the shadow of silver
SOS日記本メルマガ掲示板プロフィール

archive

2月23日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
働かないアリは、働きアリが疲れた時に、その仕事を引き受けている。
北海道大学などの研究チームは先日、働かないアリは社会の存続に不可欠であるという研究成果を英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表しました。

働きアリの集団には必ず働かないアリが一定の割合で存在しています。
興味深いことに集団から働かないアリを排除すると、これまで働きアリだった者の中から新たに働かなくなる者たちが現れます。
この現象は以前から知られており、働かないアリにも何かしらの役割があると推測されていました。

今回の研究によると、最初からよく働いていたアリが弱って休むようになると、これまで働かなかったアリが活動を始めることが確認できました。
またコンピュータのシミュレーションでも勤勉なアリだけの集団はある時を境に一斉に疲労が限界に達するため、集団の崩壊がより早く進んでしまうことが分かりました。
働かないアリが待機しているからこそ集団は長続きするようです。

考えてみれば当然の話です。
しかしそれが躾や法律ではなく本能として備わっているところに感心させられます。
たとえば大規模なインターネットを担うクラウドコンピューティングシステムでは、24時間365日、何万台ものデータサーバーが稼働しています。
私たちのデータはその中で細切れにされ、コピーされ、複数台のサーバーに格納されています。
何万台の機械は日々稼働し壊れ続けています。
それでも私たちのデータが損失しないのは、適切な分散処理が行われているからです。
そして新品の機械、働かないアリを次々と投入することでシステムを存続させています。

データサーバーの構築にアリの集団社会が参考にされた訳ではありません。
いずれも基本的な社会システム、健全で永続的な社会を実現するための常識に従った結果です。
これがなければインターネットは存続できませんし、アリも太古の内に絶滅したことでしょう。
一方で人間社会では種の本能が蔑ろにされ、自らが取り決めた労働の法律も守られていないこともあります。
働きアリは疲弊しても交代できず、働かないアリも問題を抱えて燻っている。
なんだか人間だけが不安定な気がします。
だからこそ、と思うこともありますが。

[一日三報]
【PCWatch】 東芝のメガネ型ウェアラブル端末「Wearvue TG-1」が早くも発売中止決定

内部の混乱が手に取るように分かるニュース。
先月に製造出荷すると発表したけどやっぱり止めると新たに発表。
しかも理由が製品に関することではなく、事業運営体制の見直しという、どうしようもない話。
過去の清算だけでは追いつかず、未来への投資も摘み取り始めました。
作っている人たちもガッカリのことでしょう。

[CNN] エジプトの小説家、「露骨な性描写」で禁錮2年の刑

いったいどれほどの内容だろうと気になるけど、きっとそんなに大したことないと思う。
日本だと小説ならどんな暴力表現でもわいせつ表現でも許される最強の芸術なんだけどね。
エジプトはここ近年、ずっとピリピリしている感じです。

[ITmedia] ドローンで空から荷物が届く 国交省、初の実験を徳島県で実施

事業化を目指している会社が「MIKAWAYA21」という社名なのがちょっと面白い。
やっぱりドローンは都市部よりも過疎地のほうが向いていると思います。
もう少し頑張ったら、お婆ちゃんの一人くらいは運べそうです。
フライングばあちゃん。



2月16日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
昨日配信のメールマガジンをもちまして『江戸川乱歩没後50周年記念講座』の掲載が終了となりました。
舞台で話してみると短いものでしたが、書き起こしてみると結構な分量となりました。
乱歩に興味のある方もない方も、お楽しみいただけたとすれば嬉しいです。

さて講座では触れなかった点として、「結局江戸川乱歩の作品はどれが面白いのか」というものがあります。
これから初めて読もうという方、あるいは新たな作品を読んでみようという方は、数ある中からどの作品を選べばいいのか。
講座の最終項目として実用性を持たせるためには、それを伝えない訳にはいかないような気がしてきました。

とはいえ、私自身が選ぶとなると好きな作品が多くてどうもまとまりません。
ということで、そこはやはりプロの編集者の手を借りて、傑作として選ばれている作品を並べたいと思います。

●江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)
『D坂の殺人事件』 『屋根裏の散歩者』 『人間椅子』 『鏡地獄』 『二銭銅貨』 『心理試験』 『二癈人』 『赤い部屋』 『芋虫』 を収録。

●江戸川乱歩短篇集 (岩波文庫)
『D坂の殺人事件』 『屋根裏の散歩者』 『人間椅子』 『鏡地獄』 『二銭銅貨』 『心理試験』 『押絵と旅する男』 『白昼夢』 『火星の運河』 『お勢登場』 『木馬は廻る』 『目羅博士の不思議な犯罪』 を収録。

