the shadow of silver
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8月29日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
インドで信仰されているヒンドゥー教には、ガネーシャという神がいる。ゾウの頭にヒトの体を持ち、逸話としては母パールヴァティーの浴室で見張りをしていた際に、帰宅した父シヴァの入室を拒んだために首を切り落とされたので、代わりにゾウの首を付けたということだ。

ガネーシャはコミカルな外見とともに、商売や学問の御利益があるとして特に人気が高い神だ。土産物の店では絵画や像が多く売られており、ある意味インドのシンボルとも言える存在になっているだろう。それもあって、実際に生息するインドゾウも神の使いとして親しまれてきた。

そんなインドでは今月11日、15人の死者を出した「殺人ゾウ」が射殺されたと報じられた。ゾウは今年の3月に4人を踏み付けて死亡させたあと、他へと移ってさらに11人の命を奪ってきたらしい。元来ゾウは賢く心優しい動物だが、食料を求めて家屋をなぎ倒し、人間を恐れるあまりに襲うこともある。人間よりも遥かに大きくて重い動物だ。近づくだけでも危険だろう。

その6日後の17日、奈良では農業への被害を理由に、国の天然記念物「奈良のシカ」を捕獲し殺処分したと報じられた。奈良のシカも神の使いとして親しまれており、県ではマスコット的な役割も果たしている動物だ。一方で周辺地域の農作物への被害は深刻化しており、もう何年も渡って対策が検討され続けていた問題でもあった。

「奈良のシカ駆除」のニュースはインパクトがあったらしく、SNSでも多く人が意見していた。賛否はともかく、悩ましいのは、ある日いきなり邪魔になって駆除した風に思われてしまうことだろう。そんな単純な問題ではない。世間にはそんなニュースも多くあるのだろうなと思った次第だ。

インドのゾウ被害は、人口拡大により森林が減少したことで、人間と野生動物との距離が縮まっている状況も背景にあるらしい。奈良のシカも野生動物ゆえに数を増やし、柵も設けられないゆえに農作物に被害をもたらしてきた。人間と動物との共存共栄は難しい。しかし動物側に解決方法は出せないのだから、これは人間の使命とも言える問題だろう。神の使いはそれも見ているのかもしれない。

[一日三報]
[CNN] 潜水艦乗艦後に行方不明の記者、切断遺体で発見 デンマーク

以前紹介したニュースの続報。
江戸川乱歩の短編ミステリ的な事件。
目的のためには手段を選ばなかったのか、手段のために目的を選ばなかったのか。
気になるところです。

[Gigazine] 中国政府がネット掲示版への書き込みに実名登録を義務づけへ

13億人の統制を取るにはこんな方法しかないのだろうか。
ただ、この対応には反対ですが、日本のようにネットは匿名と「思い過ぎている」人が多いのも問題じゃないかと。
ネットは悪い人がいるから気をつよう、ではなく、こっそり悪いことをしてもバレるから気をつけようと教えたほうがいいと思います。

[ロイター] 「ロボット導師」が読経、葬儀業界の見本市で展示

ロボット和尚は神仏の加護を得られるか。
人間には到達し得ない解脱の境地に達するか、あるいは、もうお葬式とかいらないんじゃね? と思われるか。



8月22日(火)
[本日の独言(ひとこと)]


先日に三重県の神島(かみしま)へと日帰りの旅に行った。
神島は鳥羽市の西、伊勢湾口にある小さな離島だ。三島由紀夫の名作「潮騒」の舞台として知られており、三島も島に滞在し映画のロケ地にもなった。

私が島に行ったのは『聖地巡礼』ではなく、単に夏だから島に行きたい、という理由だ。鳥羽港から定期便があり、フェリーで40分程度で到着する。フェリーの中は席にも着けない超満員で驚いたが、半分ほどは途中にある大きな答志島で降りて行った。それでも残り半分は神島へ行くことになるが、見ればどうも様子がおかしい。観光地でもない島に行くにしては赤子や子供連れが多く、しかも大きなスーツケースや段ボール箱などまで持ち込んでいる。当日は8月13日だったので、どうやら帰省のために向かっているのだと分かった。

