the shadow of silver
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2月26日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
先日、中学生の男子と話をする機会があった。サッカー部に所属している彼によると、いま野球部の部員はわずか6人しかおらず、隣の中学校の野球部とメンバーを揃えて試合に出ているそうだ。少子化により全体の生徒数が激減していることもあるが、野球をやる子供たちも相当減っているらしい。ちなみに彼の中学校で一番部員が多いのはバドミントン部だそうだ。

そんな話を別の日に、同世代で元高校球児の出版担当者に話したところ、最近はボールを投げられない子も多いという話を聞いた。それはつかんだボールを手放せないという話ではなく、両手を大きく振りかぶって、片足を上げて一歩またぐようにして、肩・肘・手首を連動させてボールを放つという、一連の投球フォームができないということだ。近所の広場で野球をやることもなければ、テレビで野球中継を観ることもなくなったからだろう。

私はハッキリ言って驚異的な運動音痴であり、特に球技は何一つ上手にできない。しかし、それでも野球のルールは知っているし、飛ばないボールも投げられるし、当たらないバットも振れる。それはかつて近所の子らと野球の真似事をして遊んでいたことと、テレビのナイター中継をよく観ていたからだろう。丸選手はあまり知らないが、原監督はよく知っている。ボールの投げ方も打ち方も、冷静に見ると極めて分かり難い野球のルールも、わざわざ習うことなく自然と身に付けたものだった。

私よりさらに上の世代になると、やけにプロレスに詳しい人も多い。さして興味もなければ会場へ足を運ぶこともないのに、ボディスラムやバックドロップやジャーマン・スープレックスの技を知っている。それもかつてはゴールデンタイムに放映されていたテレビのプロレス中継を観ていた人たちが多いからだろう。少し後になるが漫画のキン肉マンが流行った理由も、皆がプロレスのルールをよく知っていたからだろう。長州小力が人気者になったのも、小太りの兄ちゃんのキャラクターだけでなく、オリジナルの長州力を知っている人たち(西口プロレスからのファン)の後押しも大きかったに違いない。

インターネットの普及とメディア業界の怠慢により、テレビの影響力は落ちつつあると言われているが、それでもスポーツ界にとってはテレビで放映されるかどうかは、存続を左右するほど重要なことなのだろう。来年の東京オリンピックの前後でまた人気のスポーツに変化があるかもしれない。近頃はフィギュアスケートや卓球を習う子供たちも多いらしく、中学校では卓球部に所属していた私としてはやや得意気な気持ちだ。でも私の頃は21点3ゲーム制だった。

[一日三報]
[GIgazine] フランスでライトセーバーでのフェンシングが正式競技に、その名も「ライトセーバー・デュエリング」

今日のフェンシング。
日本でもメダリストの太田雄貴さんが協会の会長になって色々と盛り上げようとしているようで。
こんな風に暗い場所でやる競技があっても面白いかもしれない。

[BBC] 生きていた……世界最大のハチを発見 インドネシア

今日の昆虫。
古代にはこんなのがウヨウヨしていたのだろうなと思うと。
"Megachile"とあるので『オオハキリバチ』の一種らしい。ミツバチやスズメバチほど好戦的ではないが、それでも刺されたら穴が空きそうです。

[産経新聞] 世界初「アンドロイド観音」 京都・高台寺

今日のデウス・エクス・マキナ(機械じかけの神)もしくはメタトロン。
罰当たりにも見えるけど、元々仏像だってそんなものですし。
将来的にはこんな風に、ロボに面倒を見てもらいたいという気もしたり。
でも観音様ならもう少し美人に作ってほしいところ。


2月19日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
インターネット上で他人の漫画を勝手にアップロードして公開する、いわゆる海賊版サイトへの対策強化として、今月13日に違法ダウンロードの対象を拡大する方針が、文化審議会の著作権分科会で了承された。

これまで違法ダウンロードの対象は、無断に投稿された音楽と動画(映画やテレビなど)に限られていたが、これからは静止画(漫画やイラストなど)も加わり、それらが表示された画面のスクリーンショット・スナップショットもダウンロードに含まれることになった。

もちろん対象となるのは、他者が著作権を有するコンテンツであり、一個人がブログなどに掲載している写真画像や、企業などが宣伝や紹介を目的に公開している画像をダウンロードするのは、不許可の但し書きがなければ違法ではない。海賊版サイトにアップロードされている漫画をダウンロード、販売、再掲載、さらに閲覧すること自体も違法とする方針だ。動画でいう『映画泥棒』、音楽でいう『JASRAC』の方針が静止画にも適用される感じだろう。

著作権を守る上では必要なことだが、それはそれとして、ネットの自由が制限されかねない話ではあると思う。厳密に言うと、漫画の1ページ、1コマでも画面に表示された時点で、パソコンやスマホの一時保存領域に画像がダウンロードされている状況なので、これも違法といえば違法になるわけだ。

