the shadow of silver
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7月28日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
誰が言ったか知らないが、昔の人が考えていた未来では、人間はみな銀色のタイツに身を包んで、都市ごと覆った透明なドームの中で生活していた。
銀色のタイツは冷暖房が完備されていて、いつでも快適に動き回れる。
ついでに健康状態もチェックできるので体調不良も心配いらない。
ドームの都市は悪化した地球環境を避けるために、排気ガスや紫外線から守ってくれる。
雨風もしのげるのでもう傘も持ち歩かなくてもいい。
その代わり、ドームの外は環境汚染が深刻化した赤い死の荒野となっていた。

そんなディストピアの悪夢は後年になると楽観的に否定されたが、近年ではにわかに現実味を帯びてきた。
人種差別や性差別の観点から、容姿に対する社会的忌避はさらに強くなり、やがては全身すっぽり覆った銀色のタイツを着用するかもしれない。
自然災害と自然環境破壊はさらに苛烈さを増して、防災と自然保護の面でも人間は生活圏内を固定化してドームで覆うようになるかもしれない。
それに加えて、新型コロナウィルスの感染拡大により、生身で人と接触しないこと、不要不急の外出を控えることがスタンダードになってしまった。
人間、命に関わると見栄えも不便も飛び越えられる。
銀色タイツとドーム都市の再評価が始まるのではないだろうか。
かつてと想像と違うのは、ドームの外には人が立ち入れない自然の天国が広がるくらいだ。

とはいえ、人間は社会的にも精神的にも劇的な変化を望まない。
今回のコロナ禍が落ち着けば、人はまた元の生活に戻るだろう。
ただし戻りきらない部分もある。
テレワークはこれまで異常に推進されるだろうし、密集や密接に対してもこれまで以上に避ける心理が生まれるだろう。
今までより、ちょっと未来に近づくのだ。
では銀色タイツとドーム都市は、やはり夢物語で終わるのか。
私は次のタイミングは、月面旅行と火星移住時代に起きると想像している。
結局あの世界は、地球外における未来人の生活スタイルとなるだろう。

[一日三報]
[CNN] その言葉も?、日常の英語表現に見る人種差別的意味合い

こうして言葉も変わってゆく。
昔の言葉や表現の意味が分からなくなるのも、こうして変わってくるからだろう。
とはいえ敵国語指定でもあるまいし、何でもかんでも毛嫌いするのもどうかと。
そのうち焚書運動が起きるかもしれない、というか、もう起きているのかもしれない。

[Nnmber] 自粛で練習が減ったら球速アップ? この夏、高校野球で起きている事。

これを機に選手も指導者も物事の捉え方が変わってきたのかも。
でもこれは一部の天才選手、名監督、常勝チームが、これ以上練習しても強くならないと感じている中で生まれる話ではないかと。
それ以外の人たちは、やっぱり死ぬほど練習したほうが強くなるし、奇跡も起こせると思う。
スポーツも勉強も。

[47NEWS] テキ屋の「親分」が語るコロナ禍

花火師にはオンライン花火中継などが行われているが、露天商は困ったことになっているだろうなと感じていた。
色んな業界で色んな救済措置が取られているが、その枠から外れた業界、人々もいるわけで。
闇とは言えない灰色の商売、水商売や風俗業や露天商などなど。
国が保護すれば角が立つので、こういうのは利用者や市民が守るべきかもしれないが、それもこのご時世ではなかなか。
全部取り潰してしまえという極論もあるが、やっぱり夏祭りには綿菓子と金魚釣りとオレンジの灯りが似合うんじゃないかと。

