the shadow of silver
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8月27日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
毎年この時期になると、奈良公園では一つの風物詩が見られる。それが『鹿の夕涼み』の光景だ。場所は奈良公園の中心にある国立博物館そばの換気口。芝生の中に網の張られた穴が開いているのだが、夕方になると公園の鹿たちがなぜかそこに集まってくつろぎ始めるのだ。

その理由はどうやら換気口から吐き出される冷気によるものらしい。国立博物館は地下に回廊があり、換気口からはそこからの風が地上へ排出されている。それがちょうどいい具合らしく鹿が集まってくるそうだ。なお日中は日射しが強く、観光客も多く、食事もしなければならないので集まることはないようだ。

興味深いのは、鹿にこういった行動が見られるようになったのはごく近年になってかららしい。私も奈良公園へは何度となく訪れているが、確かに昔はこんなことをしていなかった。換気口がいつ作られたのかは知らないが、急に集まるようになったのはどういう訳だろう。ここ数年の猛暑が影響しているような気もしている。

宮崎県の幸島には世界でも珍しく芋を洗う猿がいる。泥の付いた芋を海水で洗うと綺麗になって塩味もついて食べやすくなるからだろう。海の近くに住む猿は他の地方にも存在するが、芋を洗う猿はこの場所にしかいない。彼らは動物的な本能に起因する習性ではなく、偶然見つけた行動を文化として子々孫々に受け継いでいるようだ。

奈良公園の鹿が換気口に集まるのも本能を超えた文化の印象が感じられる。その場合、鹿同士はどのような形でコミュニケーションを取って情報を広めて受け継いでいるのだろうか。人に近い猿ならなんとなく分かるが、鹿にそこまでの能力があるのだろうか。そもそも野生の鹿はあそこまで群れることは少ないので、その時点でかなり特殊な環境にあるらしい。観察していくと新たな発見があるんじゃないかと思っている。

ちなみに幸島の猿といえば『百匹目の猿』という有名な学説がある。幸島の芋を洗う猿が百匹目(仮)まで広まると、なんと場所を隔てた大分県の高崎山の猿にも同様の現象が見られるようになったという説だ。行動の伝播と進化の不思議を語るものとして世界で大いに有名になったが、後に真っ赤な嘘と発覚している。

[一日三報]
[読売新聞] シヤチハタが痴漢対策スタンプ…500個限定で試験販売

満員電車に乗らない私としては、毎朝老若男女が狭い箱の中にぎゅうぎゅう詰め込まれて、否が応でも密着させられるのに、触ったとか触っていないとかいう話になって、手に安全ピンを押してやろうスタンプを押してやろう、それは傷害事件だ冤罪被害だって言い争うのって、なんだか不思議なことをやっているなと思うわけで。
どう考えても利用客に不安と不快感を与えている鉄道会社に問題があると思うのですが、そこれは仕方がないで納得するのかしら。

[WIRED] タッチ操作は使いにくかった? 米海軍が駆逐艦の操作を“アナログ”に戻す決断の教訓

これは世代間の問題なのか、人体の感覚における問題なのか。
でもやっぱり、発進でグイーンとやったり、発射でポチッとしたいものか。
船の舵や自動車のハンドルも似たようなものかも。

[毎日新聞] 政府、20年度に「宇宙作戦隊」を新設

今日のがっかり。
宇宙作戦隊なのに、スペース・オペレーション・フォースなのに。
戦う相手が違うだろと。
なぜ地球人同士で争うのかと。


8月20日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
2000年近く前の古代ローマの遺跡からジョークが書かれた鉄筆が発見されたらしい。鉄筆というのは鉄でできた鉛筆のようなペンで、それを使って木の板に文字を書いたり、薄くロウを塗った書字板に文字を刻むための道具だ。ジョークはその鉄筆の側面、鉛筆でいうとメーカー名やHBや2Bなどと書かれている部分に刻まれていた。

”私は都市からやって来ました。あなたに贈り物があります。”
”私のことを忘れないように、この尖った物(鉄筆)を差し上げます。”
”もし私に幸運だったら、もっとたくさんの贈り物があげられたのに。”
”この長い道のりと空っぽの財布に免じてどうか許してくださいね。”

要するに、ここへ来るまでの道のりが大変だったから、あなたへのお土産は鉄筆くらいしかありません、という意味だ。弁明とも社交辞令ともジョークとも取れる文言だが、いずれにしても当時の人も案外と自由な思考で生活を営んでいたことが分かるだろう。

