the shadow of silver
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8月25日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
こっそりひっそり告知です。

9月17日に兵庫県の「西宮東高校ホール(なるお文化ホール)」での市民講座「木曜講座」にて講演いたします。
講演名は「江戸川乱歩没後50周年記念講演 ~幽玄の探偵作家はいかにして『大乱歩』となったか~」。
不詳ながら私ごときが乱歩について語らせていただきます。

詳細は下記URLにてご確認ください(PDF)
第27回 西宮東高等学校 木曜講座

平日の真っ昼間(14時開演)という日程ではありますが、もし時間と場所の都合が合いましたらぜひご参加ください。誰も来ないというのもそれはそれで面白そうですが。当日受付、入場無料です。

ちなみにまだ話す内容は決めていません。人前に出るのも得意じゃないのに、2時間もどうしよう。
なんでこんなことになったんだろう……。

[一日三報]
[AFP] 「9月に巨大小惑星が地球に衝突」説、NASAが否定

今日の終末論。
毎度毎度、僕らのいけない夢や希望を打ち砕くのも大変だと思います。
それでもまあ、声高に喧伝する人たちは信じないわけで。
「100年以内に地球に衝突する可能性は0.01%未満」

「今後100年以内に小惑星が地球に衝突する可能性があるとNASAが発表!」
と曲解されるものです。

[ITmedia] Samsungの「スマート冷蔵庫」に脆弱性、他人にのぞき見される恐れ

いわゆるひとつのIoT(Internet of Things)。
なんでもかんでもインターネットにつながるのは便利な気もしますが、そのせいで余計なセキュリティだのなんだのに心を煩わせられるのもちょっとどうかと思ったり。
冷蔵庫で心配するセキュリティは賞味期限くらいでいいよね。

[毎日新聞] フランス:特急で発砲の男、乗客の米兵に殴られ気絶

今日のスティーブン・セガール。
自らを正義の味方と思うことも時には大切かも。
そして勇敢さをたたえて即日メダル(何かの)を与えて写真撮影するというフランスの行動も快い。
後日あらためて署のほうで、じゃ冷めるしね。



8月18日(火)


17日発売の 「月刊ジェイノベル9月号」 にエッセイ「進化するデバイスとデマゴーグ」を掲載。
「スパイダー・ウェブ」を執筆した理由を書きました。
よろしくね。
[本日の独言(ひとこと)]
映像配信の分野で世界最大手の企業、Netflix(ネットフリックス)への注目がいよいよ高まっています。
テレビ業界やメディア業界では以前より待望あるいは戦々恐々としていましたが、9月2日に日本でもサービスを開始すると発表されてからは一般のニュース記事に取り上げられることも多くなってきました。それでいてまだ控えめ、おとなしめにも思えるのは状況を窺っているのか、あるいは余裕を見せているのか、気になるところです。

Netflixはアメリカ発のストリーミング配信事業者であり、月額料金を支払えば映像が見放題になるSVOD(サブスクリプション・ビデオ・オン・デマンド)サービスを行っている企業です。出自はオンラインDVDレンタルですが、日本ではSVODサービスのほうがメインになると思われます。定額料金でPCはもちろん、テレビやスマートフォンやタブレット、ゲーム機など、ありとあらゆるデバイスで動画コンテンツを視聴することができます。

日本でいうところのHuluやdTVのようなものですが、規模が圧倒的に違います。Netflixは世界50か国でサービスを提供しており、その会員数は6500万人以上だそうです。なお暫定値ですがHuluが100万人以上(米国では600万人以上)dTVが440万人以上とのことです。会員数イコール収益ととらえると、潤沢な資金をもって黒船が来襲するという形になりそうです。とはいえHuluの日本企業は昨年日本テレビが買収しており、dTVの運営会社はNTTドコモなので、いずれも巨大なバックが付いていることには違いありません。コンテンツ配信会社というのは、いかに人気のある映画や番組を提供できるかが鍵となりますので、元手がないとどうにも立ち回れないことでしょう。

つまるところ、今秋よりまた新たに映像業界で一戦が始まりそうです。
なお家電業界では今年発売のモデルの一部より、すでに「Netflixボタン」をリモコンに付けたテレビの販売しています。どこが勝つのか、私たちのライフスタイルはどう変わっていくのか。ちなみに映像配信企業各社が目指す次の展開はオリジナル番組の制作配信です。誰かが作った映画やドラマばかりを流していては定額料金だけを見られる安売り競争になってしまうので、それは避けたいわけです。

あれこれ考えてみると、一番青い顔をしているのは民放テレビ局かもしれません。

[一日三報]
[朝日新聞] 1日にレタス3万個製造、完全自動化の工場建設へ 京都

[GIZMODO] 宇宙レタス、ついに初試食!

