the shadow of silver
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11月24日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
落語を知らない人でも知っている落語となると、「時そば」と「寿限無」が二大噺に上げられると思います。
「時そば」は、そば屋で勘定を誤魔化す噺です。
客が店主にお金を支払う途中に「いま何時(なんどき)でい?」と時刻を尋ねることで数を分からなくさせるという内容です。
考えてみればこれはミステリの数字トリックとも呼べるものかもしれません。
また扇子でそばをすするシーンなどもあり落語の基本、エッセンスが詰まった作品です。

「寿限無」についてはより単純に、繰り返しの笑いを追及した前座噺です。
生まれた子供が元気で長生きできるようにと、とにかくありがたい言葉をたくさん繋げた名前を付けてしまう。
いわく「寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝る処に住む処、藪ら柑子の藪柑子、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」。

この噺の落ちは、当初は川に落ちた子供を助けようとしたが、名前が長過ぎたために呼んでいる内に沈んでしまった、というものでした。
しかしそれでは後味が悪いのか、近ごろは朝寝坊の子供を呼んで起こしている間に下校時刻になった、というような落ちに改変されることも多いようです。
小学生の低学年にでも分かる面白い落語です。
「寿限無」の代わりに「ポケモン」や「妖怪ウォッチ」の名前を繋げても楽しそうです。

子供の名前というと、近ごろはキラキラネームだの何とかネームだのと、一風変わった名前を付けることが流行のようです。
流行といってもかなり前から続いていることなので、定着したと言ってもいいかもしれません。
三十代になると同世代の人たちから出産の話をよく聞きますが、やはり付けられる名前はちょっと変わっています。
でも誰かが目くじらを立てるほどに異様なものはなく、それぞれ落としどころがあるのだろうと感じています。

「名字由来netアプリ」を制作しているリクルーティングスタジオの調査によると、今年アクセスされたキラキラネームの第一位は「皇帝」と書いて「しいざあ」や「かいざあ」と読む名前だったそうです。
また第二位は「星凛」と書いて「あかり」、第三位は「愛翔」と書いて「らぶは」でした。
なおこのデータはアクセス数なので、実際に付けられた数ではありません。

一方、明治安田生命が長年続けている「赤ちゃんの名前ランキング2014」によると、男の子のトップ3は「蓮」「大翔」「陽向」、女の子のトップ3は「陽菜」「凛」「結菜」でした。
先の話に戻ると、これがいわゆる落としどころなのかなと思う次第です。
多分そのうち「太郎」や「花子」が、逆に珍しい名前として付けられ出すと予想しています。

小説においても変わった名前を付けることが多いですが、私の場合は一応の基準として「読み間違いが少ない」ことと「実際の知人にある名前は付けない」ことを上げています。
あまり捻った名前は作風に合わないこともありますが、パッと見て読めない名前を付けてしまうと、読書の流れを妨げてしまうのではないかと恐れます。
実際の知り合いの名前を付けないのは、私自身がその人のイメージに捕らわれてしまうことを避ける理由です。
あと大体、登場人物が不幸な目に遭いますので。

結果、現実よりも読みやすくて平べったい名前になってしまうというのも面白い状況です。
でも「山田皇帝」なんて付けたら、名前なのかあだ名なのか地位なのかも分からなくなりそうです。
高橋名人じゃないんだから。

[一日三報]
[京都新聞] 大きいほど幸福感?脳の部位 京大、世界初の相関解明

幸福かどうかは環境や状況ではなく、脳が決める。
この謎が解明できれば人はもっと幸せになれるかも。
一方で大衆を効率よくコントロールできるかも。
それは分かりませんけど、この機能が強い人ほど気楽に人生を送れそうです。

[ロイター] オバマ大統領「白髪は染めない」

好きにしろよって話ではありますが、国のトップともなるとなかなか重要な問題。
どうやら「白髪染め」を「偽装」と見て「不正なイメージ」に繋げる人もいるようです。
お金持ちの偉い人が薄毛をそのままにしているというのも同じことなのかもしれません。
「外見にこだわらない」ことが「不潔・だらしない」から「正直・誠実」へと変わるラインはどこだろう。
「専務」あたりからかな。

