the shadow of silver
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8月25日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
近頃、日本各地の一般家庭に「謎の種」が送られてくる被害が増えているらしい。
種は海外の住所から国際郵便などで届いており、ラベルの品名には「宝石」や「指輪」などと記されている。
もちろん受取人は注文した覚えがなく、各地の植物防疫所などに相談が多数寄せられているそうだ。

この「謎の種」の送りつけ被害は、少し前からアメリカを中心に報告されており、いずれも根拠不明として受け取っても絶対に植えたりしないよう呼びかけている。
海外の種子には侵略的外来種の可能性があるので取り扱いには厳しい制限がかけられている。
海外旅行のついでに現地で買った花や種が空港で没収されるのもよくある話だ。

世間ではこの事件について、毒草の種だとか外国の植物侵略であるとか噂されている。
送り先が中国の住所であるところからも、強力な外来種により在来種の生態系を破壊し、アメリカの農業を潰すつもりだという陰謀論が飛び交っているようだ。
ただ、中国郵政は外国への種子の輸送を禁じているため、送られてきた種は返して欲しいとコメントしている。
というか、恐るべき中国当局の工作活動にしては、いくらなんでもお粗末な計画なのでその可能性は低いだろう。
そこで言われているのが「ブラッシング詐欺」ではないかという推測だ。

「ブラッシング詐欺」というのは、ショッピングサイトの出品者が自社の評価を上げる目的に、仲間に商品を買わせて高評価を付けてもらう不正行為のことだ。
最近ではショッピングサイトの運営者側も不正レビューは厳しく取り締まっている。
アマゾンなどでは仲間と架空の購入取引を装ってもレビューは付けられない。
仲間が別のユーザーアカウントを用いても、同じ店で大量に安い商品ばかりを購入しても怪しまれる。
複数のアカウントを取得してバラバラに注文しても、送り先の住所から同一人物と割り出してレビューの投稿を禁止するほどの徹底ぶりだ。
そこで、実在する外国の住所を使って商品を買って勝手に送りつければ別のユーザーと認識されるのでレビューが付けられる、という方法を編み出したのだろう。
ゆえに商品は種などの安価な物に限っており、ラベルの品名は宝石など法律によって制限されないものに偽られている。
送りつけられる住所も、過去にどこかで商品を購入した際の個人情報が使われてる可能性があるようだ。

なお不正を働いている差出主の詳細は明かされていないが、さすがにやり過ぎたので既に判明しているか、ショッピングサイトからも閉め出されていることだろう。
ただ一箇所、一店舗の仕業とは思えないので、今後も同じような手口は増えていくものと思われる。
大きな謎を匂わせつつ、全く別の目的が存在する、ミステリ風味の詐欺としてはなかなか良いアイデアだが、そのうち規制がかかるかもしれない。
海外から謎の種が送られてきても、決して庭や近所に植えないように。

[一日三報]
[読売新聞] 忍者の里に泥棒、侵入から逃走まで3分…百数十万円盗まれる

何年か前に訪れたことがあるが、のどかで良いところだった。
今年は観光客も激減しているだろうから、なおさら悔しいことだろう。
ふらりと立ち寄るところでもなし、手際の良さから見ても、まあ状況をよく知っている者の犯行なのかなと。
忍者の里の名にかけて、犯人にどのような制裁が下されるか注目したいところだ。

[AFP] ブラジルのスーパーが謝罪、店内に販売員の遺体放置し営業続行

現代版野ざらし。
何だかもう悪い意味でおおらかな。
彼の地の人は死体を見慣れているとかあるのかしら。

[神奈川新聞] 箱根でママチャリ押す男 実は熊本で盗み、千キロ以上…

そのバイタリティがあれば自転車どころか自動車も買えるだろうにと思うが、そう上手く行かないのが人生。
「離島の出身で都会を見てみたかった」と供述しているが、私は離島のほうが素敵だと思う。