今日のレタス。
私も以前はレタスとマヨネーズだけで過ごす日もありました。
日持ちは悪いですが、環境に強く、作りやすい野菜なのでしょう。
今後はレタスをベースに色々と品種改良ができるようになるかもしれません。
レタスベース。

[毎日新聞] ヤスデ:製薬のお手伝い 植物より高効率の酵素

今日の虫。
人を噛むのがムカデ、噛まないのがヤスデです。
腐った植物を食べて肥料を出す、ミミズと同じく土壌再生を担う益虫です。
そしてすりつぶされる12万匹(約30キロ)のヤスデ。

[WIRED] 巨大な『スター・ウォーズ』アトラクション、ディズニーワールドに誕生

日本ではなくアメリカでの話。
何年か前にディズニーがルーカスフィルムを買い取ったので、まあこういう展開も予測できていました。
アリゾナあたりの荒野にでっかく作るのかなとも思っていましたが。
日本にもできるなら、ディズニーとはまた違うお客さんが集まりそうです。



8月11日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
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「クロシジミ」

 チョウ目、シジミチョウ科。貝のシジミに似た小さな翅を持つチョウ。色は表側は黒く、裏側は薄茶色に黒い斑点が付いている。体長も小さく、つり目の少女のような顔をしている。

 特徴としては、幼虫時にクロオオアリの巣の中で生活することがあげられる。クロシジミの幼虫は、体からアリに仲間と思わせるフェロモンと、アリが好む蜜を分泌する。そのためアリは幼虫を巣へと持ち帰り、口移しでエサを与えて育てるようになる。幼虫はそのまま安全なアリの巣の中でぬくぬくと越冬し、春が近付くと巣の出口付近でサナギになる。その際もアリは、サナギの体にカビなどが付かないように表面を掃除して大切に扱っている。

 やがてサナギは二週間ほどすると羽化してチョウになるが、この瞬間がクロシジミにとって最も危険な状況となる。なぜなら、チョウになるとフェロモンと蜜の分泌が止まるため、これまで育ててくれたアリが恐ろしい天敵へと変わってしまうからだ。そのため、クロシジミはサナギから羽化すると、翅が乾く前から歩いてアリの巣から逃げ出す。そして安全な場所でしっかり翅が乾くまで待ちようやく飛び去って行く。

 クロオオアリにしてみれば、エサを与えて大きく育てた仲間が、突然チョウとなって飛び去って行くのだから悔しいかもしれない。しかしそれまで幼虫から蜜をもらえたのでお互い様とも言えるだろう。このように互いが利益を得る生活関係は、昆虫界では相利共生(そうりきょうせい)と呼ばれている。

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これは弊著「昆虫部」にて解説したクロシジミの生態です。
この内容につきまして、先日新たな発見があったそうです。

神戸大学大学院理学研究科の北條賢特命助教と琉球大学農学部の辻瑞樹教授、ハーバード大学の共同研究グループは、ムラサキシジミの幼虫とアミメアリの生態について新たな事実を発見しました。それによるとアリがムラサキシジミの幼虫が出す蜜を摂取したところ、アリの歩行活動が減った上、外敵に対して攻撃的になることが判明。さらにアリの脳内物質を測定した結果、ドーパミン量の減少がそうした行動変化に深く関わっていることを突き止めました。またムラサキシジミ幼虫が触手状の突起を伸ばすことでアリはより攻撃的に動きまわるといった行動も観察されており、幼虫が化学的・視覚的な刺激で積極的にアリを操っているとも考えられそうです。

研究に使われたのはムラサキシジミとアミメアリですが、小説内に登場したクロシジミとクロオオアリの生態についても同様のことが言えそうです。研究の発端となったのは、シジミチョウの幼虫がアリから給餌されないと生きられないことに対して、アリ自身は自ら餌を探し回ることができるので幼虫を必要としないことに疑問を抱いたようです。

そして研究の結果、シジミチョウの幼虫は蜜に含まれる化学物質によってアリの脳を操作していることが分かりました。辻教授の話によると「これまで考えられてきたような『相利共生』ではなく、シジミチョウはあくまで利己的な理由から蜜を与えてアリを操っている」ということになるそうです。小説内の解説も間違いとは言えませんが、少なくともアリは好きでシジミチョウを育てているわけではないようです。

こういうことがあるから昆虫は面白い。小説を書いている時から気づいていましたが、昆虫界にはまだまだ謎が隠されています。今後の研究にも期待したいと思います。

●参考URL
[沖縄タイムス] シジミチョウ幼虫の用心棒 関係に秘密“アリ”