[千葉日報] アイボ71台、集団葬 “愛犬”しのび供養 いすみ・光福寺

こういうのを奇異の目で見てしまうのも、ひょっとすると今の内かもしれません。
人とロボットが近くなると、こういう心理が働くのも当然なわけで。
ソフトバンクのペッパー君も、最終的にはどう処分されるのか気になるところです。
そして「メーカー保証」は新たな境地へと向かうわけで。
「家電の葬儀サービス」とか、できるかも。



11月17日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
以前に映像制作の仕事をしていた際、詳しい人から「映像は1秒も止めてはならない」という教えを受けました。
映像は動画であり、静止という状況は許されない。
場面が動かない「止め絵」でも動かせという鉄則があります。

これはテレビ番組を見ているとよく分かる話です。
あらためて見るとテレビには「止まった状態」というものが一切ありません。
人間を映した場合、どれだけ動きを止めていても瞬きや体の震えがあります。
ではタイトルなどで画面全体に文字を映した場合はどうか。
よく見ると文字がほんのわずかずつ拡大しているのが分かります。
テレビ番組でも完全な静止は許されません。
なぜなら映像が止まるとテレビの故障とも思われかねないからですが、ほとんど常識であり思想に近いものがあると思います。

ニュース番組などでは生放送ゆえに数秒間画面が止まることがありますが、その後スタジオのキャスターは「映像に乱れがあったことをお詫び申し上げます」と頭を下げます。
報道内容に誤りがあっても認めることは少ないのに、映像停止だけは過剰なほどに謝罪します。
業界にとってはそれだけ重大事故にあたるのです。

インターネットではここ数年、不思議なほどに「動画GIF」が普及しています。
素人の面白映像などが数秒間だけ繰り返されるものです。
動画GIFといえば1980年代に生まれて1990年代に盛り上がった、いわば古い動画形式です。
まだ映像配信を行うには回線が脆弱だった時代に、なんとか動きを見せるために使われていました。
そのうち異常なほどに凝ったアニメーションなども作られるようになりましたが、やがてブロードバンド時代を迎えるとFlashやMPEGやMOVを使った大容量で高精細な動画が流れるようになり、YouTubeが現れるころには16:9のハイビジョン映像で映画のトレーラーなども配信されるようになりました。

例外も多々ありますが、一般的には動画GIFは小さな画面で短い秒数の映像を作る際には容量を押さえることができます。
一方でMPEGやMOVなどは大きな画面で長い秒数の映像を作る際には、動画GIFよりも容量を押さえることができます。
そういうこともあって、インターネット回線の大容量化が進むと当然ながら動画GIFは廃れました。

ところが近年、SNSの普及にともなって動画GIFが再び脚光を浴びることとなりました。
それはSNSの醍醐味は、素人がモバイルを使って手軽に情報を発信することにあるからです。
低容量の無線通信を使って、上手・下手にこだわらない数秒間だけの映像を発信したいというニーズに、動画GIFが見事にマッチしたようです。

閲覧者もモバイルを使うので、大画面に耐えうる映像は求められません。
1分の映像は作る側も見る側も大変ですが、5秒の映像なら誰でも作れて誰からも見られます。
容量も少ないので、アップロードする作り手もダウンロードする受け手も、管理するサーバーも負担になりません。
それらの理由によって現在の動画GIFばやりが生まれたようです。

近ごろはスマートフォンのカメラにも数秒間の動画制作機能を搭載したものが出ています。
一枚の風景写真を撮るよりも、風がそよぐ三秒間の風景動画。
一枚の記念写真よりも、「はいチーズ」まで含めた三秒間の記念動画。
今後はそういう時代になるのではないかと感じています。

[一日三報]
[CNN] 夜の水田に浮かび上がる不気味な顔の正体

きょうのホラー。
カカシって実は最古のセキュリティ装置だったのかもしれません。
でも本当に効果があるのかどうかは疑問。
祭祀、呪術的な要素もあったのかなと思っています。

[読売新聞] カラス試食「意外とおいしい」…調理法を紹介

京都の伏見稲荷では、まだスズメの丸焼きが食べられるのかな。
お米を食べているスズメならまだしも、雑食性でゴミを漁っているカラスを食べるのは、やっぱりちょっとためらいます。
でもあいつら賢いから、え、食われるの? って思わせたら近寄らなくなるかもしれません。

[ロイター] 60歳のジョージ英王子は「こんな顔」、画像解析ソフトで予想

ロイヤルベイビーも大変だな。
結果発表が行われるころには、私たちもほとんどいなくなっていることでしょう。
アンチエイジング法の発展で老けなくなっているかもしれません。



