the shadow of silver
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5月30日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
昔ネパールに行った際に、小さなプロペラ機に乗ってエベレストを見たことがある。
ぐらぐら揺れる機内の中、運転席まで案内されると、操縦士が遠くを指さして、ほらあれがエベレストだと見せてくれた。
ただエベレストは富士山のような独立峰ではなく、連綿と続くヒマラヤ山脈の中で、たまたま頭ひとつ出た場所に過ぎない。
だから、あれと言われても、どれがそれなのかも分からない。
まあ、あの辺のどれかがエベレストなのだろうと、適当にオーケーサンキューと言うしかなかった。

標高8848メートルの最高峰、そんな山に登るのは余程の変わり者だと思うのだが、登山者数は2010年あたりから急速に増加している。
今年春季の登山許可証の発給数も過去最高の373人に達したそうだ。
富士山や高尾山に比べたら微々たる人数だが、それでもエベレストの登頂には季節、天候、時間、運が必要になるので、どうしても一時期に集中してしまうらしい。
お陰でベースキャンプも混雑し、山頂前の難所「ヒラリー・ステップ」で何時間も順番待ちをすることもあるそうだ。
エベレストまで来て正月の「ご来光待ち」をするのも大変だろう。

先日のニュースによると、そのヒラリー・ステップが崩壊したと登山者が証言したことが話題になっていた。
ヒラリー・ステップは山頂付近にぽこんと突き出た岩の塊だそうで、それがなくなると登山が楽になるのかと思いきや、周辺も危険になるのでルートの変更が必要になるかもしれないそうだ。
なおネパール観光局はこの事実を否定しており、実際のところはよく分からない。
ちなみにヒラリー・ステップの名はエベレストに初登頂を果たしたエドモンド・ヒラリーの名にちなむという。
「なぜ山に登るのか?」「そこに山があるから」という名言は、正しくは「なぜエベレストに登るのか?」「そこにエベレストがあるから」という訳になるが、これはヒラリーではなく、それ以前のジョージ・マロリーの言葉だ。
エベレストに三度挑んで、最後に遭難した。彼が登頂できたかどうかは未だ謎となっている。
登頂していれば、人類初登頂の記録は29年も遡るそうだ。

渋滞のエベレストは登山者にとっては大変だろうが、管理するネパールにとっては大きな収入源にもなっているらしい。
これから中国やインドの富裕層が増えればもっと混雑するようになるかもしれない。
私としては、中国お得意の強引さで、山頂までエスカレーターを付けて欲しいところだが、それは多分お山の怒りに触れることだろう。

[一日三報]
[朝日新聞] 旧日本海軍「伊58」? 海底に突き刺さった潜水艦発見

別の惑星で見つかった人工建造物っぽい映像が妙に格好いい。
引き上げずにこのまま観光地にすればいいと思うけど、難しいのかな。
どっかの国が日本海にポンポンとミサイルを落としているけど、あれも海の中は大丈夫なのかしら。

[GIGAZINE] MITが汗に反応して通気口が開く「細菌入りTシャツ」を開発

今日のMIT。
優れ物っぽいけど、やや不気味。
そのうち背中の皮膚と同化して、自在に開いたり閉じたりできるようになるとか。

[読売新聞] オランダ国王、「気付かれず」KLM副操縦士に

まあ普通の乗客は副操縦士までは関心もないだろうし。
しかし国民の命を乗せて目的地へ向かう仕事というのは、国王としても良い体験になりそうです。
日本の政治家さんたちも一度やってみればいいのに。
僕らは、あの人たちが運転する飛行機に、安心して乗れるだろうか。



5月23日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
「お前の子供を預かった」という誘拐事件も最近は少なくなりましたが、「お前のデータを預かった」という事件はこれからも増えていくかもしれません。そんな話も、前にどこかでしたような気もしますが。

先週はパソコンのデータをロックして身代金を要求するランサムウェア、"WannaCry"の事件が大きな話題となりました。5月11日辺りから英国を中心に発生し、12日には米国へ渡って一気に拡大、150か国20万台以上に被害をもたらしました。なお日本ではOSのアップデートをマメに行い、さらに土日の休日に入ったことで、いち早く注意喚起も行えたという幸運も重なって、影響を受けた企業や個人は少なく済んだようです。