7月21日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
本来なら今週末に東京オリンピックが開催される予定だった。
テレビや新聞では連日聖火ランナーの後を追って、競技一つ一つ、参加選手一人一人にスポットを当てて紹介し、有明の新設会場に足を運んで詳細が語られていたことだろう。
ネットでも開催については毀誉褒貶があったとしても、決して無視はできず、結局は話題が集中していたことだろう。
そして特に東日本では四十数カ所の会場を中心に地域が盛り上がり、収益をもたらしたことだろう。
国内は社会も経済も問題が山積みで、所詮は一時の幻想と憂さ晴らしの打ち上げ花火になるかもしれない。
それでも、オリンピックの開催は国際的な面でも、若者のスポーツ振興の面でも、未来に価値がある事業であると私は思う、

そんな国を挙げての一大事業であったオリンピックが、新型コロナウィルスの感染拡大により延期となってしまった。
やむを得ないとはいえ、この事態は「もし今年オリンピックがなかった」場合よりも被害は大きいことだろう。
資本主義社会とは、未来からの借金によって現在を豊かにすることで成り立っている。
その予定していた未来がなくなってしまうと、途端に財政難に陥ってしまうからだ。

大きなところでは、この日のために新設した諸処の会場が無駄になってしまった。
小さなところでは、私がこの日のために書き上げたオリンピックがテーマの新作小説がお蔵入りになってしまった。
別に借金して書いたわけではないが、少なくとも作品執筆にかけた数か月の労力と時間の価値はゼロになってしまった。
そんな話があるかと言いたいが、くだんのオリンピックが開催されないのだから誰も責められない。
可哀想だと思った方は、先月の新刊「ヒトガタさま」を買ってやってください。

私のオリンピック小説は、もしかすると来年出版できるかもしれないが、まだどうなるか分からない。
何より世間の人が開催を好意的にとらえていないと、盛り上がるものも盛り上がらないだろう。
中止と言うのは簡単だが、それで人生を左右される人も大勢いる。
困難な中でも前向きに開催する方法を考えてほしいと思う。

今のご時世、無観客オンライン配信もありだと思うのだが、それじゃダメなのかな。

[一日三報]
[時事通信] バンクシー新作、消される 地下鉄は落書き禁止

[神戸新聞] トイレに落書き「うんこプーン」 45歳男を逮捕

今日の覆面画家。
実は同一人物だったら、ちょっと面白い。
何が芸術か、何が落書きか。
多くの人の支持を集めれば芸術となるのか、ならば誰にも見向きもされない作品は芸術ではないというのか。
いやらしいのは、マスコミは絶対に正体を知っているのに、話題性を狙って「謎の」「正体不明の」と言い続けているところではないかと。
そういうのは卑怯というか、芸術のためにも良くないと思う。

[朝日新聞] ご神木倒れても奉納の剣は無傷 「奇跡の後にまた奇跡」

伝説の誕生。
箔が付くと言うか、古代の聖剣もこういった逸話が誇張されて本物になっていったのかと。

[AFP] 日本の「ゲーマーおばあちゃん」 90歳ユーチューバーにファン35万人

長生きの秘訣になるかどうかは分からないが、高齢者ほどゲームを嗜むべきは本当。
別に本を読んでも楽器を演奏してもいいけど、テレビのワイドショーやネットのゴシップ記事を見ているよりは脳にいいと思う。

7月14日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
一人の青年が動物園でゾウの柵の前に立っている。
青年は時々後ろを振り返りながら、「ゾウの何が格好いいって、あの長い鼻だよな」と話して「とりあえずこんなもんかな」と動画を終えた。
時間にして18秒。
しかし再生回数は脅威の一億回以上。
15年前の2005年4月23日、史上初めてYoutubeに投稿された動画は今でも下記で視聴できる。

【Youtube】Me at the zoo

動画に映っている青年ジョード・カリム氏も、まさか自分たちが作った動画配信サービスがここまで巨大なものになるとは思っていなかっただろう。
Youtubeに前後して様々な動画配信サービスは生まれては消えていったが、結局敵うものはなく、いつの間にかスタンダードになってしまった。
同じような印象を、私はGoogleの検索エンジンに対しても感じている。
いつの間にか登場して、あれよあれよいう間に常識になった。
今の若いユーザーはYoutubeとGoogleが別々の会社だったということも知らないだろう。

