the shadow of silver
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11月29日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
少し前に「もやしもん」という漫画が流行っていました。肉眼で細菌が見える特殊能力を持った主人公が、農業大学で菌と発酵について学びつつ酒造りに青春する物語でした。お話もほどほどに、酒や発酵食品の蘊蓄や業界の話が興味深い作品でした。タイトルの「もやし」は酒造りにかかせない種麹(カビなどの菌)の呼び名だそうです。

「もやしもん」は細菌が見える力を酒造りに活かしていましたが、読んだ私は犯罪捜査に使えそうだなと感じていました。現場に残された遺留品から事件を明らかにする方法として、指紋検証や靴底の土のように近ごろは細菌の違いも注目されています。細菌というのはどこにでも存在するものですが、場所によってその種類や割合が異なります。周囲の地面や被害者の持ち物、あるいは被害者自身の口内や腸内の細菌から事件当時の状況や殺害場所などを特定できる可能性が高まっています。

その辺りの研究としては、最近では携帯電話に残った手垢や皮膚片から持ち主のライフスタイルを調べる研究も行われています。アメリカでの実験では携帯電話の手垢からスキンクリーム、脱毛治療薬、抗うつ薬、カフェインやハーブの分子などが検出でき、日焼け止めクリームや虫よけ剤などは使用から数か月経っても確認できたそうです。これにより、たとえば高い化粧品を使っているか、コーヒーをよく飲んでいるか、スパイシーな食べ物が好きか、うつ病の治療を受けているか、日焼け止めや虫除けスプレーを使うアウトドア派かと個人のライフスタイルや嗜好が推測できるようです。

携帯電話から男性用整髪料、髭そりクリーム、コーヒー、トウガラシ、ニコチン、ニンニクの成分が多量に検出されました。よってこの携帯電話の持ち主は90歳のご婦人ではなく、20代~50代の男性の可能性が高いのです。という捜査もできるかも。なんだか「へたれ探偵」のダメ能力みたいです。

[一日三報]
【WIRED】 チームで執筆、1話60分、PVも作成…「TVドラマ方式」で小説を配信する米出版社Serial Box

著者を代えた連作短編集というものがありますが、それをさらにシステマチックにした感じ。
スピーディにリリースできるのが特徴ですが、薄味で企画色が強くならないかとも思ったり。
異世界なんちゃらみたいにキャラと世界観を決め込んでテンプレートが成立している作品ならありかも。

[ロイター] 携帯便利な紙製折り畳みヘルメット開発、来年夏には商品化へ

これはなかなかいいかも。
バイク乗り、自転車乗りの多くはヘルメット邪魔問題を抱えています。
避難グッズにも便利そう、防空ずきんっぽいけど。

[CNN] 実物の「トランスフォーマー」競売に トルコの新興企業

動画はこちら。
コレジャナイけど頑張っている。
実物大ガンダムもそうですが、人類はどこまでSFに近付いているかを定期的に確認するのはいいことです。



11月22日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
昔ブルーレイが出始めたころ、ブルーレイで録画すれば古い映像も綺麗になるという謳い文句がありました。どういう技術だと言いたくなりますが、まあ昔と比べてテレビも大画面で高解像度になっているので、その辺りも鑑みれば間違っていない部分もあるかもしれません。最近ではWindows10をインストールすれば今使っているモニタがタッチパネルになると思っていた人もいたとか。ハードウェアを改造するとは恐ろしいOSです。

黒澤明の名作、みんなが名作と言うので名作と言いますが、「七人の侍」が4Kデジタルリマスターとして先日映画館で上映されたそうです。私は観に行きそびれてしまいましたが、単なる機械的なデジタル変換ではなく、フィルムの一枚一枚から音声の一音一音まで手を加えたという、お金と時間をたっぷりかけた渾身のリマスターだったそうです。映画館で上映するくらいなので余程の出来映えだったのでしょう。そこまですると確かに古い映画も綺麗になりそうです。