近ごろは個人も法人も役所も、どこでも何でもデータとネットワークで管理されています。便利にはなりましたが、紙とファイルで管理されていた昭和の時代と比べると、かえってデータ盗難や情報漏洩の危険性が増しているとも言えそうです。

あろ考古学研究チームの話によると、紀元前750から150年の間に、地球で急激な磁場変動が起きたことが確認されたそうです。磁場変動というのは古代から何度も起きていますが、未だにその理由は解明されていません。今回の発見は当時に製造された陶磁器に含まれる金属の変質(金属結合の方向性の変化)から分かったそうです。

問題は、この磁場変動が現代社会で起きた場合、電子機器の故障などを引き起こして大規模な災害に発展する恐れがあるということです。紀元前なら作っていた壺に影響が出る程度で済みましたが、ライフラインも通信手段もコンピュータに制御管理された現代ならランサムウェアどころではない壊滅的な被害を引き起こすかもしれません。

一切の電子機器が使えなくなった社会というのも、小説のテーマとしては面白そうです。それはともかく、なんでもかんでもコンピュータに任せてしまうのも、ちょっと問題のようです。

[一日三報]
[ITmedia] “AIコピーライター”、電通が開発 広告コピーを自動生成

適当に文字を置きゃいいってもんじゃないぞ、と思いつつも、適当に文字を置いても様になって見えるのがコピーの世界で、実際にも適当に文字を置いたようにしか見えない広告も多いのが現実だったりします。
しかしそれを電通が開発するというのも、なんというか、ライターさんも大変ですね。

[AFP] ノルウェー北極圏の種子貯蔵庫、入り口トンネルに水 対策を強化

みんな大好き北極圏の種子貯蔵庫。
レガシーっぽい作りと目的で近ごろ注目を浴びていますが、あまり有名になると悪者に襲われそうでちょっと心配。
ランサムウェアじゃないけど、制圧されて身代金とか要求されるかも。

[時事通信] 仏パリで「愛の南京錠」などオークションに、落札総額3100万円

仏像や呪い人形などもそうですが、ただの木や石の塊でも、長年にわたって人々が拝み続けていれば、電池が充電されるみたいに力を持つようになると思います。
この南京錠もだいぶ、重い物になっていそうで、ちと恐いです。



5月16日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
私は物事に様々な偏見や先入観を持っており、それに基づいて世間を見ているふしがあります。その中のひとつに『自動車の車内に凝る人は、家が狭い』というものがあります。

『家が狭い』というのは物理的な寸法の話だけでなく、自分の居場所という意味もあります。『車内に凝る』というのは、広さやシートの質感、音響やテレビ、そして匂いを自分好みにカスタマイズすることです。具体的には家でスピーカーを鳴らせない人はカーステレオに凝るということです。家に自分の部屋がなく、自由にできない人は、車内の環境を整えようとします。その人にとって車は、いわば『動く書斎』なのです。移動の道具ではなく、リラクゼーションマシンなのです。こういう感覚は、特に日本のドライバーは多く持っているように感じています。エンジンの性能や外観の格好良さにこだわる人ともまた違う気がします。

ゴールデンウィーク中、ふと滋賀県の琵琶湖を一周してみたいと思い立って車で出かけました。私の車は小さな軽四輪です。タイヤが4つも付いており、エアコンまで備わっているというスーパーカーです。おまけに汚れも人目にも目立ちにくい白色です。車になんの興味もないことが分かります。

奈良の自宅を出て、琵琶湖をぐるっと一周回るのは、それほど困難な道のりではありません。ただ回るだけなら朝から出れば夕方には戻ってこられるでしょう。しかし途中で店や城や観光名所に立ち寄ったり、フェリーに乗って島へ立ち寄ったりすると時間がかかります。結果、道程の半分を超えた北端辺りで夜になってしまいました。それで、ひとまず夜明けまでは『道の駅』で寝ることにしました。車中泊というやつです。

