the shadow of silver
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12月26日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
12月25日は私の誕生日だ。1977年生まれなので40歳になる。自分が40歳になるなど思ってもいなかった。なぜならイカした作家もミュージシャンも大体は20代か30代で夭折するからだ。そうでなくとも、あまり体が丈夫ではないから長生きできないと思っていた。ところが丈夫ではないと日々自覚し続けてきた結果、健康と体調に気を遣うようになり、かえって以前よりも元気になってしまった。思うに、世の人々は自分の体を過信していると思う。

『四十にして惑わずと申しますが、相も変わらず迷い惑う日々を送っております』というのは、40歳を迎えた人が言う定番の台詞だ。しかしよくよく考えてみると、私はそんなに遜るほど迷っても惑ってもいない気がする。作家をしていると10代の瑞々しい感情と、80代の老成した感情が同居しているように錯覚するのだ。だから40歳の自分も、あくまでそういうキャラとして、大勢いる中の一人として受け入れているだけのようだ。40歳になろうとも、10代の自分や80代の自分には何の関係もない。多分、自分の人生を真剣に歩んでいないのだろう。

『40歳まで贅沢をしてはならない。商売は人に負けぬよう儲けを第一に考えよ。賭けの遊びは無用。碁や将棋、謡いや舞いは40歳までしてはいけない』 江戸時代の博多商人、島井宗室はそう言っている。当時の40歳といえばもう老境に入っているだろうから、要は老いて引退するまでは遊ぶなということだ。残念ながらこの名言を知ったのはつい先日なので、私はもう色々と手遅れになっている。せめて逆に、40歳からは真面目に働こうと思う。今はそんな心境だ。

本年も弊著ならびに当サイトをお読みいただきありがとうございました。
来年も面白い小説が次々と刊行できるよう、執筆に励んで参ります。
何卒よろしくお願い申し上げます。

[一日三報]
[GIGAZINE] Googleが今年一年の世相を反映する「2017年Google検索ランキング」を発表

[ロイター] 読者が選ぶ 2017年の10大ニュース

例年通り、あっと言う間に過ぎた間はありますが、それでも色々な出来事があったようです。
世間の関心に重きを置くと、テレビや新聞で報じられる10大ニュースよりは正確な調査だろうと思います。
個人的には「忖度」という言葉自体に悪い印象を持つ風潮になったのが興味深いです。
言葉もどこで貶められるか分かったもんじゃないですね。

[CNN] ダイエット・コークを1日12本、トランプ氏に専門家が懸念

アメリカと世界はこの人に振り回された一年でもありました。
健康不安と言いますが、71歳であのバイタリティを持てるなら、むしろコーラは体に良いと見るべきだと思いますが、どうか。

[毎日新聞] ポケモンGOイベントで生態系に負荷か

意外とまだやっている人は多いようです。
ゲームの内容的にもイベント的にも中高年向けの感が強くなっていますが。
それでも若者以外にスマホゲームの拡大を図ったものとすれば、業界的にも任天堂的にも大成功なのではないでしょうか。
それはそれとして、バーチャルなキャラが間接的にも現実の生態系に影響を与えているというのは興味深いです。
そのうち逆転現象が起きて、僕らは荒野でバーチャ動物園を楽しむようになるかも。



12月19日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
前回に引き続きですが、このたび無事に新刊が発売されましたので改めて告知いたします。
なお前回、発売日を12月14日としておりましたが、予定日より数日遅延いたしましたことをお詫び申し上げます。
というか、私が印刷して書店に並べている訳ではないので、現場の事情はよく分からないのですが、すいません。

今回の作品もいつも通りのちょっと変なミステリですが、その中で長年書きたかったテーマのひとつを盛り込むよう苦心いたしました。それが「主人公の窺い知らないところで進行する物語」というものです。