ジョークといえば、以前に英国の学術研究者達がジョークの起源を調査したことがあった。それによると世界最古のジョークは約4000年前にイラクの南部で語られていた文言で、いわく『太古の昔から、ありえないものは?』『夫の膝の上でおならをしたことのない若妻』だそうだ。なかなか笑いどころを探るのは難しいが、意外性や権力者への反抗心などが暗示されているのもジョークの特徴らしい。古代エジプトでは、いわく『退屈しているファラオを楽しませるには、どうしたらいい?』『ファラオを釣りに行かせるのさ。船に漁網だけを身につけた美女を満載してね』というジョークがあったらしい。英国最古のジョークでは、いわく『男性の太ももにぶらさがっていて、何度でも『穴』を突き回すものは何?』『答えは、鍵』らしい。最古かどうかは知らないが、ジョークの起源が下ネタにあるのは間違いないようだ。

ちなみに日本の古典を探っても下ネタにまつわる話は満載だ。有名なところでは平安時代に編纂された今昔物語集にある『平定文、本院の侍従に仮借する語』だろう。ある貴人が愛しい女性への未練を断つために、彼女の大便を見てやろうと思っておまるを盗んだ。そして中身を覗いてみれば、そこには高貴な香りを漂わせる物体と甘味のある水が入っていた。実は女性は盗まれることを見越して、あらかじめお香の練り物と煮汁にすり替えていたのだ。それを知って貴人はますます彼女に惹かれて、やがて恋に苦しみ死んだ。前文撤回。この国の逸話には、下ネタ以上に奇妙で偏執的な嗜好が窺える。

[一日三報]
[Gigazine] スマホで自撮りするだけで簡単に血圧を測定する技術が開発される

ミステリ陰謀脳の私としては、医療分野への利用よりも警察の捜査や個人の監視に役立てられそうな気もしたり。
こういった技術が発展すると、整形しても犯人が特定できるようになるのかも。

[ITmedia] 呼びかけると遺影が出現、スマート仏壇「コハコ」 コンセプトモデル公開

いよいよ、この世とあの世との仮想通信が行われそうな時代。
パーソナルデータとAIを使えば、自動生成された『それっぽい会話』もできるようになるのでは。
でも、いらないよねぇ、やっぱり。

[AFP] 米NYの不審物騒ぎ、空の炊飯器置いたホームレスの男逮捕

炊飯器というのもご飯を炊く圧力を保持できる製品なので、いわゆる圧力鍋爆弾への転用もできるわけです。
あるいはピッコロ大魔王が解き放たれるのを恐れたのかも。


8月13日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
20年前に『マトリックス』という映画が大ヒットした。ソフトウェア会社に勤務するプログラマーであり天才ハッカーでもある主人公のアンダーソンは、この世界は本当は夢ではないかという妄想に駆られていた。ある時、トリニティという謎の女性やその仲間のモーフィアスという男性に出会い、この世界は、コンピュータによって作られた仮想現実だという事実を知らされる。本当の現実世界はコンピューターに支配されており、人類はカプセルの中で夢を見せられながらエネルギーを吸い取られていたのだ。それを知ったアンダーソンはコンピューターから人類を解放すべく、仮想現実と現実を動き回る世界の救世主として立ち上がった。

新進気鋭のクリエイター、ウォシャウスキー兄弟(現・姉妹)による衝撃的な作品として有名だ。身近になり始めたコンピューター世界をテーマにしたストーリーやVFXを駆使したスタイリッシュな映像表現に、当時からコンピューターに触れてた私もとても面白く鑑賞した記憶がある。この世界は嘘であり、本当の世界はコンピューターに支配されているというネタは、ある意味SF物の定番だが、それを漫画やアニメではなく実写映画として実現できたことに技術の進化を感じた人も多いだろう。振り返るとその時代にピッタリと填まるタイミングで公開された映画だったと思う。10年前でも10年後でも受け入れられなかった可能性が高い。作品がヒットする法則とはそういうものなのだろう。

あれから20年。残念ながら現実は今のところ覆されていないが、仮想現実(VR)の分野は急速な進化を続けている。技術もさることながら、その便利さと収益も見込まれて実用化も次々と行われているようだ。特に取り組まれているのが医療や福祉の分野であり、老人ホームの入居者にVRゴーグルを付けさせて世界旅行を楽しませる企画や、発達障害者に症状の緩和や職業訓練が行えるプログラムなども実施されており、それぞれ一定の成果が得られているようだ。

高齢者も障害者もVRの使用により肉体の不自由さから解放された体験を得ている。その内に健常者へのコンテンツも増えると本格的なVR社会が誕生することだろう。そうなるともう肉体のほうが邪魔なお荷物に思えてくるかもしれない。やがては栄養与えられて健康が保てるなら、あとはVR社会で生きていこうとなって、コンピューターが管理するカプセルに自ら入るようになるかもしれない。誰も不満を抱かないマトリックスの世界が実現するのだ。