滋賀県は大津市や草津市、彦根市や長浜市の中心などは栄えていますが、北アルプスに繋がる北陸寄りは山野も多くなります。車で寝るのはちょっと心配かと思ったのですが、辺りには同じく車中泊の人たちが多く集まっていました。カップルや老夫婦、学生風から家族連れと様々です。中にはテントを張って野営をしている人たちもいました。過ごしやすい時期でもありますが、なるほど近ごろはみんな気軽に車中泊もするんだなと思いました。

ちなみに軽自動車でそのまま車中泊をするのは、幅的にも機能的にもさすがに狭かったです。次にやるならもう少し体制を整えないと。なるほど、先の偏見とはまた別の理由で車内に凝る人もいるようです。

[一日三報]
[NHK] てんとう虫のはね 折り畳みの様子を解明

今日の昆虫。
むしろ今までよく分からなかったのかと驚いた。
テントウムシはアブラムシをバリバリ食べる益虫。
しかも昆虫にしては奇跡的に愛らしい姿をしているから凄いです。

[朝日新聞] 「カラス侵入禁止」警告文、なぜか効果 東大の研究施設

カラスは文字を読めないけれど、人間が興味を持って留まればカラスは近寄らない。
双方の習性を上手く利用した対策です。
『ゴミ捨て禁止』とか『チカンに気をつけよう』とか、何の意味があるのかと思っていましたが、悪いことをする人にとっては、書いておくだけでもそれなりに効果的なのかもしれません。
世界人類が平和でありますように。

[WIRED] オーストラリア、塩湖の上に浮かび上がる幻想的な「鏡」

凄いけど、どうなのか。
ここまでやるなら単にCGでもいい気がしたり。
写真を撮影する過程まで見せて初めて成立する芸術なのか。
いや、やりたいからやったという、根本的な芸術活動か。



5月9日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
ハチノスツヅリガの幼虫がプラスチック素材のポリエチレンを食べて分解することを発見した研究論文が発表されて話題になっています。

ハチノスツヅリガというのはその名の通りガの仲間で、幼虫は白い芋虫のような姿をしています。旧名はハチミツガ。釣り餌では「ぶどう虫」の名称で販売されていることが多いです。なお、ぶどう虫というのはブドウスカシバの幼虫で本来は別の芋虫です。ブドウスカシバもまたその名の通りブドウの木を荒らすのですが、釣り餌のためにブドウの木を食われてはたまらないので、養殖のしやすいハチノスツヅリガの幼虫を増やして、「ぶどう虫」の名前で釣り餌として売っている、という経緯があります。

ハチノスツヅリガの幼虫は蜂の巣に寄生して、蜂の成虫や幼虫ではなく、巣そのものを食べて成長します。蜂の巣の原料は蜜蝋と呼ばれるもので、現在では化粧品や軟膏にも使用されていますが、かつてはロウソクやワックスの原料にも使われていました。今回の発見に至った経緯は、幼虫に荒らされた蜂の巣をポリ袋に入れていたら、いつの間にか穴が空いていることに気づいたという、嘘みたいな話だそうです。

ロウソクを食べる虫ならプラスチックも食べるかも知れない、というのは、素人にもなかなか分かり易い理屈です。なお食べられたプラスチックは体内に蓄積されずにきちんと消化されているそうです。もちろんこれまでの微生物や菌類によるプラスチックの分解速度に比べると、圧倒的な速度です。今後は幼虫を使わずに成分を解析して、プラスチックゴミの処理方法を確立させる狙いがあるそうです。

自然の驚異に感心させられる、今日の昆虫の話題でした。

[一日三報]
[WIRED] 1時間のジョギングで寿命が7時間延びる、という研究結果

今日の不老不死。
私の場合、大体一回30分くらいのジョギングをしているので、走るたびに半分の3.5時間くらい寿命が延び続けています。
それを年間250日くらい、10年くらい続けているので、3.5×250×10=8750時間。
それを24時間で割ると、約364.5日になるので、私はジョギングのお陰で丸一年くらい寿命が延びました。
あれ、思ったより現実的だぞ。

[ロイター] 「もっと簡単だと思っていた」、トランプ氏が大統領の職を語る

今日のトランプさん。
アンタがそれを言うかと思いますが、アンタだから言えるんだろうなとも思ったり。
この歯切れの良さも大統領としては画期的かもしれません。
でも絶対、この人バカじゃないよね、それが恐い。