最近はテレビの映画チャンネルを観ていると、運良くか西部劇の「続・夕陽のガンマン」が放映されていました。若かりし頃のクリント・イーストウッドが故・山田康雄の吹き替えで喋る姿に、感動とはまた異なるおかしな笑みを浮かべてしまいました。ちなみに「続・夕陽のガンマン」はタイトルと違い夕陽のシーンはワンカットも登場しないというトリビアがあります。「センター・オブ・ジ・アース2」や「ハムナプトラ3」と同じく、邦題ならではの弊害です。

何の話か分かりませんが、古い映画もそれはそれでいい物だという話でした。小説にしても音楽にしてもそうですが、古典が名作ぞろいなのは残るべくして残った作品だからいうこともあります。現代の視点では共感しかねることも多いですが、よくできた作品には違いないです。最速の人気ランキングを追うよりもよりも信頼できるかもしれません。

[一日三報]
【CNN】 「トランプが来る!」で逃げるゲーム、全米の学校で流行

どこの国も子供は遊びの天才だと思う。
そして大人には、どうしてそんな嫌われ者が大統領になるのか、きちんと考えて説明する義務があると思う。

[毎日新聞] カタツムリ 殻を振り回し敵撃退…北大研究員が初確認

今日の昆虫。
思った以上に振り回していて驚いた。
身近にこれほど強力な武器があるとは、カタツムリ本人にとっても大発見だったろう。
内臓詰まっているけど。

[ITmedia] 古代エジプトのパワーで過疎化を止める夏田さん

たぶん過疎化は止まらないだろうけど、年季の入った作業ぶりと淡々としたスタンスに魅力を感じます。
岡山のほうではZガンダムを手作りした人もおられましたが、ネットで作品をひけらかすこともなく、物作りの趣味に没頭する「田舎の匠」はまだまだ潜んでいるように思います。



11月15日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
ホラー作家とミステリ作家の違いは、サディストとマゾヒストの違いかもしれない、と思うことがあります。ホラーはいかにして痛めつけて、追い詰めて、絶望感を与えるかを考えます。ミステリも同様に痛めつけられ、追い詰められ、絶望感を与えられるかを考えますが、その中に一条の光明・逃げ道を含ませなければなりません。無茶苦茶に縛るか、縛られっぱなしではいけないかという違い。いや、結局両方の嗜好が混在していないといけないのかも。なおこの話は作品制作における特徴であり、実際の作者の趣味嗜好とは異なります。私はどちらも嫌です。

先日大阪府警に窃盗の疑いで逮捕された男は、取り調べにより十数年にわたり市内で約300件の空き巣を繰り返した常習犯だと分かったそうです。男は空き巣に入る日の前、複数の部屋の玄関ドア上部から壁にテープを貼り、一定の時間ごとに確認していたとのこと。テープの剥がれた時間を確認しては住人の不在状況を調べ上げて犯行に及んでいたそうです。使い古されたトリックですがかなり効果的な手法です。

近ごろはインターネットを見ていると、ドアの鍵の開け方、窓の破り方、金庫の開け方、自殺の仕方などが簡単に調べられるようになっています。中にはわざわざ動画を使って手口を紹介し『悪用厳禁』などと言い逃れのコメントが付いているものもあります。テレビなどでは厳しい制限があって、それらの映像は隠すかモザイク処理などがされますが、インターネットはやりたい放題になっています。昔は本で知ったり人づてに聞いたりして、スゲェヤベェなんて思ったものですが、こう大っぴらに公表されてしまうと、真似をして犯罪に及ぶ人も多くなりそうです。いわく『ネットで見た』です。

なおこれらの現実的な手口は、ミステリのトリックとしてインパクトに欠けるので使いにくい印象があります。高さ10メートルの壁に監視カメラ、庭にはドーベルマンが20匹、屋敷には屈強なガードマンが30人、難攻不落の大邸宅へ犯人はいかにして侵入できたか。普通は諦めて帰ると思います。