8月18日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
車の絵を描いてと言われると、あなたはどんな絵を描くだろうか。
絵の達者な人ではない、私を含めて凡人が描いたとしよう。
大体は凸形で、横から見た絵になるのではないだろうか。
ちなみに多くの人は左側が前方になる、日本の車道が左側通行だからだ。
それはともかく、今の子供に車の絵を描かせると、凸形には描かないのではないだろうか。
どちらかというと右側が削れ【 」 】状になるだろう。
なぜなら今の日本では後部にトランクルームのない、絶壁型の車のほうがよく見かけるからだ。

タクシーのように後部にトランクルームを設けた自動車は「セダン」、あるいは3ボックスカーと呼ばれている。
エンジンスペース、乗車スペース、トランクスペースの3つに分かれているからだ。
一方近頃人気の車は乗車スペースとトランクスペースが1つになっているので2ボックスカーと呼ばれている。
1ボックスカーはエンジンスペースを運転席の下に格納した「ワゴン車」のことだ。

ただし「ワゴン車」だから1ボックスカーというわけではない。
「ステーションワゴン」と言えば前にエンジンスペースを設けた2ボックスカーのことだ。
また「ミニバン」と言えば「ステーションワゴン」よりも車高が高くて3列シートのものでで、ミニと付いているがかなり大きい「ワゴン車」だ。
そもそも「ワゴン」とは馬車の時代に車輪の付いた荷台のことを指す言葉だったので、自動車は何でもかんでも「ワゴン車」には違いない。
また「バン」は屋根付きの車という程度の意味でしかない。
さらに排気量660cc以下の軽自動車にも「軽ワゴン」や「軽バン」があるが、「軽ワゴン」と「軽バン」の違いは、「軽ワゴン」が一般用を目的とした車に対して、「軽バン」は商用を目的とした車に対して使われることが多いようだ。

何が言いたいのかというと、何が言いたいのか分からないということだ。
小説内で「車」と書けば、まさか馬車や三輪車を想像する読者はいないだろうが、どのような形状の自動車を思い浮かべているかは千差万別だ。
単に「車」と書くのも味気ない、しかし「ワゴン車」と書いても1ボックスカーなのか、前があって後ろがないタイプなのか、大きいのか小さいのかも分からない。
数も種類も増え続けている。
要するにいつも表記を悩ませる存在なのだ。

なお今回は「ワゴン車」に付いて説明にならない説明を書いたが、もちろん他にも車はたくさん種類がある。
道を走る車を見て、それが「ワゴン」なのか「ミニバン」なのか「ステーションワゴン」なのか「SUV」なのか「クロカン」なのか「セダン」なのか「コンパクト」なのか「ハッチバック」なのか「トラック」なのか「ハイブリッド」なのか「電気自動車」なのか、見極めるのは困難だ。
ということで、小説内で「車」と書かれていたら、それぞれ好きな車を思い浮かべていいだろう。
著者としては深く突っ込まないでくださいという意味かもしれない。

[一日三報]
[岐阜新聞] 30年前にコロナ予言?見出し「2020年、人類の半数が伝染病に」SNSで話題

それを言うなら、今回のコロナ禍を引き起こしたのは岐阜新聞という可能性もあるのでは。
予言や陰謀論が廃れない理由は、こういった話に魅力を感じる人が多いから。
まあ、たとえ前もって未来を知っていたとしても、この現状は変わらなかった気もしたり。

[AFP] 「もう限界…」 船員20万人が船上に足止め ウイルス流行で

何日も何十日も船上で生活する船乗りたちも苦しめられている状況。
しかし体の不調ではなく、地面に降りられない心の不調が大きいのは興味深い。
「大地にキスをしたい気分」になるのは人類の本能なのか、今までの習慣なのか。
船上生活の経験はないけど、母なる海って、子たる人間にはあんまり優しくないよね。

[CNN] 400キロのパワーリフティング、重量に耐えかね両膝折れる ロシア

人体の不思議展。
持ち上げなければ命が危ないとか、エサがなくて餓死してしまう状況でもないのに、膝を破壊してまでも持ち上げようとする、それを可能とする精神力とはいかなるものか。
もちろん記録とか名誉とか報酬とか、後々になって得られる物を考えてのことだろうけど。
いや、それでも、ねぇ。