神島に到着すると多くの島民が出迎えてくれたが、これは観光客にではなく、島へ帰ってきた家族への歓迎だった。港近くには夏祭りの設営も行われており、なるほど今日は年に数回、島民が大勢集まる日だったのかと知った。都市の夏祭りなら観光客も詰めかけて盛り上がるものだが、ここはあくまで島民だけのお祭りなので、私は場違いなよそ者でしかなかった。優しげな島の老人に笑顔を向けられたが、後で「あれはどこの家の息子やったか?」と言われていたかもしれない。できるだけ邪魔をしないように歩き回った。

島は周囲3.9キロしかなく、コンビニはおろか観光客が利用できる店は一軒もない。港近くに食堂があったが、これも盆休みなのか閉店していた。三島由紀夫はパチンコ店がないという理由で小説の舞台にしたそうだが、素朴で昔ながらの生活を残す島の風景は、なぜか懐かしくもあり私も大いに気に入った。特に私は奈良生まれゆえか、海や島への憧れが強い。こんな島に暮らして、日々魚を捕ったり、物書きをしていたら幸せだろうなと、どうせすぐ飽きる癖に夢を抱かずにはいられないのだ。

なお「潮騒」のロケ地も今や昔。文学碑などは建っているが、訪れる人も少なく、美しい景色以外には見どころもない。所々に廃墟も残る少し寂しげで穏やかな島だが、そういう雰囲気が好きな人にはお薦めだろう。雨が降ると悲惨なので晴れた日がいい。ただ8月はさすがに暑すぎた。

[一日三報]
[WIRED] Netflixの世界戦略を「アニメ」に見た──独自作品の配信を強化する本当の理由

アニメの業界、特にアニメーターの厳しい実情はネットでもよく話題になりますが、そろそろその傾向も改善されそうです。
その代わり従来のアニメ製作会社は危機に陥るかもしれません。
しかし相変わらず、どうしてこういうことが日本の業界ではできないのだろうか。

[産経新聞] 下半身ツイッター、生徒個人情報書類遺棄…滋賀県立高の教諭をわいせつ陳列罪などで略式起訴 飲酒運転事故も

下半身ツイッターという謎のパワーワード。
まあ大体、ツイッターは下半身で動いているものです。
子供を指導する先生なんて、時代錯誤で頭の固いモラル屋くらいでちょうどいいと思うのですが、どうか。

[MdN] 日本HP、VRにも適した鞄のように背負って使えるデスクトップPCを発売

今日の欲しいけどいらない物。
このクソ暑い時期に発表したのは、どういう判断か。
背中の温度が80℃くらいになりそうです。
VRでカチカチ山体験か。



8月15日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
レイ・ブラッドベリの名作「火星年代記」では、火星人は地球人が持ち込んだ水疱瘡によって絶滅の憂き目に遭った。この発想は突飛なものではなく、外から入り込んできた者が、従来そこに住んでいた者たちに意図せず多大な被害をもたらすことは世界史によくある事件のひとつだろう。大航海時代に西欧諸国が、結果的に伝染病を世界に広めてしまったことは知られている。HIVやエボラウィルスも、人類が未開の地へと足を踏み込んだために接触してしまったという話もある。(諸説あり)

先日のニュースによると、農作物を食い荒らす害虫として知られる日本在来種のコガネムシ「マメコガネ」がスイス南部のティチーノ州で初めて確認されたという発表があった。隣接するイタリア北部にまで生息していたものが地球温暖化の影響で北上したとみられるそうだ。

マメコガネは体長10ミリ程度の小さなコガネムシだ。1910年代に日本から輸出されたアヤメの球根に付いていた幼虫が北米に上陸し、天敵のいない当地で大繁殖して農作物に甚大な被害ともたらした。お陰で「ジャパニーズ・ビートル」という不名誉な通称で呼ばれるまでに至った。欧州では2014年にイタリア北部ロンバルディア州で発見されたが繁殖は防げず、今後も生息範囲が拡大する恐れがあるようだ。

日本では今夏、外来種であるヒアリの侵入が話題になったが、貿易大国の日本から世界各地へともたらされた外来種も数多く存在する。奈良公園にも棲息しているニホンジカも、かつて人為的に輸入されたスコットランドで大繁殖して、自然や住民を大いに悩ませているそうだ。