[一日三報]
【WIRED】 ネズミもくすぐられると笑う:研究結果

「笑い」は人間だけにしかできない能力、だから素晴らしい! といった話も聞きましたが。
実は動物も人間には見えないだけで様々な感情を見せているのかもしれません。
でもあまり考えるとご飯が食べにくくなるので、ほどほどでいいかなと。

[AFP] FB、誤って「追悼」表示 200万件 同社CEOも「犠牲」に

以前はちょっとテレビで見かけなくなったら「死亡説」なんて飛び交っていましたが。
今は積極的に死亡説を流す時代のようです。
私たちも知らない内に、どこかで死んだことになっているかもしれません。
リビングデッド、どくどくゾンビ。

[らばQ] 名峰だらけのスイスアルプスで「天才の発想だ!」と感心されていた展望装置

これは確かに素晴らしい発想。
観光地や展望台にあるような、絵や稜線で紹介する方法より分かりやすい気がします。
難点は自分にしか見えないところですが。



11月8日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
アメリカ・シカゴの公共バス内で、27歳の男性が女性乗客に話し掛けて相手にされなかったという理由で、持っていた冷凍の鶏肉で殴打し怪我を負わせたという事件がありました。その後バスを止めて女性を助けようとした運転手も同様の武器で襲われて鼻やあごの骨を折る怪我を負いました。男はその場で警察に逮捕されました。

「ミステリ三大あるある凶器」と個人的に呼んでいるネタのひとつ、食材による事件です。古代の猿人は動物の骨を使って敵と戦っていたという。コチコチに冷凍した肉は鈍器と化し、しかも犯行後は解凍して食べてしまえば消えてなくなります。天才的で完璧なトリックですが、あるある過ぎて使われているシーンはあまり見た覚えがありません。漫画かテレビドラマでそんなのがあったような。文章よりも見た目のインパクトで押し切れる凶器なのでしょう。

ちなみに「三大あるある凶器」のあと二つは、「氷」と「靴下に砂」です。薄い氷は鋭利な刃物となり、軒先の氷柱(つらら)は殺傷可能な武器となる。しかも溶けてしまえば消えてなくなります。これもあるある過ぎて使いにくい凶器です。ただ江戸川乱歩の評論集「続・幻影城」によると過去にいくつか作品で使われたこともあるとか。同じような仕組みの「氷の矢」は紀元前一世紀にローマで書かれた文献にもあるというので、よほど思い付きやすい凶器なのでしょう。

「靴下に砂」というのは、履いている靴下を脱いで石や砂を詰めれば鈍器になる。しかも犯行後に履き直せば見つからない、というネタです。これはミステリというよりもチンピラの即席武器という印象が強いです。実際に振るうと靴下のしなりも加わるので棒切れよりも殺傷能力は高まります。短い革紐の先に重しを付けた「サップ」という武器もあります。

現実的な話をすると、今は鑑識の能力も進んでいるので被害者の状況を見れば肉を使おうが氷を使おうが砂を使おうが大体分かってしまうそうです。でも意外性のある凶器というのはミステリのロマンだと思います。ドイルの「まだらの紐」も当時はきっとセンセーショナルな凶器だったことでしょう。

[一日三報]
【AFP】 少女向けのお姫さま番組は「有害」、テレビに求められる変革

今日のジェンダー。
今の大人の中で、子供のころにお姫さま番組を見過ぎたせいで人生がおかしくなったって人がいるのかしら。
むしろ「男の子なんだから」ってだけで理不尽な扱いを受けてきた人のほうが多いような気もしたり。
それはともかく、もう子供は動物番組だけ見せて野生児にでもすればいいと思います。

[CNN] 全米の子どもにボトル投げが大流行、親はイライラ

水の入ったペットボトルを投げて、倒れずに直立させられた成功という遊び。
さすが子供は絶妙な遊びを思い付くなと感心したり。
やっぱり10回連続で成功したらやっべーマジ天才ってなるのかな。

