the shadow of silver
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11月28日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
イノシシなどの野生動物が農園に侵入して畑を荒らす獣害被害の対策として、天敵となるオオカミの尿やライオンの糞を撒いて忌避効果を促すという方法がある。夜行性で鼻が前に突き出たイノシシなどは視覚よりも嗅覚に頼って行動している。肉食獣の匂いがあれば危険を察して近付かないだろう、という、とても分かりやすい仕組みだ。

ところが昨今の研究によると、オオカミの尿やライオンの糞に忌避効果はなく、オオカミの尿を吸収させたワラですらイノシシは平然と摂食することが分かった。野生動物たちは匂いがする程度では怯まないらしい。だから巷に出回っている同様の効果を謳う薬剤も役に立たず、人間の思い込みを利用して売られているようだ。

一方、それとは別の話になるが、イギリスの科学誌に掲載された論文によると、哺乳動物の血液から発生する成分「E2D」の臭気が、オオカミなど肉食動物には捕獲欲をかきたて、その他の動物には忌避を促す効果があることが分かったそうだ。簡単に言うと、血の臭いを嗅ぐと捕食する側の動物は興奮し、捕食される側の動物は警戒するということだ。

この捕食される側には、ネズミなどとともに人間も含まれている。人間は今でこそ肉食動物たちを自由に殺し、あるいは保護しているが、元は食われる側だった。それを覚えていなくても、血の臭いで嫌な気持ちになるのは想像できるだろう。なお「E2D」は血液に金属臭を付与する成分であり、しかも、1兆分の1以下の極めて低い濃度でも人間は検知できるそうだ。

研究ではイノシシやシカなどの獣については言及されていないが、同じ食われる側としては同様の効果を発揮する可能性が高いだろう。動物の本能を刺激する匂いは、尿よりも血のほうが有効かもしれない。研究が進み、新たな害獣忌避剤が開発されることを期待したい。でも血の臭いがする畑はちょっと恐いか。

[一日三報]
[ロイター] 「バーチャル墓」にお参りを、土地不足の香港で新事業登場

まあ、死後の世界もバーチャル・リアリティ(仮想現実)みたいなものですし。
むしろ全人類がこのシステムを使えば「死後の世界」が具現化できるような気もします。
とりあえず私が死んだらこんなんで充分です。
遺影をタップしたら笑顔になるとか。

[読売新聞] 桁違いのスピード「量子コンピューター」試作機

凄そうだけどよく分からない感じ。
あまり世界でも話題になっていないところを見ると、人類待望の物とはちょっと違う物なのか。
量子コンピューターという言葉が一人歩きしているのかもしれません。
なんとこれ一台に200万個もの量子が! みたいな。

[ITmedia] 大和ハウスが“Googleハウス”を提案、AI・IoTで住宅はどう変わるのか

便利そうですが人生の全情報を取られるモルモットになりそうです。
それはそれで便利か。



11月21日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
以前に聞いた話だが、奈良市のとある病院には、外国人から「奈良公園の鹿に噛まれた。狂犬病に罹っていないか検査して欲しい」という問い合わせがたまにあるそうだ。動物に噛まれたら狂犬病になる、というのは今の日本ではほとんど心配もされないが、外国によっては発症するケースも多く、恐怖を感じる人もいるようだ。馬鹿馬鹿しい話だが、なかなか捨て置けない事態かもしれない。私がどこか南の国へ行って野犬に噛まれたとすると、現地の人が大丈夫、問題ないと笑って言っても多分信じないだろう。なお奈良公園の鹿は野生なので感染症対策はされていないが、狂犬病などに罹ったという事例は千年間で一度もないそうだ。

私は時々、SNSなどで奈良公園で撮影した鹿の写真を投稿している。SNSといえば飼い猫や飼い犬の写真を投稿する場所だが、猫も犬も飼っていないので見るたびに羨ましい気持ちになっていた。それで近所に(そう近くもないが)たくさんいる鹿を撮影して投稿することにした。今では鹿の生態もよく分かるようになり愛着も湧いてきた。だからあそこにいる鹿はもう私の飼い鹿のようなものだ。多分そんな勘違いをしているお爺さんなんかも多いと思う。

奈良公園の鹿を見て思うのは、その人間との距離の近さだろう。大人の雄鹿となると眼前まで近付いても寝そべったままで、触っても気にしない。鹿せんべいを与えても寝たままで食べる有様だ。人懐っこいのではない。犬のように遊んで欲しくて寄ってくることはない。餌を見ると寄ってくるが、それ以外は隣にいても知らんぷりをする。ただ圧倒的に近いのだ。

