思っていたが、まともにできないことが判明してしまった。
これではオリンピックに限らず他の事態、国家主導のイベントから災害対策においても、もう期待できないという判断を招くことになるだろう。

私が『フィニッシュライン』を書いた時も、そこまでのことは予想していなかった。
開催するか中止するかは分からないが、それはともかくオリンピックは話題になるに違いないと思っていた。
しかしまさか、口にすることも憚られる状況、腫れ物扱いになるとは思わなかった。
お陰で世間話にも上がらず、結局、誰にとっても面白くないイベントになったのは残念な限りだ。

しかしまあ、現実がそうなったのは仕方がない。
諦めて『フィニッシュライン』で架空の東京オリンピックを楽しんでもらえたらと期待している。
こうなったら堂々開催・満員御礼・狂喜乱舞・感動必至の異世界東京オリンピック物語を描いて、50年後にここに書かれている通りあの頃は大成功だったと史実化を目指した方が良かったかもしれない。

[一日三報]
[ロイター]「東京五輪で再び立ち退き、80代男性の「悲しく、寂しい」心情

「フィニッシュライン」でもちらりと語った、オリンピックの負の側面。
でもまさか、オリンピック全体が開催前から負の遺産化するとは。
まあ、やるからにはきちんとやってほしいと思うけど。
どうでしょうね。

[現代ビジネス]「スマホ中毒」、タバコに取って代わったその強烈な毒性の正体

比較対象にタバコを出してきたり、全体的におじさん臭い内容だったりするのは、掲載誌に合わせた語り口かと。
群れと危機回避の本能から、情報を求めてスマホ中毒に陥るという発想はあるかも。
私は人間が人間たらしめる本能は好奇心だと思っているが、それも危機回避の目的から発出しているかと思います。
スマホ中毒に陥らない効果的な手段は、人生を半信半疑で生きること。
必死にデータを掻き集めたって、そんなに楽しいもんじゃないよ。

[AFP]「スーパーマリオ64」に1億7200万円、ゼルダ抜き史上最高額 米競売

こういうのもNFTに入るのかしら。
新品未開封品ということは、箱からフィルムまで同素材で精巧に作り上げたら、本物と贋物の違いは分からないのではないか。
でも開封して丹念に調査したら分かるかもしれないけど、その時点で価値は失われてしまうわけで。
そもそも発売当初の価格は9800円(税別)だったわけで。
結局、こういったモノの価値は出品されたタイミングで変わるものなのだろう。
ていうか、こんなの欲しいか? とか言っちゃダメなんだろうな。


7月6日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
蘋果日報(ひんかにっぽう)とは香港で発刊されていた繁体字中国語・広東語の日刊新聞のことだ。
大きなカラー写真と人目を引く見出しを特徴とする大衆紙であり、自由主義を標榜する反北京・親民主派の代表的な新聞でもある、とウィキペディアでは紹介されている。
2020年2月28日に創業者の黎智英(れいちえい)氏が「違法な集会に参加した」として香港警察に逮捕され、その後家宅捜索を受けて香港国家安全維持法違反の疑いで幹部らも逮捕された。
さらに資金凍結を受けて新聞発行の継続が困難になり、ついに2021年6月24日に廃刊となった。
アメリカ大統領をはじめ各国社会は中国政府による反対意見の封じ込めだと批判している。

それはともかくとして、日本のニュースなどではこの「蘋果日報」を「リンゴ日報」と紹介している。
「蘋果」とはリンゴのことで、英語名でも「アップルデイリー」と名付けているが、なぜそれをわざわざ「リンゴ日報」と訳したのか、不思議に思った。
別に「蘋果日報」や「アップルデイリー」と紹介しても良かったのではないだろうか。
なぜリンゴと訳さなければならなかったのか。
それならアイフォンのアップルもリンゴと呼ぶべきではないだろうか。
グーグルもメガーネと呼ぶべきではないだろうか。

この違和感は外国の政党を日本語で紹介する時も同じように感じている。
先のアメリカ大統領選挙では、民主党のバイデン氏が共和党のトランプ氏を破ったが、この民主党は当然、日本の民主党とは何の関係もない。
共和党も別にアメリカ共和国を目指している訳でもない。
「民主党」を「デモクラティック党」、「共和党」を「リパブリカン党」としても良いのではないだろうか。
政党を日本語に訳すことで妙な色が付いてしまうように感じられるのだ。

韓国で与党となっているのは「共に民主党」だが、何が共になのかも分からない。
揶揄するわけではなく、日本語として成立していないだろう。
日本に民進党があった時に、台湾の民進党も話題になったが、両者に繋がりはなく、そもそも台湾のは「民主進歩党」が正式名称だ。
しかも日本の民進党の英名は「デモクラティック党」だった。

要するに、固有名詞をわざわざ日本名に翻訳する必要はあるのだろうかということだ。
「蘋果日報」や「アップルデイリー」なら現地の人にも外国の人にも意味が伝わる。
「リンゴ日報」では何の話か分からないだろう。
「民主党」と言っても日本の政党か外国の政党か分からない。
誰に配慮した、何のための翻訳か分からない気がするのだ。

ちなみに日本の政党を英名にすると自民党は「リベラル・デモクラティック党」、立憲民主党は「コンスティチューショナル・デモクラティック党」、国民民主党は「デモクラティック党・フォー・ザ・ピープル」となるらしい。
昨今「リベラル」という言葉が流行っているが、党名で「リベラル」を主張しているのは自民党だけだ。
そしてみんなそろって「デモクラティック党」だ。
党名を現地名に翻訳する意味がないのはこのことからも分かるだろう。

できれば、どこも党名に恥じない政治活動をして欲しいと思うが。

[一日三報]
[ITmedia] 「死後にデジタルで再現していい?」約6割が反対 理由は「意思確認できない」「死後も働きたくない」

いわゆる「デジタル美空ひばり」は是か非かという話。
あれはあれで凄い技術だと思うが、何となく美空ひばりが可哀相な気もしたわけで。
それにあれがまかり通ると、昨日死んだ人も今日生き返って、自分の葬式にあれこれ文句を付け出すコントみたいな話も出てくるかと。
要するに、生前を知る人がいる間は復活させないほうが、ややこしくなくて良いんじゃないかと思ったり。
デジタル復活は、こんばんは徳川家康です、くらいに留めておくべき。

[読売新聞] 政府、スマホOSの実態調査に着手…アップル・グーグル2社による寡占を懸念

知ってた速報。
これで「なんで日本製のOSはないんだ!」とか言い出したら、もはや目も当てられない。
もう少し早めに気づいていれば何とかなった可能性もあったかも知れないけど、今はもう。
Tizenとか、どうなったっけ?

[SPA] 刑務所の食事が“臭い飯”と呼ばれるワケ。本当に臭いのか

更生と社会復帰を目指すだけあって、刑務所での生活は結構、理想的だと思う。
対人関係さえなければ。
それが一番の問題だけど。