ちなみにエドガー・アラン・ポーの名作「黄金虫」に登場するのは架空の昆虫であり、日本のものとは全く関係がない。不気味なドクロ模様を持つ昆虫は、カミキリムシとコメツキムシの特徴を合わせて設定したものだとか。

[一日三報]
[AFP] 手作り潜水艦の所有者を殺人罪で起訴、沈没で女性不明 デンマーク

ミステリ事件のようでとても興味深いが、現実の出来事なので憶測で語るのは控えたい。

[産経新聞] 静岡県浜松市の「直虎ちゃん」公式ツイッター 一度もつぶやかぬまま閉鎖に

なりすまし対策のためにアカウントを所得したが、キャラ設定がまとまらなかったので閉鎖。
これ、もしツイッターのアカウントが有料だったとしたら、結構な問題になっていたかも。
どこかのグルメサイトもそうだけど、登録がタダゆえの弊害もありそう。
むかし紳士録商法ってあったよね。

[ロイター] 「空飛ぶスパゲッティ教会」、ドイツ裁判所が公告掲示を禁止

みんな大好きスパゲッティ・モンスター教。
『原告は宗教団体としても、常識的な世界観を持つ集団としても認められない』との判決。
じゃあキリスト教や仏教はなぜ認められるのか? という話になるわけで。
面白い活動です。



8月8日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
「IoTって顔文字だと思ってたわ」は日経新聞の広告ネタですが、世間では次第に、そして着実に家電製品を中心にIoT化が進んでいます。Internet of Things、モノのインターネットと呼ばれるトレンドです。

中でも近頃は冷蔵庫のIoT化が注目されており、あの広いドアの板面をどう使おうかとメーカー各社は思案しています。古くは、あるいは今も、あのドアは買い物の覚え書きや家族への連絡事項を書いたメモ用紙をマグネットで貼り付けるのが定番です。それならタブレット端末を組み込んで手持ちのスマートフォンと相互通信できるようにすればいい。ついでにレシピも調べられたりスーパーの広告も見られたりできればいいよね、というのが誰にでも分かるIoTの発想です。

メーカーの期待としてはさらに一歩進んで、冷蔵庫内の食材のストックを確認できたり、賞味期限を表示できたり、ついでに足りない食材はその場で注文できるようにもしたいとか。夢のような話ですが、例えば食材に共通のタグを付けるようにして、冷蔵庫に入れる前にタブレットに読み込ませておけばあるいは可能な技術だと思います。政治家さんや団体さんが頑張って、家電業界と食品業界の連携がうまく取れたら、そんな時代が来るかもしれません。また利権と忖度の温床になりそうですが。

しかしIoTにはセキュリティの課題も多く、今後はハッキングやウィルスの被害にも対策を迫られることになりそうです。サンフランシスコではインターネットに接続された水槽を侵入口に、北米のカジノのネットワークに不正アクセスされた事件が発生しています。水槽にはインターネットに接続して自動的に魚に餌を与え、快適な環境を保つ機能が搭載されていたそうです。それがどうしてカジノのネットワークに繋がったのかまでは説明されていませんでしたが、まあ絶対に起こりえない話でもないでしょう。お金持ち、ハイテク水槽、カジノへのハッキング。スパイ映画の光景が目に浮かびます。

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一人暮らしのある女が、鍵の掛かった家の中で殺害されていた。当日に訪問客はなく、数か月前に同じ宅で友人たちとパーティをした限りだった。一体、犯人はどうやって家に侵入したのか?
実はそのパーティの席で、友人の一人が家の冷蔵庫をハッキングし、家中のネットワークに入り込んでいたのだ。そして当日、犯人は外部からネットワークにアクセスして、家の電子ロックを解除、女を殺害して、帰りに再び外から電子ロックをかけて逃げていたのだ。
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そんなミステリも現実味を帯びて語られる日が来るかもしれません。

[一日三報]
[Internet Watch] Wi-Fiサービスの利用規約に隠されたトンデモ条件、気付いたユーザーは2万2000人のうちたった1人

以前にも紹介した「利用規約の書類、大半の利用者は読んでいない問題」の検証実験。
知らないうちに契約を結んでいて大変なことになるかもしれません。
とはいえ、読ませる気もない長い文章を読んで覚えておけというのも無理な話。
結局、信用できる相手かどうかというイメージに頼るしかなく、たぶんそれで正しいのだと思います。
スマホのアプリとか、特にヤバいよ。