●江戸川乱歩ベストセレクション (角川ホラー文庫)
『屋根裏の散歩者』 『人間椅子』 『芋虫』 『孤島の鬼』 『陰獣』 『黒蜥蜴』 『パノラマ島奇譚』 『蜘蛛男』 を収録。

短編・長編とありますが、それぞれ素晴らしい作品を選んでいます。
他にも多くの出版社から刊行されています。
なお「江戸川乱歩ベストセレクション」は続編が刊行されていますが、やはり第一巻目に収録した作品には重要な意味があると思います。
三冊を見比べると、『D坂の殺人事件』 『屋根裏の散歩者』 『人間椅子』 『鏡地獄』 『二銭銅貨』 『心理試験』 『芋虫』は複数の選集でピックアップされています。
これらはどれも初期に書かれた短編作品です。
読み始めの作品としてもおすすめです。
もしこれらを読んでも好きになれなければ、自分は乱歩作品には向いていないと判断してもいいでしょう。

長編の傑作としてもやはり 『孤島の鬼』 『陰獣』 『パノラマ島奇譚』 は外せません。
乱歩の長編は結構ムラがありますが、いい作品は本当に面白いです。
そしてエンターテイメントものとしては 『黒蜥蜴』 と 『怪人二十面相』 は間違いありません。
また翻案小説(海外作品の乱歩リメイク)では 『幽霊塔』 『三角館の恐怖』 がおすすめです。

日々の読書の足しにしていただければと思います。

[一日三報]
【産経新聞】 東芝、パソコン生産から全面撤退へ 杭州工場を売却 富士通、VAIOの工場に生産を委託

売れなくなると業界再編。
ダイナブックの東芝はあんな状況だし、VAIOはもはやソニーとも関係ないし、富士通のFMVは結構好きだけど印象が薄い。
あとはお役所に強いNECと、企業に強いレッツノート(パナソニック)か。
統合しても再編しても、結局ジリジリと弱っていく予感しかしないところがなんとも。
パソコンもケータイも、20年と保たなかったね。

[CNN] 女性用商品が高いのは差別? 「ピンク税」批判で値下げ 英小売り

むしろ男性用商品の方が高い上に品数も少なくて不便な気がしていますが、イギリスでは違うのかな。
男性用なんて服も少ないし売り場も狭いし、結果、売れない買わないで割高感があると思います。
差別ではありませんが、購買・消費行動ほど男女差が出るものはないと思います。

[ITmedia] 故hideさんをよみがえらせたのはどの音声合成技術?

期待したほどの完成度ではありませんが、今後のさらなる進化に期待できそう。
しかしhideのこんな声を聞きたいと思う人がいるかどうかは疑問。
たぶん目的が故人の声の再現であって、話題性も含めて実験台に選ばれただけのような気もします。
マイケル・ジャクソンみたいに。
どうせならもっとハッキリとした声の人、亡くなった声優さんとかを起用すればもっと上手くいくように思えます。
波平さんとかルパン三世とか。



2月9日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
一冊6万4800円のシリーズ本が国立国会図書館に納本されて、発行者に「代償金」(本の定価の半額と送料)の一部が支払われた問題で、同図書館は本を返却し支払った金額の返還を求めると発表しました。
なお発行者は既に返金に応じたとのことです。

この本は昨年3月から10月にかけて78巻が納本されて、規定に従い代償金の一部約136万円が支払われていました。本はISBN(国際標準図書番号)が付与されており、オンライン書店でも販売されていたことなどから「広く一般に頒布されている出版物」として受け入れられたそうです。

ところがその内容はギリシャ文字等をランダムに配した解読不能な本であったこと。また頒布部数が少なく、国立国会図書館への納入義務の対象には当たらないものと判断されたため返金を求める措置となりました。

国立国会図書館が支払った代償金の返還を求めるのは初めてだそうです。なお発行者の意図はともかくとして、行為自体に付いては違法性はなく詐欺にあたるものではないことを付け加えておきます。ちなみに同図書館は基本的にISBNが付与された本に対しては代償金を支払って保存する仕組みとなっており、2014年度は約15万点が納本されて約3億9000万円を支払っています。本件の結果、今後は取り扱いの規定が変わる可能性もありそうです。

発行者はインターネットで誰でも気軽に出版できるようになった時代背景を受けて思い付いたのでしょうか。しかし同時に誰の目にも止まる危険性には気付かなかったのかもしれません。一方で制度の抜け穴を通られた国立国会図書館は対応に苦慮し、結果「本じゃないから」という曖昧な理由を挙げるしかなかったのは情けない話です。じゃあ、本とは何なのか。どういう文章の規定があって、何冊売れたら認められるのか。そんな不毛な議論が起きることにもなりそうです。