11月10日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
先日、バックアップ用に使用しているハードディスクが故障しました。
電源を入れてもパソコンで認識されず、解析ソフトを使って調べてみたら、存在は確認できるのにアクセスできない状況。
あれこれと調査実験を行いましたが反応なく、あげくに「フォーマットしますか?」などと恐いメッセージが出る始末となりました。

まあ十数年来使用している古いハードディスクなので、いよいよダメになったのだろうと思います。
しかしそのお陰で長年に渡って溜め込んできたデータが全て消えてしまいました。
仕事や生活に関する重要なデータは使用中のパソコンにも入っており、DVDでも保存しているので致命傷は免れましたが、主に「思い出関連」のデータはなくなりました。
私は過去を捨てた男です。

それにしても、まさかバックアップ用のハードディスクが先に故障するとは想像もしていませんでした。
使用中のパソコンも年期が入っており、経験上そろそろ「Xデー」を迎えるだろうと恐れていた矢先の出来事です。
こうなれば本陣に攻め込まれる前に対策を講じておかなければなりませんが、こちらはこちらでなかなか億劫です。
買い換えるのがもったいないのではなく、新品に現状の環境を移行させるのがもう、面倒なのです。

さらにパソコンというと、近ごろはもうパソコン自体が世間一般ではかげりが見られるというか、かつての盛り上がりを失っています。
最近のはやりとしては、スマートフォンを別として、ビジネス用途で考えるとやはりタブレットやネットブックがあります。

タブレットでは次に発売されるアップルの「iPad Pro」とマイクロソフトの「Surface Pro 4」が注目されています。
その特徴としては大画面化とキーボードの搭載があります。
文筆業者にとしては、タッチパネルのキー入力をメインとしたタブレットは受け入れられなかったのですが、キーボードが付くなら支障はありません。
SSD起動なので立ち上がりの早さはパソコンとは比べものになりません。
ストレージ容量は「iPad Pro」で128GB、「Surface Pro 4」で最大1TBとしておりなんの問題もありません。
本体重量や画面の解像度などは各社が最もしのぎを削っている箇所でもあります。

ただし、文筆業者にとってキーボードとともに重要な要件に画面の大きさがあります。
小さい画面でも書けることは書けますが、やはりずっと見続けなければならないことを考えると、A4用紙や原稿用紙なみに広い白紙が欲しいところです。
持ち運びなどしないので画面は大きい方が望ましいのです。

しかしそれも今回は改善されており「iPadPro」は画面サイズを12.9インチと前機種よりも大幅にサイズアップしました。
A4サイズの用紙が対角線で14.3インチくらいなので、一回り小さい程度です。
また「Surface Pro 4」は12.3インチなのでこちらもあまり変わらないようです。

ということで、これから買い換えるならタブレット+キーボードなのかなと。
でも最重要の問題として、本体の値段が頭を悩ませます。
「iPadPro」は128GBタイプで約11万4900円、「Surface Pro 4」は同じく128GBタイプで約10万8000円だそうです。
安くなっていますが、パソコンならBTO(パーツを選んで組み立てる方法)だともっと安く作れます。
今の周辺機器を流用すれば同じ値段でももっと高スペックを狙えます。
でもスイッチポンで起動するのは魅力です。
でもタブレットは耐久性に不安を抱いています。
10年持つのだろうかと疑っています。
悩ましいところです。

そんな迷いをだらだらと書いてみました。
「Xデー」へのカウントダウンはもう始まってます。

[一日三報]
[CNN] クリスマスへの挑戦?、スタバの無地のカップが物議

スタバが無地のカップにしたのは、非キリスト教への配慮であるから、スタバはイエスを憎んでいると、一部のキリスト教徒が騒いでいる、という話。
配慮、抗議、色々あるのだなと感じました。
日本はクリスマス、ハロウィン、盆暮れ正月、なんでもござれです。
スーパーに連れて行ったら、びっくりするかも知れません。

[産経新聞] 電柱地中化の機運再び 鬼怒川決壊や観光立国が後押し コスト増を克服できるか?

