the shadow of silver
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4月24日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
私が小学生のころ「雨を浴びると頭が禿げる」という噂が飛び交っていた。
化石燃料から排出される煙や、工場や自動車からの排気ガスにより雨が酸性化し、地球に深刻なダメージを与えるという理由だ。それで頭が禿げるというのもおかしな話だが、そこは小学生の発想だから仕方がない。原爆の恐怖と悲劇を描いた今村昇平監督の名作「黒い雨」が公開されたこともあって、「雨は危ない」という認識が広まったのだろうと思う。

振り返るとあの頃はなぜか過剰に酸性雨の危険性が訴えられていたと思う。テレビでも枯れた山の木々や崩れたコンクリートの建築物や汚染された川に浮かぶ魚の様子などがしきりと報道されていた。何か裏があったのか。恐怖心を煽って誰かが儲かる仕組みでもあったのではないかと疑ってしまう。今では酸性雨という言葉すら死語になりそうなほど誰も伝えず、忘れ去られてしまっている。排ガス規制などで環境改善は進んだとはいえ、雨の酸性値が劇的に下がったという話もない。しかし何十年後の今日も山は青々と茂り、川は静流をたたえ、私の頭髪もまだ持ちこたえている。

今月9日(米国時間)、IT企業の大手アップルは世界43カ国にまたがる全ての拠点において、再生可能エネルギー100%での運営の達成を発表した。(製造に関しては未達成)再生エネルギーというのは太陽光や風力や地熱といった、地球環境に負担をかけず永続的に利用できるエネルギーのことだ。一店舗や一工場での実現は他でもよく聞かれるが、世界的な企業での達成は驚くべき功績だろう。なお土地の少ない日本では困難を極めたが、300ものビルの屋上に太陽光発電パネルを設置することで賄うことができたそうだ。

アップルの活動は素晴らしい。ただ時価総額世界一の大企業が、大金を投じてようやく実現したことだから、その他一般企業ではなかなか真似できるものではないだろう。「環境問題」そのものが死語になる日は、多分来ないだろうが、自然は危ない!と子供たちが思わない日が来ることは目指して欲しい。

[一日三報]
[朝日新聞] 素数ゼミ、221年に1度の交雑確認 大発生の謎に迫る

今日の昆虫。
こういった昆虫の、集団で一つの個性を生み出す様子にはいつも驚かされる。
長大な自然の営みに比べたら、100年200年って全然大した長さじゃないんだろうね。

[AFP] 敵を道連れにする「自爆アリ」の複数種 ボルネオ島で発見

今日の昆虫。
こういった昆虫の、集団で一つの個性を生み出す様子にはいつも驚かされる。
なんかもう白血球とか、キラー細胞みたいなものかもしれない。
「ばくだんアリ」ってドラクエのモンスターにいそうね。

[CNN] 光る植物を電球代わりに? 研究進む植物ナノバイオニクスの世界

ファンタジー世界のように。
そのうち色とりどりに光るキノコとか、歌う花とかも出てくるかも。
まあそのうちエネルギーを求めて人間を食ったりするんだろうけど、どうせ



4月17日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
父方の祖母は私が二歳くらいの頃に亡くなったらしく、私自身は遺影以外の姿も知らなければ思い出も全くない。お陰で周囲からはあんなに可愛がってもらったのにと言われても、はあそうですかとしか答えようがなかった。振り返ればあの暖かな掌は、といった小説的な印象を伝えることもできるが、正直言うと、申し訳ないことに全く何も覚えていないのだ。

子どもは大体三歳くらいまでは赤子の頃の思い出を語るが、それ以降はまるで覚えていないように振る舞う子が多い。フロイトが幼児期健忘と名付けたこの体験はきっと誰にでもあることだろう。最近の研究によると、この現象は忘れるのではなく、脳が発達する際に記憶の構造がすっかりと作り替えられてしまうことにあるらしい。コンピューターのOSをアップデートするように、システムが優秀になる代わりに古いデータは破棄されるようだ。

記憶というのは曖昧なもので、私などは物事を十年ほどしか覚えていない。小中学生の頃のことなどほとんど記憶になく、たぶん他人より物覚えが悪いと自覚している。他人の顔や名前を覚えるのも苦手で、初対面より二回目に会うほうが不安になる。待ち合わせをしてもどんな顔だったが思い出せないからだ。何かしらのハンデを負っているのではないかと思うほどだが、単純に興味がないだけかもしれない。ちなみに良いことも悪いことも記憶が薄いので楽観的に生きられるメリットはあると思う。

最近はもう自分の記憶を信用していないので、大切なことは全てメモに控えるようにしている。小説を書く際にも記憶に頼らず調べるようにしているので、それはそれで勘違いがなく役立つことも多い。実は昔に書いた自著の内容も忘れがちなので、読者の方に指摘されると、そんなの書いたっけと思うこともあるほどだ。いや、書いている時は超・真剣なのだが。覚えないと決めつけたほうが、覚えなきゃと思い込むよりも楽だ。

[一日三報]
[GIGAZINE] テレビ放送をジャックして宇宙人からのメッセージを届けた「Vrillon」とは?