もちろんそんなことで出版社や著作権所有者が法的侵害を訴えることはないだろうが、ネットにおられる多くの自称・正義の味方たちが、気に入らない相手を貶める目的で警察や出版社に通報する可能性がある。ツイッターに『この漫画最高!』と撮影した数コマの写真を掲載すれば、掲載者もリツイートも『いいね!』を付けた人も、まとめて違法と責められかねないだろう。警察も出版社も法律違反を武器に訴えられれば無視しないわけにもいかなくなる。巡り巡って、ネット内に自粛するムードが高まれば、作品が注目される機会を失うことにもなりかねないだろう。

ごく一部の悪い人たちのせいで、大勢の良い人たちが不便を被るというのは、インターネットに限らず法治国家で絶えず起きる話だ。黎明期からこの世界に没入して、過去にも漫画やら何やらのコマ画像を掲載しては散々ネタに
してきた私としては、偉そうには言えないが、面倒くさい世の中になりつつあるなと感じている。ちなみにこの方針は漫画に限らず、小説や雑誌、写真、論文、コンピュータープログラムなどにも適用されるらしい。そのうち小説のワンフレーズを引用しただけで訴えられるようになるかもしれない。

ぶっちゃけ、多分こんなルールができたところで、違法アップロード・ダウンロードはなくならず、自称・正義の味方たちの憂さ晴らしが蔓延するだけだと思う。

[一日三報]
[ロイター] 英国人が最も幸福なのは10代と定年時期=統計分析

10代は無知と親のお陰で、定年時期は諦めと子のお陰でそう感じる人が多いのでは。
現実社会に立ち向かっている、働き盛りの人たちが幸福を感じられないのは問題ではあるが当然でもあるかなと。
余計なことを知らず、考えずにいれば気楽でいられるのは、そうかも。

[CNN] 太古の巨大ザメ、メガロドン ホオジロザメに敗れ絶滅か

イヌとオオカミ、ネコとライオン・トラの状況を見れば分かる話か。
動物が繁栄する要因は攻撃力ではなく、雑食性で人間と付き合えるかどうか。
身の程を知れ、はあると思う。

[ナショジオ] 揺れない“幻の地震”が発生か、50日継続、トルコ

こういう現象をうまく操って、巨大地震を回避できないものかしらね。


2月12日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
ケン・リュウの短編『心智五行』に腸内細菌の話があった。未来、遠くの惑星に不時着した女性宇宙飛行士が、その星の人々(実は昔の地球人)に助けられて現地の食物を摂る内に、衛生観念から排除されていた腸内細菌を取り戻すことで人間的な心(丹田)を甦らせたという内容だ。

『腸内フローラ』という言葉が流行りだしているが、腸内細菌の活動は想像以上に私たちの体、特に脳内活動に影響を与えているらしい。最近の発表ではうつ病を発症させる要因の一つとも見られているとか。それは単に、お腹が痛いと気持ちが暗くなるという程度のものではないようだ。

しかしそれも考えてみれば当たり前のことで、コアラが有毒なユーカリの葉を食べて生きているのも腸内細菌が無毒化しているからだし、パンダが栄養価の低い笹だけを食べて生きていけるのも腸内細菌が適切に分解しているからだ。昆虫の中には外部から毒を取り入れて身を守る種類もあるし、逆に寄生虫などに脳を操られて利用される場合もあるようだ。

昆虫の場合は、見た目通りに脳も小さく機能も限定的だが、実は体中に神経節が枝分かれをしており、脳で考える以上の行動が取れる。神経節の反応というのは、熱したフライパンに触れて手を引っ込める脊髄反射のようなものだが、人間の脳内活動もいわばこれらの反射を複雑にしたものに過ぎないだろう。昆虫も動物もそうなのだから、人間もまた腸内細菌の活動が脳に影響を与えると考えるのは普通のことだ。

しかしそうなると、先の小説の話のように、腸内細菌を全く持たない人間がいるとすれば、果たしてその者はどのような性格になるのだろうか。また腸内細菌を持っていたとしても、病気や怪我で腸を使わずに生活を行っている人、これは大勢おられるが、その人たちに性格の変化はあるのだろうか。研究が行われているかどうかは知らないが、気になるところだ。

ちなみに私は昨年、病原性大腸菌とやらに罹って、恐らく腸内細菌の大半が死滅・排出されたと思われるが、その後も特に性格が変わった様子もなく、他人から指摘されることもなかった。結局、病気前も病気後も食生活に変わりがないので元に戻っただけなのか。せっかくなので病気後はもっと変わったものを食べ続けてみれば良かったと思う。それどころでもなかったけど。

[一日三報]
[読売新聞] 4000万人が方向オンチ?なぜ、迷うのか

私は特に方向オンチとは思っていないが、世の中には本当に迷いまくる人がいる。
しかしその人たちと自分との違いについてはよく分からない。
ただなんとなくだが、自分は平気と過信している人が多いような気がしている。
あとは、どれだけ人に頼って生きてきたか、連れ合いや友達に任せてきたかという点もありそう。
つまり賑やかで友達の多い人気者ほど方向オンチが多いのではないか。
いつも一人で行動して、他人に道を聞くこともできない俺やお前らは心配ないってこった。

[INTERNET Watch] 自分から電話して自分で口座番号を教えてしまう“リバースヴィッシング詐欺”とは?