8月11日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
ゾンビというのは諸説あれど、ハイチや西アフリカでの土着信仰とされるブードゥー(ヴォドゥン)教に由来している。
ブードゥー教の司祭は墓から死体を蘇らせて農園などで奴隷として働かせる術が使えるという。
これは一般的には呪術、ブラック・マジックと呼ばれるもので、ブードゥー教を不当に貶める差別的な扱いだと思うが、普段から差別に厳しい国々の人々もあまり気にしてはいないようだ。
死者が蘇ったり現世の人間と関わったりするのは世界中の宗教や伝説に登場しており、日本でもそんな話は枚挙にいとまがない。
そもそもお盆にあの世から先祖が帰って来るというのもそうだろう。
ただしユダヤ教、キリスト教、イスラム教では死者は神の元に導かれるのでそのような教えはない。
お陰で死者が現世に蘇る状況がことさら罪深く恐怖に感じられるのだろう。

そんなゾンビに文字通り命を吹き込んだのは1968年に公開されたジョージ・A・ロメロ監督の映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』だ。
この作品においてゾンビは「噛んだ相手もゾンビになる」という画期的な特徴が盛り込まれた。
言わずもがな、これは吸血鬼ドラキュラの特徴を模倣したものだ。
お陰でゾンビは際限なく増え続け、集団で危害をなす存在となった。
さらにその特徴に理屈を求めるようになり、ゾンビを生み出す細菌やウィルスの設定まで盛り込まれるようになった。
一方ゲームの世界では邪悪な人間モンスターということで、気兼ねなくプレイヤーに銃で撃たれる存在にもなった。
今では逆にゾンビさんが可哀想という発想まで生まれる始末だ。

先日米ウェストバージニア大学の研究チームが学会誌に発表した調査によると、セミに寄生することで生きながらにして感染を拡大させる恐るべき病原菌の存在が確認された。
「マッソスポラ」と名付けられたこの病原菌はセミに寄生すると、生殖器と尾部と腹部を食い落とし菌の胞子と入れ替えるという気味の悪い生態を持っている。
しかもそのような状態でありながらセミ本体は生かし続けるというものだった。
そのためセミは下腹部が菌の塊になっているにも関わらず普段と変わらず飛行し交尾を行うため次々と感染ゼミを増やしていくそうだ。
感染したセミが元気でいるのは菌から幻覚作用がもたらされているからとも言われている。
またオスの感染セミがメスの羽ばたきを真似して別のオスを呼び寄せるという状況も確認されているため、菌が何かしらの化学物質を用いてセミをコントロールしている可能性もあるようだ。

相変わらず昆虫界のリアルは人間のホラーをやすやすと飛び越えていく。
下半身が異形の存在に変わっているにもかかわらず、普段通りに活動してセックスを試みるなど悪趣味なB級ゾンビ映画のようだ。
ともあれ、この発見もまたゾンビ感染症が現実に存在する空想証拠のひとつになるかもしれない。
大昔に「マタンゴ」という、キノコに寄生される映画があったが、その話は長くなるのでまたいつか。

[一日三報]
[47News] 日本と欧米、マスク着用で心理面に差

[共同通信] マスクは「皆が着けているから」

今日のマスク学。
面と向かって、表情を見てコミュニケーションを取る文化との違いは確かにあるかも。
ぶっちゃけ、顔を見なくても誤解を生むこともなく会話できるわけで。
「皆が着けているから」の記事はさすがに稚拙すぎる内容。
社会心理学者として名前を出しておきながらこのご判断はちょっとどうかと。

[Gigazine] 無料でビル・ゲイツやアーノルド・シュワルツネッガーなど有名人に好きな台詞をしゃべらせることができる「Vocodes」レビュー

一瞬凄いと思ったけど、考えてみればゲイツさんやシュワさんの肉声をよく知らないので、似ているかどうか分からなかったり。
でも多分似ているのでしょう。
いよいよ何もかも信用できなくなってきたわけで。
特にネットでは、あまりなんでも鵜呑みにしないほうがいいかもね。

