the shadow of silver
SOS日記本メルマガ掲示板プロフィール

archive

9月29日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
書店が地域に1軒もない「本屋ゼロ」の市町村が増え続けているというニュースを読んで、また少し考えさせられています。

書店ゼロの自治体数は、北海道の47箇所をトップに、長野県で35箇所、福島県で22箇所、沖縄県で19箇所、奈良県で15箇所、高知県、福岡県、熊本県でそれぞれ13箇所にのぼります。なおこれを市町村の数をベースにした割合で見ると、北海道は26%と下がり、沖縄県の46%をトップに、長野県の45%、奈良県と高知県の38%がそれに続きます。なお市町村全てに必ず本屋さんを有しているのは香川県の一県のみとのことで、これは誇れる点でもあると思います。

出版不況と言われて久しいですが、その一端となる書店の不況はさらに厳しいものが続いています。本が読まれない現状については、インターネットを利用した展開や、安価な電子書籍の販売、映像化を中心としたメディアミックス展開などの作戦が立てられますが、書籍そのものを店で販売している書店についてはなかなか対策が思い付きにくいものを感じます。

一般的に書籍一冊を売った場合、書店に入る金額は販売価格のおよそ20%とされており、月に500万円を売り上げて、ようやく100万円の利益が出る計算になります。一つの本屋さんが500万円分の本を売るのは並大抵の努力ではありません。それで100万円の利益があっても、店の賃料や人件費でほとんど消えてしまうでしょう。結局、古い小さな本屋さんでは家族が懸命になって働くしかなく、それも敵わなければ店を畳むしかないようです。

「本屋ゼロ」がトップクラスの奈良県に住んでいる者としては、色々と思うことがあります。私はよく異業種について考える際、もし自分なら何ができるだろうかと頭を巡らせます。しかし本屋さんを経営するとなると、いくら考えても「儲かる仕組み」が思い付かないのです。パン屋さんなら面白いパンのアイデアが出るかもしれません。電器屋さんならマニアックなセレクトを中心に、ネット販売と合わせて店を経営できるかもしれません。どちらも単なる夢想ですが、本屋さんにはその夢想すらまともに出てこないのです。現実に経営されている方は血の滲むような苦労をされていると感じます。

どうすればいいのか、どうしようもないのか、どうするものでもないのか。必要性を失いつつあると言えばそれまでですが。でも、ひっそりと開いている小さな本屋さんって魅力的ですよね。本業を別とした書店の副業化、そういう時代が来るのかもしれません。

(参考URL) [読売新聞] 増える「書店ゼロ」自治体

[一日三報]
[Engadget] NASAの「重大発表」は火星に液体の水の存在を示す発見。

本日未明のビッグニュース。
宇宙人が見つかった訳ではありませんが、かなりの重大発表かと思います。
タイトルは「水」の発見を重大に報じていますが、むしろ「塩」の発見のほうが驚きなのでは。
火星に塩水があるんですよ。
塩と水がありゃ、なんとかなるじゃないですか。
今後の展開に期待です。

[AFP] 難民ロックバンド、思いがけない「欧州亡命ツアー」

アーティストはその境遇ではなく、その作品のみで評価したい。
と思って探して聴いた作品がこちら。
[YouTube] "Khebez Dawle" launching album video.
予想外にいい。
多分に西洋かぶれしていますが、中東語圏特有の発声がインパクトになっています。
大変だろうけど頑張ってもらいたい。

[WIRED] 米海兵隊の「軍用犬ロボ」が初お目見え

みんな大好きBigDog。
ロボット大国ニッポンも今や昔、米軍では急速な開発が続いています。
世界大戦後の荒廃した町に、こういうロボットたちがガチャンガチャンしている姿が目に浮かびます。
デデンデンデデン。



9月24日(木)
[本日の独言(ひとこと)]
先週17日はお足元の悪い中、当方の江戸川乱歩講座にお越しいただきありがとうございました。平日の昼間、しかも雨天という中でしたが、多数のご来場をいただきました。あらためて御礼申し上げます。

今回の講演については私自身も大変勉強になったと感じています。普段はインドアで仕事をしている者としては、大きなホールで2時間も独演することにかなりのプレッシャーがありました。事前に資料を整えて、家で通しのリハーサルも行って臨みましたが、そううまくいくはずもなく、舌がもつれてペースも掴めず、原稿をかなり削って話を進めてしまいました。