今日のオカルト。
古き良き宇宙人からのメッセージ。
妖怪しかり、VHSのビデオテープを再生したらブラウン管のテレビからオバケが出てくるホラーもしかり、こういう手法は結構ナマモノだと思う。
今ならやっぱりスマホかしら、でもみんな疑い深いから。

[AFP] 中国の「おくりびと」、遺体修復に3Dプリント活用 山東省

遺体に化粧を施したり、事故で損傷した遺体を葬儀のために修復することを、死化粧やエンバーミングという。
3Dプリントは世の中を変えると思っていたが、こんなところにも活用されるとは思わなかった。
そのうち遺体そのものを3Dプリントしてミステリのトリックにも使われるかも。
でも実はあの死体は3Dプリントだったのだ!とか言われると、ちょっと興醒め。

[ナショジオ] チンパンジーが好きな肉は脳? 初期人類も同様か

中国とかフランスとかだと料理に出されることもある食材。
でも脂肪分が高いから現代人は珍味で食べるくらいにしておかないといけないとか。
むかし「バタリアン」ってコメディホラーに出ていたゾンビは、人間の脳を欲しがっていた。
ちなみに最後はミサイルで全滅させるという恒例の爆破オチだった。



4月10日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
アメリカのディズニーパークが、Googleストリートビューに対応した。
フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートと、カリフォルニアのディズニーランド・リゾートをGoogleマップ上でタップすると、その地点を360度眺め回して移動もできるようになっている。当然アトラクションは体験できないが、実際にテーマパークを歩いているような感覚が楽しめる。なお東京のディズニーランドは非対応のため中を覗くことはできない。

この対応はディズニーパーク側としてもかなり思い切った決断のように思う。およそ遊園地というものは遊具に限らず、入場料を支払って入る敷地全てが商品という感覚で運営されているからだ。それを無料で公開した上に、ストリートビューという、実際に歩いているような感覚が持てるシステムを取り入れることは、いわばタダで客を入れるようなものだろう。まあ、それでも客は来る、むしろアピールになるという強気の判断なのだろうが、世間の小さな遊園地ではとても真似できない振る舞いのように思えた。いや、世間の小さな遊園地も近頃はめっきり少なくなったが。

インターネットやストリートビューのお陰で、近頃の世界中の名所も秘境も簡単に検索・閲覧できるようになった。もうスフィンクスもエッフェル塔も奈良の大仏も、現物は知らなくても見飽きた気分になっているだろう。それでも実際に足を運ぶとまるで違う体験が得られる、というのは分かっているが、演劇の舞台はおろか映画館ですら客足が減っているのも現実だ。私などは出不精の上にインターネットとともに大人になった世代なので、以前よりもさらに腰が重くなった気がしている。

一説によるとインターネットの普及により自宅で過ごす人間が増加したため地球規模における一人あたりのエネルギー消費量は減少傾向にあるという。移動しないのでガソリンも消費せず、家庭内の電力も省エネ化が進んでいるので地球への負担は少なくなっているという話だ。もっとも人口増加は続いており、荷物の配送も増えているので、トータルとしての負担は増えているが、自宅でスマホをいじって一日を終えていれば省エネには違いないだろう。

そのうちディズニーパークも完全VR化となり、現実には存在しないテーマパークでみんなが遊ぶという時代が来るかもしれない。そうなると人はもう全く動かなくなり、ヘッドセットを付けて栄養剤を送り込まれながら生き続けることになるだろう。映画「マトリックス」のような世界だ。あの作品の不満点は、機械側を邪悪に描き過ぎたところにある。まあ、皆がそれで幸せならお話にもならないが。

[一日三報]
[CNN] パスワードはもう古い? 生体認証に切り替える企業が増加

[産経新聞] アプリで交際相手監視の疑い 就寝中に指紋でロック解除

今日の2コマオチ。
まあ一般人のセキュリティにおいて最も脅威なのは身近な人な訳で。
結局どうやっても抜け道はあるもので、一番のセキュリティはスマホやセキュリティの仕組みに詳しくなるということかもしれない。
あと悪いことはしないとか。