「電柱地中化」って、正しくは「電線地中化」だと思うのですが。
景観だけで訴えるのはちょっと弱い。
パリやロンドンやソウルは知らないけど、個人的には埋めないほうがコストも安くて災害時の復旧も早そうな気がするのですが、どうか。
あと私の住む奈良だと、掘ったらすぐに遺跡とかが出てくるので、作業が難航しそうです。

[読売新聞] イカはどっちが上で議論?学術的にはゲソ

ゲソって「下足」の意味だけに、やっぱりどっちか分からない。
でもデザイン的には「逆さイカマーク」のほうが圧倒的に格好いいと私は思います。
「新編世界イカ類図鑑」、凄く面白そうだけど、8640円もしやがります。



11月4日(水)
[本日の独言(ひとこと)]
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が公共図書館の運営に取り組んでいる、いわゆる「TSUTAYA図書館」が近ごろ再び話題になっています。ただしポジティブな話ではなく、ネガティブな話として。多くの批判を受けるなどその業務のあり方が問題視されています。数年前に誕生した佐賀県の武雄市図書館については当時この場でも紹介しました。

10月1日、CCCと図書館流通センター(TRC)の共同事業体として、神奈川県海老名市の海老名市立中央図書館が「TSUTAYA図書館」としてリニューアルオープンしました。しかし書籍の分類や蔵書などについて問題が噴出。結果、23日にはTRCがCCCに対して「協業関係を解消し、将来的にも協業しない」という三行半ともとれる絶縁状を突きつけることとなりました。(現在運営しているものについては当面責任を持って続けるとのこと)

TRC側の言い分としては、CCC側が書籍の分類について独自の方法を用いたことで管理が煩雑になり、また司書ではなく素人が分類したとしか思えないものが多く見られたとのことです。さらに売れている本、市民が求めている本という基準だけで蔵書を作ることで、重要な郷土資料を粗末にされる懸念もあったようです。

書籍の分類については、たとえば三島由紀夫の『金閣寺』が『国内旅行』、東野圭吾の『手紙』が『手紙の書き方』、有川浩の『阪急電車』が『趣味実用/鉄道』、旧約聖書の『出エジプト記』が『海外旅行』に分類されているという、冗談みたいな話が確認されています。素人どころか、コンピュータを使って自動で管理しているのかもしれません。

もっとも、誤りがあれば訂正すれば良く、問題があれば改善すれば良いことではあります。それにも関わらず、オープンから一か月も経たないうちに関係の解消を発表したというのは、それ以外にもよほど腹に据えかねた事情があったのだろうと推測できます。炎上したのは金閣寺だけではなかったのでしょう。

一方、それに先駆けて運営を続けている武雄市図書館についてもCCCは9月10日に「より精度の高い選書を行うべき点があった事を反省しております」と異例のコメントを発表しました。2013年のオープン時に購入された約1万冊の図書の中に、「公認会計士第2次試験2001」や「海外金融商品全ガイド2001」といった10年以上も前の実用書などが多く含まれていたそうです。問題は、そんな古い本を蔵書したというよりも、そんな古い本をどこから買ってきたのかという話です。関連企業の在庫処分に使われてたのではないかとも疑われています。

そのような事態もあってか、愛知県小牧市で同じく計画されていた「TSUTAYA図書館」については、10月4日に開票された住民投票の結果、反対多数を占めたために設立が見直されることとなりました。自治体というのは基本的に保守的なものですから、CCCとしては今後も厳しい局面に立たされそうです。

ネットのニュースでは『「TSUTAYA図書館」問題で分かった「司書」の重要性』など、本気か冗談かも知れない見出しも出ています。私としては別にCCCを悪者にするつもりはなく、関係者みんなの見込み違いがあったのだろうなと感じています。面白いことになりそうだったのに残念です。

[一日三報]
[神戸新聞] 駅名、ひらがなブームから漢字に回帰 JR西

これはいい傾向。
そもそも平仮名にする意味も分からなかったわけで。
小学生に読みやすくしても仕方ないし、日本語の読めない外国人はそもそも読めないし。
「さいたま市」とか、よく通ったなと思っています。
次は夜露死苦駅。

[CNN] 米国の若者、出費の筆頭はピザ 送金アプリの記録で判明

面白い分析結果。
これだけでアプリに対する文化の違いがよく分かります。
日本だとみんな何に出費しているのか、やっぱりゲームかしらね。

[ロイター] 米で自称「魔女」が「魔法使い」を提訴、嫌がらせ受けたと訴え

今日の魔法大戦。
ちょっとインネン・タカリっぽいですが。
裁判じゃなくて魔法で決着をつけろと。