今日の盲点。
言われてみれば、確かにGoogleの店案内は怪しい。
毎度毎度、色々な詐欺が現れるなと思いつつ。
しかし、やっぱりインターネッツは老人や初心者には扱いにくい世界だと思う。

[講談社ブルーバックス] ミトコンドリア・イブは全人類の母ではなかった

パラサイト・イブという小説もありましたが。
まあ、それはそうだろうとも思ったり。
とはいえ人類皆兄弟を否定するものでもないかと。
ただそれは、地球は家族、動物皆兄弟、虫もぼくらの兄弟ってレベルかと。
どこまで遡るか、ぼくらも元は海の藻屑みたいなもんだったわけで。


2月5日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
最近は少なくなった気もするが、以前は海外製のお菓子や家電製品の取扱説明書におかしな日本語が使われていることがよくあった。特に中国からの安価な輸入品で、主語や述語がバラバラだったり、『~せよ』と急に命令口調になったり、『~で御座います』と古い小説のように書かれていたり。いわゆる機械翻訳(しかも精度の低い)を使って記述したのが分かる文章がよく使われていた。

中でも特に目立つのがフォントの使いかた。日本製品か日本で作られた取扱説明書は、特に取り決めはないが大体は角の四角いゴシック体で記述されている。しかし海外の取扱説明書は日本語のフォントがあまりないのか、字体が細くて『はらい』の目立つ明朝体で記述されているものが多くある。さらに読みやすいように字間を詰める機能もないので文字がパラパラに見えてしまう。読点の使い方も不慣れなので(・)で区切られていることも多い。お陰で中身を読まなくても一目で海外製品だと分かることもしばしばだ。

もっとも、日本から輸出している製品の取扱説明書にも英語や中国語に怪しいところがあるので、他国のことばかりは言えない。意味は分かるが普通はこういう書き方はしない、こんなフォントは使わないというのは、他言語圏の間でいつまでも残り続ける違和感なのだろう。

先頃カナダではそのフォントに関する疑問から文書の偽造が発覚したというニュースがあった。2009年に倒産したカナダの通信会社の元CEOの資産を巡る裁判で、証拠として提出された1995年と2004年付の文書がそれぞれ『Cambria』フォントと『Calibri』フォントが使用されていた。しかし実はいずれのフォントも2007年にWindows VistaとOffice 2007が発売されるまで一般には出回っていないものだった、ということだ。

似たような事件では2017年にパキスタンのナワズ・シャリフ首相が最高裁判所へ提出した文書の問題がある。パナマ文書に関連した捜査において身の潔白を証明するために提出したものだが、2006年付の文書にもかかわらず同じく2007年に登場した『Calibri』フォントが使用されていたというものだ。

さらに遡って、フォントに関する疑惑として有名なものに『キリアン文書事件』がある。これは2004年に発覚したものだが、かつてジョージ・W・ブッシュ元大統領がベトナム戦争の徴兵を逃れるために、父親(ジョージ・H・W・ブッシュ)の権力を使って訓練や健康診断を免除したり、評価に手心を加えるよう上層部から圧力がかかったことを記した文書のことだ。ブッシュ氏が州兵時代だった時の上官キリアン中佐によるものとされていた。

ところが専門家によるフォントを検証した結果、32年前(当時)に書かれた米軍の覚書が一般的に使用されていたタイプライターによるものではなく、Microsoft Wordで記述された可能性が高いと分かった。なおWordの初版は1983年で当時から21年前であった。

見慣れたものであるがゆえに、わずかな違和感にも鋭敏に察知できる。偽造工作でも初歩的なミスを犯してしまう。フォントに関心を持つと、文字を読む楽しみ方がまた増えることだろう。気になって逃れられなくなる危うさもあるが。

[一日三報]
[ITmedia] 街で見かける「あの文字」はフォントじゃないかもしれない? フォントと書体の“あるある”勘違い

今日のフォント。
デザイナーさんは目に映る景色をCMYK分解できて、自分でフォントを作れるようになって一人前だと私は思っています。

[ロイター] 「デジタル麻薬」にはまる子どもたち、米国で問題化

結局、昔はテレビが好きな人、音楽が好きな人、漫画が好きな人、ゲームが好きな人、スポーツが好きな人、アウトドアが好きな人と、それぞれ分かれて取り組んでいたことが、今は全部スマホが好きな人でまとまっちゃったからヤバげに見えるんだろうなと思う。
トイレに行きたいけどゲームから離れられないという状況はよく体験していた。漏らしていないけど。

[CNN] 「クマが一緒にいてくれた」 行方不明の男児を森で発見

多分、こういう事実があって、神話やおとぎ話が生まれるのだと思う。
怪談にならなくて良かったね。