大抵の小説は、当然ながら主人公が中心となって物語が進行します。事件が起きる、誰かと出会う、恋愛が始まる、異世界に飛ばされる。それに対して主人公が行動を起こし状況を変えていく。いわば波風のない平坦な湖面に落とした石のような波紋の広がりを展開していきます。

今回の作品はそれとは視点を変えて、どこかで落ちた石が起こした波紋の広がりを受ける立場の人間を主人公にしました。事件は起きますが、それは自分の知らないところで起きており、自分はどうすることもできない立場にいます。ミステリでいうとワトソンではなく、ホームズでもなく、容疑者でもない、通りすがりのイギリス人あたりを主人公にするつもりで書きました。

そんな彼ら、ひいては私たち自身が事件に遭遇したらどうするだろうか。どうしようもない現実にどう向き合うだろうかという物語です。とまあ、おかしなことを書いていますが、内容自体はシンプルで読みやすい作品となっていますので、余計なことは考えずにお楽しみいただけたら幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

[一日三報]
[AFP] ノーベル賞作家の作品送ってみたら…全出版社がボツに ファンが「実験」

まあ、そういうもんよね。
そして私もこの作者の作品は知りませんが、下読みした出版社の人が誰も知らないという状況も問題なのでは。
日本の某出版社の編集者さんが、実は最近の新人(ごく一部)は普段から全然小説を読んでいない、という話を聞いて驚いたのを思い出しました。

[東京新聞] 「電話が怖い」若者たち(上) 「まずメール」 仕事に支障も

弊著「へたれ探偵」の柔井くんも電話が苦手です。
そして私も長年にわたって、受けるのも掛けるのも嫌いです。
ようやくそんな話が新聞にも載るようになったのかと思いました。
でも結論としては、諦めろとしか言えないかなと。
だってお仕事だもん、君はその程度の立場だもん。
電話は取らないから、と宣言しても認めてもらえる立場になるまで頑張ろう。

[産経新聞] バブル「私をスキーに連れてって」今年で30周年 JR東、ブーム再来狙う

毎年のように雪山へスノーボードに出かけている私に言わせると、こんな宣伝をしている段階ではまだまだブームは遠いなと思います。
ボウリングブームの白黒写真を出して、誰が行きたくなるかと。
とはいえ全国各地のスキー場の老朽化は、見るにつけ残念に思っています。
一番残念なのは、経営側の多くが未だバブルの思い出を引きずっているということ。
思い切って方向転回しないとダメでしょうね。



12月12日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
お待たせしました、新刊の案内です。
詳細情報や書影はまた後日UPします。

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『君が何度死んでも』

著者:椙本孝思
発行:アルファポリス
価格:600円+税
12月14日発売予定(※刊行は配送のタイミングにより前後します)

(あらすじ)-------------------------------

今度は必ず君を救う。
目の前で何度も死にゆく君は一体、誰なんだ?
謎は謎のまま絶望の30分が繰り返される。

21歳の会社員・市岡守琉(いちおかまもる)は重病の父親を見舞った帰り、自宅マンションの吹き抜けを転落していく女性を目撃する。助けようとエレベーターで下へ降りるが、なぜか1階へは到着せず、代わりに30分前に遡っていた。何が起きたのか分からぬまま自宅へと戻ると、今度は女性が自分の部屋で死んでいる。しかもその手には守琉の写真が……
この見知らぬ女性は、自分に会いに来たのか? 何のために? 君は一体、誰なんだ?
謎を突き止めるため、そして彼女を救うため、守琉は再びエレベーターに乗り込んだ。

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女性が殺されると知った主人公が、殺される前に謎を解いて救おうとする変則的なミステリです。
よろしければご購読くださいませ。

[一日三報]
[AFP] 大統領はヒーロー? ロシアで「スーパープーチン」展

私はロシアのユーモアもなかなか侮れないと思っています。
旧ソ連時代から何となく恐くて寒くて厳めしいイメージもありますが、その厳格な土壌で育まれたシニカルなセンスはもっと世界に広めるべきだと思います。
スーパープーチンのようなジョークもしかり。
ジョークだよね?