[ITmedia] AIでさい銭泥棒を察知 「寺社仏閣特化」の監視カメラ

中川いさみの漫画に「サイセンド・ロボ」ってのがいました。
あっちはお賽銭を取るほうでしたが。
仏像の破壊や盗難もありますが、疑念を捨て善意をモットーとする宗教施設ではセキュリティもやりにくそうです。
でも悪人には世俗の罰が有効です。ついでにビーム攻撃も付けようぜ。

[CNN] ピーナツバターで12人脱獄、最後の1人捕まる 米

ピーナッツバターの油を使って鉄格子を腐食させたのか、と思いきや、もっと手っ取り早い方法でした。
「彼らは、我々や刑務所で働く人々をだますためにすべての時間を費やしている」は、なかなかの名言。



8月1日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
親が携帯電話を新しくしたというので、サポートを含めて触らせてもらった。
キャリアはau、機種はGRATINA 4G KYF31。京セラ製で、いわゆるガラスマと呼ばれているものだ。

ガラスマというのはガラパゴス・スマートフォンの略で、アンドロイドOSなどスマートフォン向けの汎用プラットフォームに、日本独自の進化を遂げたガラパゴスケータイ(フィーチャー・フォン)の操作性を組み込んだ物だ。簡単に言うとスマホベースのガラケー。従来の使い方に慣れたユーザーに優しく、開発側もガラケーを見限ってスマホからの派生としてカスタマイズできるので助かる仕様だ。なお本物のガラパゴス諸島では普及していないので、そろそろ怒られるんじゃないかと思う。

そんなガラスマだが、触ってみるとスマホ特有の小難しさもなく、できないことはできないとスッパリ諦めも付くので、案外と使いやすそうにも感じられた。画面も小さくウェブページも見辛く、アプリもそのままでは限られた物しかインストールできないが、それはそれで余計な誘惑に駆られることもなく、ツールとして最適化されている気がした。これなら歩きスマホをするほどのめり込む心配もない。ちなみにワンセグも搭載されており、これはこれで久しぶりに触れたオモチャのようで楽しい気分になれた。

スマホの高性能化と爆発的な普及によって私たちの日常は便利で楽しくもなった。一方で使い方は複雑になり、誘惑も増えて、騒々しくなったようにも思う。古いSF小説で、近未来はラジオやテレビの普及により、家の中までヒステリックな宣伝だらけになるぞと脅していたが、今はそれも手の内、目の前で展開されるようになった。まあ私の場合はパソコンもあるので、情報端末はガラスマのように制限だらけで充分かもしれないと思った次第だ。

そんなこと言いつつも、結局は新しもの好きだから、また最新機種を手に入れては一人で勝手に気忙しくしてしまうのだろうけど。

[一日三報]
[産経新聞] 自らぶつかって修理代請求…「スマホ当たり屋」にご用心

[CNN] スマホ見ながらの道路横断に罰金、米ホノルルで条例成立

これは自動車の普及以来の、世界規模の社会問題ではないだろうか。
個人の思いとしては、歩きスマホと夜道での自転車の無灯火は、車ではねても罪を問われないようにして欲しい。
他人の怪我なんて知ったこっちゃないけど、本当に危ないよ。

[ITmedia] Adobe、「Flash」を2020年末に終了へ

いよいよ来たかという印象。
終了はもう少し先の話ですが、今さら新しく作る人もいなくなるでしょう。
インターネットの一時代を築き、一般人による動画投稿の一躍を担ったツールです。
色々とタイミングを逸した感がありますな。

[AFP] AIは恩恵か災いか マスク、ザッカーバーグ両氏が舌戦

「AIは人類に繁栄をもたらすものだ!」
「いや、AIは人類を破滅へと導くものだ!」
「しかしこの流れはもう止まらない」
「しかし悪の手に渡してはならない」
「だから適切に管理すべきだ」
「そして容易には扱えないようにすべきだ」
「「俺たち以外は!!」」