[一日三報]
[AFP] 交通渋滞で幸福度低下? 経済発展で環境への影響も ブータン

自称『幸せの国』のブータンのことを思う時、私はいつも『江戸時代の人は現代人より不幸だったか?』『縄文人は現代人より不幸だったか?』と考えてしまう。
庶民の移動手段は徒歩しかなく、労働は過酷で、飢餓と病気に恐れなら生き続ける日々。
私たちの祖先は貧困にあえぎながら、亡霊のような日常を送っていたのだろうか。
たぶん、そんなことはないだろう。
豊かな暮らしは社会的には幸福だが、一個人的には実は不幸を招いているのかもしれない。
とはいえ、もう戻れないわけで、ブータンも。

[共同通信] 「深海魚出現で大地震」は迷信 東海大など、記録で検証

人は人知の及ばない不可解な大事件に遭遇すると、安心を得るために何かしらの理屈で納得しようとするもので。
それが人類の発展へと繋がったが、同時に誤解も山ほど生み出しています。
とはいえ、結局地震のメカニズムも解明できず、いつ起きるかもまだ正確には分からないわけで。
変な魚が出てきたから気をつけようと思うのも、決して間違いじゃない気もします。

[CNN] 「サッカー観戦は健康に良い」、英研究で実証 体に程よい負荷

こういうのを何と言うんだっけ? ごはん論法?
適度な興奮が健康に良いというなら、小説でもアニメでもゲームでもええやんけと。


8月6日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
もう何度となく足を運んでいるが、東京の駅はいつも迷ってしまう。新幹線が到着する東京駅からして複雑で、どう行けばどこに辿り着くのかも分からない。案内板も矢印だらけで構内マップも広すぎる。あれは多分、地方から来た田舎者どもを追い返すために設置されたラビリンスなのだろう。同様に新宿駅でも渋谷駅でも、他の駅でも迷ってしまう。もう面倒だからと二、三駅くらい歩くとえらく疲れて、都会って大変だなと思う始末だ。

そんな駅オンチの私ではあるが、大阪の梅田駅周辺ではほとんど迷ったことがない。インターネットなどによると東京駅と並んで日本屈指の駅ダンジョンと呼ばれているが、道が分からなくなって途方に暮れるような経験はないと言えるだろう。いつもどこかで工事をしていて、訪れるたびに新しい店がオープンしているが、大体こっちだろうと思っていけばそれで目的地に辿り着けるのだ。

結局のところ、迷う迷わないは土地勘の差でしかないのだろう。梅田の場合は目的地の位置関係をしっかりと把握しているので、地下であっても方角さえ分かれば頭の中の地図を頼りにそちらへ向かえる。さらに○○方面といったスポットにも馴染みがあるので、道が複雑になっても迷うことはないのだ。東京駅ではその勘が働かないので、案内板やマップを見ても迷ってしまう。当然、東京に住んでいる人は逆にそう思うだろうし、他の地方の人もしかりだろう。

今年の10月1日より、阪急阪神ホールディングスは、阪急電鉄と阪神電鉄の梅田駅を『大阪梅田駅』に変更するそうだ。土地勘のない人に分かりにくいが、梅田駅とJR大阪駅は近接しており、これまで観光客から梅田駅にいながら「大阪駅ってどこ?」という質問が多かったそうだ。それで『大阪=梅田』の周知徹底を目的に名前を変えるらしい。ちなみに阪急と阪神は今は一つの会社になっているので、どちらの電鉄にも同じルールが適用されるようだ。

というわけで10月1日以降、梅田の近辺は『JR大阪駅』『阪急大阪梅田駅』『阪神大阪梅田駅』『御堂筋線梅田駅』『四ツ橋線西梅田駅』『谷町線東梅田駅』『JR北新地駅』がひしめき合うことになる。私には全く理解できないが、きっと観光客にはとても便利で分かりやすい区別になるのだろう。良かった良かった。道に迷ったら、その辺のおばちゃんに聞くと良いよ。

[一日三報]
[共同新聞] 小惑星が地球にニアミス 25日に、直前まで観測されず

[CNN] 超高層ビル並みの小惑星が地球に接近、衝突の恐れはなし 米NASA

今日の杞憂。
どうせ人類がいくら頑張ったところで、結局のところ小惑星が落ちてくれば回避できないわけで。
つまんないことであれこれ悩むもくだらないだろうと、かえって楽観的にもなれそうです。

[techcrunch] 100万時間の滞空を達成したインターネット接続気球、1カ所に留まれる巧妙な仕組み

100万時間って、百数十年も前から実験してたのかよと思ったら、総計だとか。
つまり100万個を飛ばせば1秒で100万時間になるというトリックでした。
低予算で広範囲をカバーできそうなので実現できたら素敵かも。
でも夜空の景色は少し変わるかもしれません。

[SORAE] 地球に飛んできている強力なガンマ線は「かに星雲」から来ていた

今日のプロレタリア文学。
ちなみに「かに星雲」の由来は、なんだか見た目がカニっぽい、という話らしい。
星座の命名といい、天文学者はどこかおかしいと思います。
かにパルサーを喰らえ。