YoutubeにせよGoogleにせよ、振り返ってみると成功した一番の理由は、ただシンプルであったことだと思う。
とりあえず動画を投稿すればネットを通じて閲覧できる。
とりあえず検索窓にキーワードを入れれば掲載ページが紹介される。
Googleといえば今も画面に検索窓が一つだけだが、あれは当時としてもかなり画期的だった。
その上、爆速と呼べるほどのスピードで検索結果が表示された。
ユーザーが求めていたのは実はその一点だったので世界中に広まった。
シンプルであることが最強の武器になり得たのだろう。
今はネット会議システムのZoomなどがその位置にあるのかもしれない。
Youtubeの動画投稿にもう一手間かかったり、Googleの表示速度があと3秒遅かったりしたら、インターネットの歴史は変わっていたかもしれない。

これから新たなインターネット・サービスを立ち上げようとしても、シンプルを目指すのはなかなか難しいかもしれない。
ただ後発には先発を参考にできるメリットがあるので、YoutubeやGoogleやZoomやLINEよりも使いやすいサービスが誕生して、また一気に世界が変わるかもしれない。
そういえば、LINEで読書ができる「LINEノベル」が8月31日でサービスを終了するらしい。
開設からたった一年、国内屈指のユーザー数を誇るLINEのネットワークを使ってもうまく立ち行かなかったようだ。
理由は知らないが、小説のプラットフォームが閉鎖になるのは残念だ。

[一日三報]
[Real Sound] LINEノベルはなぜ成功しなかったのか? 新たな小説投稿サイトが勝ちにくい理由

絶対的な理由ではなく、あくまで一要因としての話。
成功しなかった理由は色々と考えられるが、私が思うところ、いやらしい話だが「仕込みが足りなかった」のだと思う。
人気作家にオリジナル小説を書いてもらって話題になり、漫画とアニメ化で大いに盛り上がる。
それくらいの宣伝が必要だったのではないだろうか。
既存作品の流用だけで新たな書き手と読み手が勝手に盛り上げてくれると期待していたように思うが、ぶっちゃけ小説界はもうそんなポテンシャルは有していないと感じている。

[Yahoo!ニュース] マツタケが絶滅危惧種になった理由は、森が豊かになったから

マツタケほど実態を無視してブランド化された食品もないかもしれない。
日本の山林は江戸時代と戦時中の需要過多で伐採され尽くし、その代わりに成長が早くて加工しやすいスギの木が植えられまくった歴史があるわけで。
結果、需要が減るとどこの山もスギだらけになって花粉症患者を増加させ、根が弱いので豪雨になるとどんどん抜け落ちて川をせき止めて水害をもたらすようになりました。
自然を守ろう、豊かな森を守ろうの対象が、そもそも人の手が加わった場違いな自然であることも理解しておくべきかと。

[ITmedia] 冬コミ中止 2020年はコミケが全く行われない事態に

ネットで集まってネットで配布できる今の時代ならいくらでも対応できると思うが、やっぱりイベントの雰囲気がなくなるのは寂しいと思う人もいるかと。
でもコロナの騒動が収束しても、同じような規模で開催できるかどうかは。
あと今でこそ一大イベントになっているけど、そもそものコンセプトはファンによる同人作品の闇市であったわけで。
ネットに移行すると完全に商売となってしまうので、それもそれで問題になるかも。

7月7日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
享和三年癸亥の春、二月廿二日の午の時、常陸国のはらやどりという浜辺に奇妙な舟が漂着した。
それは香箱のような円盤形で、長さが三間あまりあり、硝子の障子に鉄の底を持ち、見たことのない文字が書かれていた。
そして浜の者たちが中を覗いてみると、赤い髪に桃色の肌を持った奇妙な装束の婦人が乗っていた。
婦人は何か言葉を口にしたが、それは誰にも理解できなかった。
また小さな箱を大事にそうに持っていた。
浜の者たちはどうしようかと思案したが、これは外国の舟で外国の人間かも知れず、そうなると役人に報告せねばなるまいと考えた。
しかし報告すればこの婦人は死刑となり、また見つけた自分たちも罪を問われるかも知れないと恐れた。
そして話し合いの結果、運を天に任せるしかないと判断して、婦人を乗せた舟を再び沖へと追いやった。