[AFP] 目元を木陰に? 仏新人デザイナーのサングラス

独特の不気味さ。
ジョジョの奇妙な冒険にこんなシーンあったよね。



5月2日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
「へたれ探偵」の柔井公太郎は、様々なことが苦手で恐怖を抱く青年です。
高いところ、狭いところ、広いところ、暗いところ、尖ったもの、人前、犬、昆虫、不潔、大音量、3D、恐い話、時には男性、あるいは女性などなど。何もかもを恐れて、それゆえに優れた探偵能力を持っています。

私もまた、彼ほどではないにしても、苦手な物が多々あります。特に苦手なのが高所で、観覧車に乗ったり橋を渡ったりするだけでも緊張してしまいます。また人前で、大勢の人に見られるとあがってしまい、うまく話せなくなります。そもそも対人関係が得意ではなく、だからこそ物書きになってしまったという気もしています。

一方で、人間は慣れる動物なので、これらの恐怖症は訓練によって克服できる場合もあります。そもそも人類は地上を生活圏にしていた訳ですから、木より高い場所が恐いのは当然です。高層ビルの窓から地上を見下ろせているだけでも充分克服しているとも言えるでしょう。また人前が苦手であっても、仕事や何やで必要に迫られれば、やらざるを得ません。私も以前と比べて随分社交的になったというか、辛うじて一般人と見なされるレベルにはなれたと思います。それでも帰宅してからは床に丸まり、うまく立ち回れなかったことに後悔してしまいます。

そんな恐怖症を克服するために、バーチャルリアリティー(VR)を活用する取り組みが進んでいるそうです。高所恐怖症の人間を高いところへ連れて行くのは危険ですが、映像と音で高所を再現すれば安全に慣れさせることができます。あるいはVRで臨場感のある公衆の面前でスピーチの特訓をさせれば、リラックスして本番に臨めるようになります。アルコール依存症にはバーの映像と酒を見せて、実際には水を飲ませるとか。ニコチン中毒者には煙草を吸わせるように禁煙パイプを吸わせるとか、そういう治療方法にも活用できます。VRというとゲームや映画が有名ですが、これからはもっと単純に、仮想現実を有効利用できるようになるかもしれません。

とはいえ、恐怖心は人間の本能に繋がる部分もあるので、単純に克服するのはどうか、と思うところもあります。転落すれば危ないという意識がなければ大事故にも繋がりかねません。自動車のスピードを恐れない人の運転は暴走しがちになります。何より恐いものがなければホラーもミステリも楽しめないわけで。ほどほどに弱いところもあるのが、人間としてちょうどいいんじゃないかと思います。

[一日三報]
[CNN] ハダカデバネズミ、酸素がなくても18分間生存 医学への応用にも期待

どう見ても弱そうなのに実は強いことで近ごろ注目を集めているハダカデバネズミさん。
そもそも弱い動物は進化の途中で淘汰されるものなので、生き残っているからには何か理由があるのでしょう。
体内の栄養を使うことで呼吸を抑えて生き延びられるという方法は、クジラなどの海洋哺乳類も使っているとか。
オサガメなんかはそれで5か月も息を止めていられると言われています。
陸上哺乳類ではその必要がないので使いませんが、たぶん素養はあるのでしょうね。

[ITmedia] 「犬の毛を踏むと、2倍滑りやすい」 脱臼や骨折の恐れも 北里大など実験

イグノーベル賞ねらい臭い実験。
でもこれは分かる。しかも座敷犬の飼っている家って、妙にフローリングが多いような気もします。
「犬用の靴ブランド」というのも、なかなか興味深い。
お犬様も大変です。

[ロイター] 米バージニア州で「猫の毛を剃る」誘拐、警察が捜査に乗り出す

猫の下腹部の毛を剃る事件。
猫もお腹の手術や避妊手術の際には剃られますが、それと何か関係があるのか。
毛のない猫のお腹は、なんかピンク色でぽよぽよしていて、面白かわいいものです。
もしやそれが狙いか、破廉恥な。