[WIRED] 人は「死」を意識すると、本当にパフォーマンスが向上する:研究結果

死にもの狂い、火事場の馬鹿力的な。
こういう研究ってパフォーマンスの向上ばかりに注目されるけど、それを続けた際の肉体的・精神的影響ってあまり考えられていない気がします。
過労死の理由もそういうところにあると思います。



11月1日(火)
[本日の独言(ひとこと)]

(※ネットより転載・加工)

さる10月27日に皇族の三笠宮崇仁親王殿下が薨去されました。百歳。大正天皇の第4皇男子で、昭和天皇の末弟、天皇陛下の叔父にあたる方でした。

皇族の話についてはあまり詳しくないので書けませんが、三笠宮の宮号については面白いエピソードがあります。この号は昭和10年12月2日に崇仁親王が成年式を行った際に賜り創設されましたが、その由来は阿倍仲麻呂の有名な和歌「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」に登場する奈良の三笠山にちなんで命名されました。

奈良の三笠山といえば奈良公園の東に続くなだらかな山のひとつですが、実は地元の人間もどの山を示しているのか分からない人が多い不思議な山です。パンフレットでよく見かける青芝の丘は「若草山」と呼ばれますが、それを背後の山と含めて三笠山という人がいます。その隣には「御蓋(みかさ)山」という三角形の山があるので、それが三笠山という人もいます。さらに隣には毎年8月15日に大文字焼きが行われる「高円(たかまど)山」があり、それが三笠山ではないかと疑う人もいます。

正解を言うと、ちょうど笠を伏せたような三角形に見える「御蓋山」こそが三笠山です。しかしそう言うと、むしろ年配の方ほど反論されます。いや、若草山が三笠山だ、ワシはそう聞いたし本にも書いてあったと。それも勘違いではありません。要するに古人も歴史家も観光係も、どれが三笠山なのか分かっていなかったのです。というか、山の名前というのは地理が発展する最近まで曖昧な物が多く、富士山ほどはっきりとした独立峰でもなければ連峰などはあちこち名称が混同している山も少なくありませんでした。

そんな中、昭和10年に三笠宮が創設されたのを期に「御蓋山」こそが三笠山であると正式に定められました。お上が決めたのでそれが正解です。万葉集の頃から奈良の東には三笠山がありましたが、それを明確に指し示したのはわずか80年前であり、三笠宮崇仁親王殿下のお陰でもありました。

ちなみに、御蓋山(三笠山)の背後にはさらに大きな春日山という山があるので、夜になって月が出ても「三笠の山に いでし月かも」という風にはあまり見えません。なので恐らく阿倍仲麻呂が想像した光景では別の山を示していたのだと思います。それ故にまたややこしい話になるのです。

[一日三報]
【タウンページ】 書店が多いのは日本海側と四国で、1位は福井県!

書店不況と言われて久しいですが。
注目すべきは記事中の都道府県ランキング。
私の住む奈良は堂々の最低ランクです。
いや、大阪も兵庫も福岡も神奈川も千葉も埼玉も同じ最低ランクよと思ったら、人口10万人あたりの店舗数と知ってびっくり。
それで神奈川(907万人)、大阪(886万人)、埼玉(715万人)、千葉(614万人)、兵庫(557万人)、福岡(504万人)と、奈良(140万人)が同列ってキミ。
もう少し、頑張っていただきたいところです。

[ロイター] フィリピン麻薬戦争の「死体袋」、ハロウィーン飾りで人気

ハロウィーンも終わりましたが。
こういうリアルな仮装のほうが半端なく恐いなと思ったり。
ハロウィーンの夜、みんな袋に入って誰も動かずに転がっていたらどうよ。
きっと静かでしょうね。

[CNN] 自転車泥棒に化学物質浴びせ撃退、「スカンク錠」を考案 米

これ絶対、いたずらで作動させる奴出てくると思う。