話芸という言葉もあり、プレゼンテーションのプロという方もおられる訳で、人前で話すにはそれなりの技術と度胸がいるものだと如実に感じることとなりました。それでも、私の場合は興味を持って足を運んで来てくれた方々ばかりなので、そもそも話を聞く体勢が整っていました。これが興味のない人にも商品を売ろうとするセールスマンや、覆るはずもない反対者を説得しようとする政治家なら、より過酷な状況に置かれるもので、それなりにノウハウも必要になってくるのだろうなと思いました。海外の講演番組のTEDや、ジャパネットの社長さんの話も熱心に聞いておいたのですが、なかなか難しいものです。

講演についてはもう終了しましたが、せっかくなので話の内容をまとめてメールマガジンに掲載してもいいなと思っています。私見・江戸川乱歩論。一回の講演で終わらせるのももったいないと感じているので。声ではなく文章で説明するなら、私ももう少しは上手にできると思います。長く続けている連載小説の『星祭り』もあと2回で完結する予定なので、その後にでもと考えております。お楽しみに。

[一日三報]
[GIGAZINE] スタジアムの野球観戦を最高に楽しむ「スマートグラスライブ観戦」とは?

今日のメガネ。
まだちょっとぎこちないけど、これはなかなか面白そう。
スポーツを観戦しながら、携帯のテレビやラジオの実況中継を聞くのも面白いものです。
ズーム機能とかカメラ撮影機能とかSNSアップロード機能なども付いていると、さらにいいかも。

[AFP] 騒音がスズメの寿命を縮める?実験結果

騒音ストレス。
人間の中にも体調を崩す人がいますから、スズメも弱ろうというものです。
都会よりも里山に住んでいる人間のほうが長生きしている気もするし、人間にとって真に最適な環境とはどういうところだろう。

[産経新聞] 自身のフィギュア作成に興奮!! 3Dプリンターはこんなに凄い

全然いらないけど、ゴルフの記念品みたいな使い方なら面白いかも。
あるいは結婚式の贈り物やら展示品やら、浮かれ具合に合わせた需要もありそうです。
もしくは亡くなった親や子を振り返るために、成仏が難しくなりそうですが。



9月15日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
よくそんな恐いことを思い付くなと思った出来事。

アダルト動画を見ようとすると、持ち主の写真を撮影して「500ドルを払わなければ写真を拡散する」と脅迫するAndroid用アプリ「Adult Player」が近ごろ海外を中心に出回っているようです。

エッチなポルノアプリに見せかけた「Adult Player」をインストールして起動すると、スマートフォンのフロントカメラを使ってアダルト動画を見ようする持ち主の写真を撮影。「500ドル支払わなければこの写真を拡散する」や「スマートフォン内のデータを削除する」と脅迫文を表示して、支払い画面をロックしてそれ以外の操作をできないようにするそうです。

念のために伝えておきますと、もちろんこれは不正なアプリを使った詐欺行為なので、利用者に支払いの義務はありません。またスマートフォンを再起動してもロックは解除されないようですが、セーフモードで起動させればアンインストールが可能のようです。書いている内容がよく分からなければ、怪しいアプリは入れないほうがいいとだけ覚えておいてください。

一方、これも海外を中心に大きな話題となっているのが、不倫出会い系サイト「Ashley Madison」から3800万人もの膨大な会員情報が盗まれて流出した事件。そんなに会員がいるのかと驚きましたが、それはそれとして、趣旨が趣旨だけに対象となった会員の中で自殺する者が現れたり、サイト運営側に合計600億円以上の損害賠償を求める訴訟の準備を始めたりという事態になっているようです。

ちなみに日本会員も180万人以上いたとのことで、これはこれで放ってはおけない事態なんじゃないかなとも感じています。感情論になると会員は倫理観を疑われる人たちかもしれませんが、自業自得として裁くのは社会の公平性に欠けるとも思います。

なお犯人のハッカーが不倫サイトから会員情報が盗んだ手口については、簡単に言うと、解読には何百万年もかかるとされていた暗号化のセキュリティが破られてしまったことによるものだそうです。これまで幾度となく繰り返されてきた「絶対に破れない(笑)セキュリティ問題」がまた起きたとして業界の注目を集めています。