[毎日新聞] 福岡・大濠公園にイノシシ 警官ら大捕物、逃走後「御用」に

[AFP] パソコン返して! 全裸でイノシシ追う男性の写真が話題 独

今日のメルヘン。
イノシシはおとぎ話の案内人。
でもマッパのオヤジは反撃されると危なかったのではと心配。


8月4日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
夏と言えば思い出されるのがヒアリのことではないだろうか。
恐るべき猛毒の殺人アリが日本にやって来たと、昨年には戦々恐々としていたのに、今年はそれより怖い新型コロナウィルスが来たせいか全くと言っていいほどニュースになっていない。
調べてみると、環境省が7月14日に東京港の大井ふ頭内でヒアリ1500個体以上が確認されたと発表していた。
他にも4月に茨城県常総市で、6月に入ってからは横浜港や千葉港、東京港・青海ふ頭、川崎市内の物流倉庫でも見つかっているらしい。
社会が停滞し物流も滞りがちなので、積極的な広まりは少ないものと思われるが、やはりしっかりと日本への定着が進んでいるようだ。

一方、アメリカでも恐るべき外来昆虫の上陸が始めて確認されたとのことで今はニュースでもSNSでも新型コロナウィルスに続く脅威として伝えられているらしい。
その昆虫は信じられないほどの大きさと極めて強力な毒を持ち、刺されると人間も命に関わる危険性がある。
しかしそれ以上に恐れられているのは、その昆虫がミツバチを襲ってエサにして、時には巣ごと全滅させてしまうことがあることだろう。
ミツバチによる受粉活動は農業において極めて重要な役割を担っており、もしそれがなければ大きな食糧難を引き起こしてしまうと言われている。
つまりミツバチを襲う外来昆虫は、人間社会をも滅ぼしかねない存在なのだ。

そんな凶悪な外来昆虫の名は、オオスズメバチ。
日本の山野で時折見かける、大きくてガチガチ音を鳴らす危険なハチだ。
アジア原産で、実はこれまでアメリカ大陸には一匹も存在していなかった。
なんだぁ、と言ってはいけない。
もしあの大型のハチが、これまで小さなミツバチしか見たことのなかった世界にやって来たと想像すると、ヒアリなどとは比べものにならないほどの恐怖に違いない。
ベランダに出ると家の壁面にコモドオオトカゲが貼り付いているようなものだろう。

なおオオスズメバチが極めて危険な外来種というのは誇張ではない。
日本に定住しているオオスズメバチも人間やミツバチを襲うが、鳥やオニヤンマ(実はトンボは強い)やムシヒキアブなど天敵も多いため、生態系の中で増えすぎることもなく活動している。
しかし外来種は何かのきっかけで爆発的に繁殖し、既存の生態系を破壊することも多いからだ。
昆虫の侵入は防ぐことは難しいので、アメリカにオオスズメバチが定着する可能性は高い。
人間社会の崩壊は大袈裟だが、巡り巡って輸入農作物の値段が上がるくらいはあるかもしれない。

[一日三報]
[CNN] 「殺人スズメバチ」、米ワシントン州で初めて捕獲

[神戸新聞] カエルに食べられても… 生きて脱出する昆虫発見

夏になると増える昆虫ニュース。
近頃は新発見も新提案も、発表するタイミングが重要です。
昆虫の脅威とは、大きさと引き換えに得た生命力と繁殖力、そして世代交代による変異力にあります。
命を大切に、だの、子育て問題、だのと言っていたら早晩にも絶滅していたことでしょう。

[ITmedia] 街中で客のマスクが広告に変身! 「アドノマスク」キャンペーン

誰もが気になっていた広告媒体。
そのうちノベリティや何かにも付いてくるようになるかも。
どうせなら装着時間に応じて本人に課金されるシステムが生まれればいいのにね。
技術が進めば動画広告なども付けられるようになると思う。

[AFP] 1億年前の微生物が復活 増殖に成功

こういうのが、また新たな危険ウィルスや微生物が広まるきっかけになるのかも。
人口増加による居住地域の拡大によって森の病気が人間に伝わったとか、コウモリだかサルだかを食べたことで新たな感染症が発生したとか。
人間が余計なことをして自らの危機を招く場合が多いわけで。
でも、余計なことをするのが人間でもあるわけで。