それでも子鹿のころはほとんど寄って来ず、母鹿も監視の目を光らせている。しかしその背中の鹿の子模様が消えるころには、度胸が付くのか慣れるのか、動じなくなるようだ。親の行動や周囲の様子を観察している内に、人間とは襲わずに餌をくれるだけの賑やかな動物だと知るのだろう。訓練や躾を与えなくても自然とそうなる環境ができあがっているのは感心する。人間の子供も環境によって性格が変わることもあるのだろうと思った。

なお奈良公園の鹿がいくら人に近いといっても、どうしても人に馴染まない鹿、怯えるがゆえに攻撃的になる鹿もいる。あまり油断しないようご注意を。

[一日三報]
[WIRED] ボストン・ダイナミクスのヒト型ロボットが、なんと「バク宙」するまでに進化した

モーター音がサイバーで素敵。
昔、すごくてキモいことで話題になったBigDogのメーカーが着実に進化した製品を作り続けています。
「お金回しの孫さん」に買われて、潤沢な開発資金が得られたのかも。
「ロボットかけっこ」ができるまで、あと一歩です。

[AFP] 「最後の1人まで戦う」 採掘業者迫るアマゾンで矢を研ぐ先住民

ネットショップではなくリアル熱帯雨林の話。
でもまあ、どちらもあまり変わらないかも。
平準化、標準化というのは、便利で効率が良くて幸せに繋がるものかもしれないけれど。
こうして失われてゆく「それ以外」も沢山あるんでしょうね。

[CNN] ローマ法王、ミサでの携帯電話使用に苦言 信者と司教らに

こういうことをちゃんと言ってくれる人は大切な存在だと思ったり。
みんなほとんど、スマホ教の信者になっているしね。



11月14日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
近頃は毎日のようにオリンピックという言葉を耳にしている気がする。
2020年に東京で開催されることもあるが、来年の2月には韓国で冬期オリンピックが開催されることもあって、連日どちらかのオリンピックが話題になっている。そこにサッカーのワールドカップや他スポーツの世界大会も絡んでくるので、毎年、毎月、色んな部門で大騒ぎしているように感じている。

世界大会といえば世界一、そして記録の更新が注目を集めるが、最近の傾向では世界記録の更新が困難になりつつあるらしい。特にシンプルな陸上競技では人体の限界が見えつつあるらしく、2016年のリオデジャネイロオリンピックの陸上競技では、男子400メートルと女子1万メートルの2種目しか世界記録が更新されなかったそうだ。最もシンプルで知名度の高い世界記録とえば、2009年にウサイン・ボルトが100メートル走でマークした9秒58があるが、それも8年間破られておらず、現役競技者の様子を見ても、ここしばらくは出現するようには思えないだろう。あとはルールを変えるか遺伝子操作でクローン・ウサイン・ボルトを作るしかないかもしれない。そういえばオリンピックの禁止項目に遺伝子操作は含まれているのだろうか。

一方、人間とは違ってロボットの分野では記録の更新が続いている。AIの進化で将棋や囲碁の勝利が話題になっているが、運動分野においても様々な研究開発が進んでいるようだ。日本でも景気が上向きになってきたお陰か、再び二足歩行ロボットなどを作ろうとする企業も現れている。歩く、止まる、曲がる、物を掴む、投げる、受け取る。その様子には赤子の成長を見るような驚きと感動がある。恐らく、軍事利用という名目が使えないのでそんな方向でしかアプローチできないこともあるのだろう。それならそれで、世界に先駆けて、より人間っぽく動くロボットを開発して欲しいと思う。

そして業界が成熟した暁には、運動能力に特化した世界大会、ロボット・オリンピックを開催してもらいたい。従来のロボットならではの性能を競わせるのではなく、人型ロボットに人間のオリンピックと同じ競技を行わせるのだ。きっと最初の頃世界は記録のラッシュが続いてで楽しいことになるだろう。ゆくゆくは100メートルを3秒でゴールするようになるかもしれないが。

[一日三報]
[産経新聞] 地球史に「千葉時代」誕生へ 日本初の地質年代名、国際審査でイタリア破る

「イタリアを破る」って表現はどうかと思いますが、まあ、こういうのも勝ち負けなんでしょうね。
とはいえ、これでもし日本が沈んだり千葉県がなくなったりしても「千葉時代」という名称は残ります。
そもそも千葉ってどういう意味? と思った人は、各自ググること。
とりあえず地元の人は「地層ケーキ」でも売り出して便乗商売してはどうかと。

[PCWatch] iPhone Xの顔認識「Face ID」が3Dプリントのマスクで突破される

いわゆるルパン三世風マスク。
アゴの下からベリベリめくって、あ~ばよ、とっつぁ~んというアレです。
顔面の形状や凹凸によって見分けるので、人の目では明らかにマスクだと分かっても、機械は騙せるかもしれません。
そもそもスマホにこんな機能いるのかしら。