インターネットを扱った犯罪や犯行の手口は興味深いものですが、ミステリ小説にするには対象が狭すぎて扱い難いものがあります。コアでマニアックな掌編とか、そういうほうが向いているのかも。

[一日三報]
[毎日新聞] ミャンマー:誕生日は最高機密 政権中枢に「黒魔術使い」

どことなく格好いい習慣だけど、あまり政治にかかわりすぎると厄介かも。
日本でも昔は本名を隠す習慣がありました。
いまはネットだとみんな隠していますけど。

[GIGAZINE] なぜランニングで多幸感が得られる「ランナーズハイ」が起きるのか科学者が解明

ハングリー精神というか、飢餓になると生きるためにやる気が出るということらしい。
戦中・戦後世代にパワフルな人が多いのもそういうことかも。
でも栄養不足になると体もダメージを受けてしまうので、こう、ギリギリの状態を保つのがいいかもしれません。
生まれたときから栄養ばかり摂取している僕らは常にローテンションです。

[読売新聞] 「脳とは、認知症とは、そしてこころとは」

脳のお話。
心の有り様はある時期までで決まるというのが印象的。
認知症は、僕らがなるころには改善されていないかしらね。



9月8日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
2年ほど前にキリンビールが「のどごし 夢のドリーム」キャンペーンと称して、一般の人が持つ夢を様々な形で叶えるという企画を行っていました。いまは普通のサラリーマンになった男性が、かつての夢であったプロレスラーとしてデビューしたい、昔から大ファンだったジャッキー・チェンとアクション映画を撮りたいなど、ソーシャルメディアともコラボレーションした演出は多くの視聴者を集め話題となりました。その際に使われていたキャッチ・フレーズは「ごくごく、幸せ。」というものでした。

先月末の8月31日のニュースによると、酒類の製造販売の9団体でつくる「酒類業中央団体連絡協議会」は、アルコール飲料のテレビCMなどの出演者の年齢を、これまでの20歳以上から25歳以上に引き上げる方針を明らかにしました。それと同時に「ごくごく」や「ぐびぐび」といった効果音の使用や、のど元のアップも禁止することに決まったそうです。一応、各メーカーの段取りもあるので実施時期は未定としていますが、今後新しく作られるCMには、そういった演出は使われなくなるそうです。

前回は子どもに見せる映像の悪影響について書きましたが、今回の話題は逆に過剰な規制に感じています。私はあまり酒を嗜みませんので気にしませんが、ビールなんてごくごく飲んで幸せになるためのものじゃないのと思う次第です。一方で大学生や新入社員がごくごく飲んで倒れるという事例も多発しているので、一応は演出を控えたほうがいいという業界の思いもあるのでしょう。それでいて政府では参政権と合わせて飲酒も18歳以上に年齢を下げようかという話もあるそうで、様々な線引きがぐらぐらと酩酊している気がします。

上記でもお知らせしましたが、17日に江戸川乱歩について講座を開くことになり、いまはひたすらに文献を漁っています。その中にあったエピソードですが、1936年(昭和11年)に乱歩は初めて「怪人二十面相」を世に出しました。その際、当初は「怪盗二十面相」とするところを、当時の少年雑誌の規定により「盗」の字が使用できないと言われてしまい、やむを得ず「怪人」にしたという話があります。昭和11年といえば日中戦争前夜、軍部が力を付けてイケイケドンドンの時代です。神国日本の子どもに「盗」の字など不要という判断があったのかもしれません。

あまり規制しすぎるのもどうかと思いますが、まあお子さまからお年寄りまでのテレビCMならそれも致し方ないのかもしれません。あらためて観ると、テレビCMも以前と比べて薄味でつまらなくなりました。

[一日三報]
[WIRED] 期間限定でオープンした、アルコールを「吸って酔える」バー

今日のガス室。
これとはまた違いますが、たとえばライブハウスとかダンスホールとかお化け屋敷とかで、ごくごく微量なアルコールを充満させておくと、知らずに気持ちが高揚して面白い体験ができるようになるかもしれません。
一歩間違えれば大惨事になりますが。