曲亭馬琴が1825年に刊行した『兎園小説』には『虚舟(うつろぶね)の蛮女』としてこのような話が図入りで記されている。
同様の話は他にも七つ確認されており、『虚舟伝説』として現代にまで語り継がれている。
江戸時代に漂着したUFOの証拠だとか、曲亭馬琴の創作に過ぎないとか言われているが、その結論は未だに解明されていない。
私が興味深く感じているのは、『虚舟の蛮女』の記述内容が、世界各地のUFOや宇宙人の目撃談を記述した『書き方』に似通っていることだ。
異様に具体的な日時、報告書のように詳細な描写と絵、そうでありながら、あくまで伝聞という形を取って真実をぼやかし、逃げただの死んだだのという理由を使って証拠は何も残っていないと結論づけている。
まさしく『古代の言い伝え』のお手本のような書き方だと感じた。
よって、世界各地の伝説が真実ならば、きっとこの話も真実なのだろう。
その逆であるとすれば、この話も曲亭馬琴か他の誰かの創作なのだろうと私は思う。

先月6月17日午前8時20分、宮城県内の上空に白い球場をした謎の物体が飛行しているのが目撃された。
物体は上部が白い球体で、下部には十字型の機器のようなものが付いていたという。
仙台市危機管理室は陸上自衛隊、第2管区海上保安本部、県警、国土交通省、仙台空港事務所、仙台管区気象台、国土地理院、東北大に問い合わせたが、有力な情報が得られなかった。
飛行物体は沿岸方面へ向かうと、午後3時40分、曇り空に隠れて見えなくなりそのまま行方知れずとなった。
以後、落下物も発見されず、正体は未だ判明していない。

これは創作ではなく実際にあった出来事で、写真や映像にも記録されている。
まさに現代の虚舟、場所もそこそこ近いのが面白い。
そして虚舟では見つけた人は役人の追求を恐れて見逃したが、現代では政府や行政が被害なしとコメントすると、一般市民のほうがもっと追求せよ、危機管理がなっていないと不安と憤りに駆られているのも興味深い。
私の見方としては、どこかの誰かが観測か実験か遊びのつもりで浮かべてみたら、予想以上に高度が上がって流されてしまい、多くの人に目撃されてしまったので自分の物だと言うに言えなくなってしまったのではないかと思っている。

百年ほど経てばこの白い球体も古代に飛来したUFOの証拠として語られるのか。
いや、忙しい時代なので多分再来月には忘れられてしまうのだろう。
伝説には成立したタイミングも重要だ。

[一日三報]
[CNN] 米ツイッター、プログラム用語の「マスター」「スレーブ」の利用停止

[BISINESS INSIDER] 「マスター」「スレーブ」といったプログラミング用語の置き換えが加速

いよいよ坊主も袈裟もと騒いでいる感じ。
でもまあ、こういう用語は割と適当に付けている場合も多いので、変えていってもいいのかも。
どうせなら「ジェダイ」と「パダワン」に置き換えればいいんじゃないかと。

[東京新聞] 渋沢栄一のアンドロイド完成 深谷市の記念館で3日公開

ちょっと毛沢東さんに似ている渋沢翁。
どうせなら声も似た声優ではなく音声合成で作って欲しかった。
アンドロイドの定義はよく分からないが、自動人形という意味でとらえればいいのか。
その完成形が人間そっくりになるということであるとすれば、これも総合芸術と呼べるものかもしれない。

[Gigazine] ネコと一緒に写真を撮った男性は「魅力的ではない」と見なされることが判明

まあ女性でも、お前じゃない、猫を写せって場合もあるかと。