[ASCII.jp] シジミチョウの幼虫はアリを蜜中毒にして操っていることが判明

●紹介書籍
「昆虫部」

[一日三報]
[AFP] 英国在来種チョウ、温暖化で絶滅危機に 研究

今日の絶滅危惧種。
記事にもありますが、チョウを含め昆虫の多くは、地域における環境の変化を調べる際に使われる環境指標生物としてよく利用されています。

人間もまた地球に生きる生物のひとつとしてとらえると、その影響によって他の種が脅かされるのは、それもまた自然淘汰と言えるものかもしれません。
ただ他の生物との違いは、それを著しく加速せしめられること。
しかしそれを危惧して対策を立てることができるのも人間だけの能力ではあります。
とりあえず、もっと虫に注目しよう。

[ロイター] 米グーグルが組織再編、新会社「アルファベット」設立

まあ関係者以外には何が変わるものでもなく、ありがちな組織再編です。
しかし「アンドロイド」やら「アルファベット」やら、あえて個性を持たせない社名選びには感心します。
そういえば「アップル」もそうだし、「マイクロソフト」も「ソフトバンク」も似たようなもの。
造語をひねっておかしな名前を付けて覚えさせようというのは流行ではないようです。

[ITmedia] 「asahi.com」95年当時のトップページを再現 Netscape 1.x推奨、HTML 3.0ベース

昔は大体どこもこんな感じでしたね。
まあソースを見たらヘッダーフッターが現代仕様ではありますが。
ソフトとハードの発達でどんどん豪華にインタラクチブになりましたが、こういうのはまた歴史的な財産として、懐かしいだけでなく、きちんアーカイブしておくべきだと思うのですが、どうか。



8月4日(火)
[本日の独言(ひとこと)]



前回の告知通り、新刊「スパイダー・ウェブ」発売中です。
下記サイトにて冒頭数ページが試し読みできます。

[実日ブックス] 『スパイダー・ウェブ』 冒頭~

これだけでストーリーは分からないと思いますが、世界観は伝わるかと思います。お気に召しましたら、と言いたいところですが、これをお読みの方に限りましては遠慮なく述べさせていただきます。ぜひご購入の上ご一読ください!

「スパイダー・ウェブ」は、いきなり無差別殺人犯として逮捕されてしまった主人公が、ネットのデマと社会の疑念に惑いながら真実と真犯人を探し回るストーリーです。また作品中には「サイグラス」という架空の素敵デバイスが登場します。これは片眼鏡型の通信端末で、レンズの中で電話やメール、ネットやカメラなどの機能が使えるというスグレモノです。いわゆる「グーグルグラス」を元ネタとして、私が望む機能を全て搭載させました。

アイデアを練っていたころは、発刊時には「グーグルグラス」もそこそこ普及しているかなと思っていましたが、意外と受け入れられず今年の初めには販売終了となってしまいました。コンセプトや機能が曖昧で、眼鏡型であることにこだわりすぎて必要性を訴えられなかったのがいけなかったのだろうと思います。

でも、そのお陰で「スパイダー・ウェブ」には、かすかな近未来感とほどよいフィクション性を含められて良かったように感じています。ちなみに「サイグラス」はイスラエルの企業が作ったという設定です。

小説内の月日もタイミング良く8月2日からスタートします(曜日は違いますが)。夏休み中の方も、まだそうでない方も、そもそも夏休みなんてない方も、ほんの少し読書のお時間をいただけましたら幸いです。

よろしくお願いいたします。

[一日三報]
[GIGAZINE] キュリー夫人の研究用ノートは100年が経過した今も放射線を出している

放射能の研究で多大な功績を残したキュリー夫人の、ちょっとしたデスノート。
鉛の箱に入れて保管されており、閲覧の際には同意書にサインをした上、防護服を着る必要があるというのが、魔導書っぽくてかっこいい。

[ロイター] アルマジロ「鉄壁防御」で弾跳ね返す、発砲の米男性が顔負傷

アルマジロ最強説。
直線的な攻撃ゆえに運良くはじき返せたのかなと。
そもそも名前自体がスペイン語で「武装したもの」、英語でいうところの「アーマード」なので納得できる話です。
人間も含めて動物界で唯一、生身で銃弾に勝てるかもしれません。

[GIZMODO] アメリカ横断中のヒッチハイクロボット「hitchBOT」くん、何者かに破壊される

期待を裏切らないアメリカ。
カナダ横断で人気者になっていたポンコツロボットに制裁。
ロボットと人間とのかかわりを知る実験としては、これもまた現実かと。
分かりあえる日はまだ遠いようです。