[CNN] ニュージーランドの新国旗、最終候補4案を発表

運動会のロゴひとつであれだけ騒ぎになるのだから、国旗のデザインを選ぶとなるともっと大変だろうなと思ったり。
彼の地では意外と黒白カラーが人気のようです。
キウイレーザーは面白いけど、ちょっと悪ふざけかも。
私は黒白のシダの葉が一番好きかな。

[GIGAZINE] レゴブロックのように積み上げてカスタマイズできる小型PC「Acer Revo Build」が登場

近ごろパソコンの調子があまり良くないので気になっています。
これはちょっと欲しいけど、やっぱりいらない感じ。
昔のオーディオコンポみたいです。
排熱処理も気になるし、これならデスクトップの中身をカスタマイズしたほうがいいね。



9月1日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
お知らせです。
本メールマガジンの配信先のひとつ「めろんぱん」が、2015年9月30日(水)
午前11時をもってサービスを終了することとなりました。
「めろんぱん」より配信のご登録をいただいている読者は、お手数ですが他
のメルマガサイトに再登録していただきますようお願いいたします。

ご登録はこちらから。

なお他のメルマガサイトより受信いただいている方は変わりありません。
しかし、もうメールマガジンの時代でもないのかもしれませんね。

----------

日本のメディアではあまり報道されていませんが、先日アメリカで衝撃的な事件が起きました。

米国時間の8月26日の午前、テレビで生中継を行っていたレポーターとカメラマンが放送中に銃撃されて死亡するという事件が発生しました。犯人は逃走後、FacebookとTwitterに犯行理由のコメントともに自ら撮影した銃撃の動画を投稿。記事は運営側によりまもなく削除されましたが、すでにコピーされたものが全世界に配信されました。

なお犯人はその後警察に追い詰められて自殺。犯行の動機は、犯人のコメントによると2年前にテレビ局から解雇されたことに端を発し、射殺された2人にも恨みを抱いていたとのことです。

該当の映像については、ネットで検索すれば現在でも簡単に視聴することができます。犯人自身が撮影しただけあって、画面下に右手と銃が見えるFPSゲームのような画面が極めて衝撃的です。視聴は煽るつもりでなく、本当にお薦めしません。

いつでも、どこでも、誰でも、なんでも発信できる、受信してしまう、ソーシャルメディアの悪い面が強調された事件です。正しく使えば声なき弱者の発信、問題定義に大きな力となりますが、悪く使えばこのような事件や、あるいはイスラム国(IS)などの暴威を増長させることにもつながります。弊著「スパイダー・ウェブ」でも言及しましたが、そういった悪意の動画などを完全に削除できる手立てがないというのは、ネット社会の不備と言わざるを得ないと感じます。

偉そうなことは言いませんが、少なくともこういう映像や画像が小学生でも観られる環境にあるというのは、さすがにダメだろうと思うわけで。メディアの自由に賛成する者としても、何とか対策を講じるべきと感じています。せっかくのソーシャルメディアなのに、ソーシャルだけではどうにもならないと思われてもいいのかなと。やむを得ないという理由で、隣国のように政府が「金色の盾」を持ち出してきたら、結局みんなが不便を強いられることになりそうです。

[一日三報]
[毎日新聞] アマゾン:動画見放題に 有料会員対象、9月から

前にネットフリックスについて書きましたが、いよいよ動画の戦国時代が始まりそうです。
熱帯雨林のほうのアマゾン動画なら観たいかも。

[AFP] ほぼ完全な人間の脳、実験室で培養成功 米大学研究

なんだか思っていたものとは違うようですが。
脳といえば一昔前は「ラスボスが脳」というSFネタが流行りましたね。
ルパン三世の複製人間とか、ゲームのグラディウスとか。
もう人工知能はあきらめて、人工ナマ脳を目指そう。

[CNN] グーグル検索で大統領選の結果も「操作可能」 米研究

今日の情報操作。
たぶん、グーグルは操作する側ではなく、操作しようとする者たちを止める側にあると思います。
だってもう陰謀に荷担して利益を得るような小企業でもありませんから。
それはそれとして、日本でも色々と画策している人たちが増えているのかも。
冷静に、正しくものを見極める目を持とう。
そんな言葉を使う人たちが一番うさんくさいです。