[毎日新聞] 災害救助犬の「やる気」把握 サイバースーツ開発

ゲーム世代の私としては「体力」や「やる気」の可視化は興味深い。
犬だけでなく人にも適用できれば自己の健康管理にも繋がりそうです。
あるいは社員のモチベーション管理にも。
「奴隷の首輪」みたいにも思えますが、疲れたと言えない言わない世の中ですから。
社長さん、油断していると死なれちゃうよ。



11月7日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
ツバメの雛が口を大きく開ける姿は季節になるとよく見かける。健気に口を開けて餌をねだる姿は、たとえ親鳥でなくても心に来るものがあるだろう。親鳥は愛する我が雛のため、毎日懸命に餌を探し回っては与え続けている。かくも美しき親子愛の光景だ。

しかし学術的な見地に立つと、これが親子の愛情によるものと判断するのは難しい。実は雛が口を開けるのは餌を待ち構えているのではなく、正確には口内の黄色や赤色を親鳥に見せて「給餌行動」という本能を刺激しているからだ。親鳥はその色を見ると矢も楯もたまらず餌を獲って与えたくなるらしい。そこに思考の入る余地は存在しないのだ。

親鳥が一切何も考えていないというのは、例えば口を開いていないと雛がいたとしても、親鳥はその雛を無視して他の雛に餌を与え続けることからも分かる。人間のように無理矢理にでも開かせて食べ物を詰め込むという行為は行わない。また同じように口を開けていても、より大きくて色が鮮やかな雛を優先させている。当然、餌を与えられない雛は餓死する。どの子も仲良く平等にという気持ちは全くないようだ。

生存競争の過程を考えると、この行為は正しいとも言える。口を開かない雛は健康上に問題を抱えており、口の大きく開ける元気な雛はしっかりと成長して生き延びる可能性が高いからだ。それを逆手に取って、カッコウなどは他の親鳥に卵を預けて雛を育てさせる托卵(たくらん)という行動を取る。生まれた雛は他の雛よりも必ず大きくなるよう仕組まれているので、親鳥は優先的に他鳥の雛を育て続けることになるのだ。

最近の研究によると、人間の母親は泣いている自分の赤ちゃんを見ると「抱き上げて話しかける」という反応を示す傾向にあるらしい。興味深いのは世界中どの母親も同じ行動を取り、脳内の特定の部位が活性化していることが分かるそうだ。研究者は「母親は自分の経験に基づき、わずか数か月間で、赤ちゃんの泣き声に特に敏感に反応するよう自分の脳を形成している。恐らく育児中のホルモン変化によるものだ」と語っている。これは人間の本能を示すものであると同時に、成人期以降も脳が成長し続けることを示す発見にも繋がるようだ。

親鳥が雛の口内を見て刺激を受けるように、母親も赤ちゃんの姿を見て、思考以前の行動を促されても不思議ではない。その辺りは研究するまでもなく、母子の行動を観察していると容易に想像がつくだろう。一方で、人間は本能を抑えて思考を優先させることに慣れている。母性本能を意識しすぎて母親のプレッシャーにならないよう配慮も必要だろう。

研究では語られていなかったが、父親にもその刺激が有効かどうかも気になるところだ。父親の脳には何の影響を及ぼさないとすれば、それはそれで寂しいものかもしれない。

[一日三報]
[毎日新聞] カブトムシ 「角の謎」分かった 名古屋大など発表

今日の昆虫。
これは何気にもの凄い発見なのでは。
細胞が増殖するのではなく、丸めたストローの袋みたいになっていたとは。
サナギって不思議。今後の研究にも注目したい。

[産経新聞] ピラミッドに未知の巨大空間 名古屋大などの素粒子観測で判明、新たな遺物発見に期待

今日のエジプト。
てっきり全部解析されているものと思っていましたが、謎はまだまだありそうです。
面倒だから上から石を取っていけば、とはいかないようです。

[AFP] 「ライカ」乗せた衛星打ち上げから60年、現在の宇宙実験は小動物が中心

今日の宇宙。
ただ死ぬために送られた、偉大なワンちゃん。
人道的な理由か動物愛護的な理由か、近頃はもっと小さな動物で済ませられているらしい。
でも普通に考えたら、やっぱり人間を使うほうが一番正しいのではないかと。
人類本位の目的だし、人間を使ったほうが良質なデータも取れるし。
たとえ死ぬと分かっていても、喜んで行きたがる人も多いと思います。
動物が可哀想、ではなく、行きたい奴を行かせたらいいじゃないかと。