[GIGAZINE] 「レーニンは死ぬ前にキノコになった」というデマはなぜ本当に多くの人に信じられたのか?

私はロシアのユーモアもなかなか侮れないと思っています。(2回目)
行き過ぎたプロバカンダと抑圧的な政治の結果、常識を忘れてニュースを全面的に信じるようになったのかもしれません。
なぜあんな政治家にみんな従うのか、なぜ国民を飢えさせてでもミサイルを作る指導者に逆らわないのか。
こういうところに答えがあるような気もします。

[CNN] 「犬は猫よりも賢い」、国際研究で結論 神経細胞数を計測

2億5000万対、4億2900万。
ちなみに人間は210億くらい、一部のイルカは372億とか。
そして私がいつもその社会性に感心しているミツバチやアリは、大脳皮質がないので0です。(大脳皮質以外の神経細胞はある)
賢さってなんだろうと思う次第です。



12月5日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
今年の10月19日にハワイ大学の天文台が観測した天体「A/2017 U1」はその後の調査により世界の天文学者たちを興奮させる事実が判明した。それはこの岩石と氷の天体が、太陽系外から飛来して恒星間を移動する天体として史上初めて観測されたと分かったからだ。

恒星間を移動する天体というのは、要するに太陽の引力に捕らわれずに移動する星のことだ。「オウムアムア」と名付けられたこの天体を調査していた研究者は、それがあまりに高速で移動していることを確認して、太陽の引力でも捕えられないことを見つけた。つまりオウムアムアは太陽に引かれて来たのではなく、偶然太陽の近くを通過しただけなのだ。観測結果の解析はまだ続いているが、現在オウムアムアはもう地上の望遠鏡からは見えないところまで遠ざかっている。そしてもう二度と太陽系の近くへ来ることはないそうだ。

ちなみにオウムアムアのもう一つ興奮させる事実として、これが長さ180~400メートル、幅40メートルほどと考えられる、非常に珍しい「葉巻型」の形状だということだ。宇宙から来た葉巻型の物体となるとすぐに思いつくのが「葉巻型UFO」だろう。アダムスキー型と双璧をなす伝統的なUFOの形状だ。それ受けてオカルト界隈では、早速オウムアムアは太陽系外からやって来た宇宙人のUFOだと確実視されているようだ。

なおオウムアムアとは、ハワイの言葉で「遠方からの最初の使者」すなわち「斥候」という意味らしい。なんと天文学者たちは既にこの天体の正体を知っていたのだ。二度と太陽系の近くへ来ることはないと書いたが、もしかするとそれは見当違いかもしれない。来年には大船団を引き連れて地球の上空まで戻って来る可能性もあるだろう。

[一日三報]
[読売新聞] ボイジャー1号のエンジン、37年ぶり噴射成功

みんな大好きボイジャー1号。
こちらは来るのではなく行くほう。
200億キロも離れた所にある機械と通信できることにも驚きです。
長い年月の末、その表面にまとわりついた塵が岩石となり、ブラックホールでタイムトラベルして、やがては再び地球に戻ってくるかもしれません。
そうかオウムアムアはボイジャー1号だったのか。

[ITmedia] 歩くと後ろをついてくる“自走式”スーツケース、日本上陸 来年発売

以前に紹介したクラウドファンディングの製品が実際に販売されるらしい。
弊著「幻双城事件」でも似たような物を登場させました。
みんな考えることは大体同じかもしれない。
でも実際の使用シーンを思い浮かべると、あっさりパクられそうな気もしたり、あるいはテロリストに自走式スーツケース爆弾として使われそうな気もしたり。
その辺は対策しているのでしょうか。

[CNN] 伝説の雪男「イエティ」、実はクマだった? 米研究

知ってた速報。
それでも雪男は人々の心の中で生き続けると思います。
なんにせよ「枯れ尾花」よりは危険な存在です。
次はヒバゴンだな。