しかし、この方はツメが甘くて失敗したようですが、本当に初めてのケースだったのでしょうか。他にも結構、こっそりと納本された「ウソ本」があるんじゃないかしら、と勘繰ってしまいます。

[一日三報]
【産経新聞】 500万訪日中国人客「おすすめ爆買いリスト」 中国版ツイッターが映し出す「本音」ランキング

恐らく西日本ほど影響がありそうな話題。
大阪の繁華街なんて中国語が飛び交っていますからね。
化粧品の「雪肌精」がトップというのは興味深い。
その次に来るのが魔法瓶。国内では既に飽和状態のカテゴリーでしたが、ここへきて復権の兆しが見られます。
それにしても隣の国なのに、わざわざ来てまで買わないといけないというのも不思議な話です。
この後は自国内で「プチ輸入販売屋」が溢れることでしょう。

[AFP] 隕石落下で史上初の死者?インド南部で4人死傷

めったに起きない出来事のたとえに「隕石に当たるようなもの」と言いますが。
災難ですが、これはもうしょうがないかなとも思ったり。
でも隕石ではなく人工衛星の部品などだったりしたら、また国際問題にもなりそうです。

[朝日新聞] PC1千台、USB接続口ふさぐ 堺市、情報流出で対策

……一方、役人はUSBの接続口を塞いだ。
結局スキルにもリテラシーにも個人の限界がある訳で、泥臭い手段ですが使わせないというのが最良なのでしょう。



2月2日(火)
[本日の独言(ひとこと)]


先日テレビを購入しました。
東芝液晶テレビ「レグザ」(49G20X)。49インチの大型サイズです。昨年6月30日発売モデルの型落ち品を選びました。

やや古いこだわりを持っている私としては、テレビといえばやっぱりソニー。出遅れたとはいえパナソニックも捨てがたい、という思いがあります。
でも最近はもう、どこの何を買ってもさほど変わらないような気もしてきたので、結局は安いという理由だけで今回の製品を選びました。また東芝のレグザは先に一台持っているので信頼感もありました。
ただ会社自体の信頼感は最近ちょっと下がり気味です。家電部門も売っちゃいそうな気配ですが、どうなることやら。

ちなみに液晶テレビでいえば、上記のソニーはやはり高級志向です。パナソニックもさすがにバリエーションを広げています。東芝は評価も価格もお手頃です。シャープは安めをしっかり押さえています。そして近年では韓国LGの攻勢が凄まじいようです。

さらにテレビに合わせてブルーレイレコーダーも購入しました。
パナソニック「ブルーレイディーガ」(DMR-BRS500)。シングルチューナーで容量500GBの超安価モデルです。
テレビ番組の録画をメインとするなら物足りないスペックですが、ブルーレイディスクの再生が使用の中心となるので充分だと思いました。
ただボタンの配置やリモコンの形が、どう見ても「機械が苦手なお婆ちゃん」向けなのは少し不満です。分かりやすいけど。

テレビでいうと、今回は最初に電源を入れると、アンテナ信号の確認とともに通信設備の有無にも確認がありました。有線・無線LANがあればインターネットにも繋げますという仕様です。早速接続させると様々なネットコンテンツが楽しめるようになりました。
以前に紹介したアメリカ発の映像配信サービス「NETFLIX」もリモコンのボタンに設けられています。操作は多少面倒ですが、「Yahoo!」も「YouTube」も観られるようです。いよいよテレビもこういう時代になったのかと思いつつ、やはり十年遅いなとも感じています。

[一日三報]
【河北新報】 <七ケ浜白骨遺体>室町~江戸時代の人骨?

警察が事件性を捜査していた白骨遺体が随分古い物だったと判明。
「既に時効が成立している可能性が高い」とのこと。
周囲の環境も大きいだろうけど、結構分からないものなのね。

[AFP] タイでブームの人形、航空当局が「人間ではない」と表明

もっとリアルなものかと思ったら。ちょっと恐い。
ロボット技術が発展したらこういう問題もさらに起こりそうです。

[WIRED] 「最大約500kgの荷物」を運搬できるイスラエルの大型ドローン

イスラエルだのメギドだのと終末感。
そのうち映画「マトリックス」のセンチネルみたいな攻撃ロボットができる予感。
アマゾンが荷物運び用に普及させて、グーグルが人工知能を搭載させて。
悪い奴が何か仕込んで、ロスがパニックになるのが既定路線です。