[ナショジオ] いつも誰かに見られている、超監視社会ロンドン

元を辿れば、シャーロック・ホームズのお膝元ゆえに、監視の意識が高いのかもしれない。
一方で日本がやたらと地域の繋がりで防犯を勧めるのも、八百八町の井戸端会議にあるのかも。

[GIGAZINE] 記憶を利用することで偽薬でも本当の薬以上の効果が期待できると科学者が指摘

「病気は気合いで治せ!」と言う人がいるのは、結局、その人は本当に気合いで治している部分があるからかも。
「この水でガンが治る!」「信心で克服できる!」というのもそう。
だからなかなか難しい。
疑い深い私は、ただ科学と薬物に頼るのみです。



4月3日(火)
[本日の独言(ひとこと)]
先週はほぼ一週間、寝床で過ごす羽目になった。
先々週あたりから妙に食欲がなくなり、胃腸の調子が悪いと思っていたら、月曜日になって刺すような痛みとともに盛大な下痢を催してしまった。単なる下痢ならやり過ごすつもりでいたが、血が混じり始めたのでいよいよ心配になり病院へ駆け込んだ。

病院へ行っても治るはずもなく、散々待たされた挙げ句によく分からない説明を受けて、とりあえず点滴を受けて帰宅した。その後も腹痛と下痢は治まらず、翌日にはとうとう血液そのものが排泄されるという異常事態に。ああ、こりゃ死ぬなと思っているうちに何とか持ち直して、今は小康状態を保つまでには回復した。

病院の診断が曖昧だったのでインターネットで調べてみたところ、どうやら腸管出血性大腸菌感染症に掛かっていたようだ。分かりやすく言うとO-157で有名な食中毒だ。特徴は前触れのない強烈な腹痛と多大な血便、嘔吐はなく、発熱も少ない。まさに私の症状にぴったりだった。(その後の診断でO-26と判明した)

食中毒の治療方法は、とにかく安静にして水分を大量に摂取して胃腸を洗い流すしかない。止瀉薬(下痢止め)は菌やウィルスを留めてしまうので用いないほうがいいというものだ。だからひたすら激痛に耐えながら水を飲んで寝ているしかない。私はこの一週間で夏休みの運動部なみのスポーツドリンクを摂取した。毎日がぶがぶ飲んでいたコーヒーが一滴も飲まなくなったのは驚きだった。

食中毒になった原因はよく分からない。潜伏期間が長いので特定が難しいらしいが、それでも生肉など怪しい食品を摂ったとも思えず、周りの人間も他に誰も倒れていなかった。結局こういうのは運と体調に寄るものなのだろう。ちょうど長い作品を仕上げたので気が緩んでいたのかもしれない。お陰でさらに次の作品の締め切りを遅らせる羽目になった。

アントニオ猪木ではないが、元気で健康というのは何物にも代え難いと、病気になるたびに思う。私は小説家に必要なのは、才能や語彙力よりも、元気、やる気、根気の小学校みたいな三要素だと思っている。元気がなければまず書けない、やる気がなければ何も書けない、根気がなければ書き終えられない。ただもうそれだけ、後は何とでもなる。元気でなければホラーも書けない。皆さまも体調だけは本当にお気をつけください。

[一日三報]
[GIGAZINE] エイプリルフールに便乗しているサイトまとめ2018年版

毎年恒例のネタ。
エイプリルフールほどインターネットのお陰で復権したイベントはないと思う。
でも以前のように個人の悪ふざけは減り、企業がプロモーションを兼ねて取り組むのが当たり前のようになったのはちょっと残念。
そうなると途端に冷めてしまうもので。
中でも今のご時世、新聞社なのにフェイクニュースを打ち出した大分合同新聞は評価したい。

[デイリー] 腸の動きまねロケット燃料製造 JAXA、効率良く安全に

腸炎になって内臓が過敏になっていたころ、口から水を飲むと、食道を通って胃へと流れ着き、さらに腸へと下っていって中でグルグル動くさまが驚くほどよく体感できた。
もちろん意識して動かすものでもなく、自然に反応していくものなのだ。
腸の活動は本当に凄い。できれば痛みなく処理して欲しい。

[読売新聞] ブタ体内で人間の臓器作る研究、今秋にも解禁

SF小説の近未来設定でお馴染みの展開。
ミステリでもそういう話があった気がするが、なんだったのか思い出せない。
実は飼っていた豚が人間だったとか、そういうトリックが生まれるか。
僕らは未来に生きている。