the shadow of silver
SOS日記本メルマガ掲示板プロフィール

archive


11月24日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
アメリカ・フロリダ州のある飼い猫が、頭を二つ持つ双頭の蛇を捕まえてきたことで話題となった。

 [CNN] 飼い猫が双頭のヘビを捕獲、非常に珍しい個体 米フロリダ州

インターネットで検索するといくつか画像が見つかるが、実際に目にすることはほとんどなく、非常に稀な発見らしい。
言わずもがな、生まれてくることも珍しいが、野生で生き延びるのも非常に困難だからだ。

それはそれとして、『双頭』というのは現実では滅多にないはずだが、言葉としては割とありふれているのが興味深い。
現に『そうとう』で漢字変換すると『相当』や『総統』に混じって普通に候補に選ばれている。
『双頭』は蛇だけでなく『双頭の鷲』といえばローマ帝国のシンボルで、西と東、すなわち世界を征するという意味がある。
その流れで現在でもロシアやセルビアやアルバニアなどの国章に用いられている。
あるいは政治でも企業でも権力者が二人いれば『双頭』と呼ばれる。
うまくいけば権力と支配の『鷲』となり、悪くなれば混乱と停滞の『蛇』となるだろう。

また『双頭の蛇』という言葉も小説ではキャッチーな文句になるのか、作品のタイトルに使われていることが多い。
ミステリなら栗本薫の『双頭の蛇』があるが、ホラーなら今邑彩の『双頭の蛇』がある。
さかのぼれば西村寿行や黒岩重吾の小説にも『双頭の蛇』がある。
『双頭の蛇』には名作のジンクスでもあるのか。
有栖川有栖もあったと思ったが、こちらは『双頭の悪魔』だった。
皆川博子は『双頭のバビロン』だった。

『双頭』という言葉にはミステリとホラーに繋がる神秘的な魅力があるのかもしれない。
ちなみに英語で1月という意味の"January"の由来はローマ神話の神ヤヌスで、これは後頭部が結合した双頭の人型で描かれている。
出入口、扉の守護神なので1年の始まり、年の変わりを象徴しているそうだ。
『双頭』のせいか、話がまとまらないので今回はここまで。

[一日三報]
[ナショナルジオグラフィック] 鳥、ゾウ、昆虫などいろいろ 「幸運を呼ぶ」動物になった理由

動物も昆虫も、普通に生まれて普通に生息しているだけなのに、勝手に幸運を呼んだり不幸を呼んだりと言われていい迷惑だろう。
虫が大嫌いな人も、アリ一匹でもパニックを起こす人でも、なぜテントウムシは平気で捕まえて、指に留まらせて遊ぶ。
かわいいは正義なのだ。

[ITmedia] 霞が関でパスワード付きzipファイルを廃止へ 平井デジタル相

代わりに rar や lzh を推奨しますとなったりして。
政治活動というのは二種類あって、一つは本当に大切なことだけど説明が難しく国民の理解が得られにくいものと、本当にどうでもいいことだけど国民に分かりやすく評価が得られやすいものがある。
これは後者、先のハンコ撲滅活動に近いものだろう。
まさかまさか、こんなもののために設立した訳ではないだろうと。
というか、こんなのデジタルとは何の関係もない話だとも思うのだが、どうか。

[AFP]  ホームセンターにある材料でOK! 高性能換気装置をDIY 独学校

焼肉店にあるアレみたい。
アレもコロナ禍で需要が高まっているのかしら。
自作したのは凄いと思うが、2万5000円もかかるなら普通に空気清浄機を買えばいいのでは。


11月17日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
(浄土真宗本願寺 八世蓮如『白骨の章』)-----

されば朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり。すでに無常の風きたりぬれば、すなわち二つの眼たちまちに閉じ、ひとつの息ながく絶えぬれば、紅顔むなしく変じて桃李の装いを失ひぬるときは、六親眷属あつまりて嘆き悲しめども、さらにその甲斐あるべからず。

---------------

実家が浄土真宗なので、葬儀のたびに僧侶が上記の文章を読まれる。
お陰で趣味でもないのに覚えてしまった。
要するに、この世に生まれた者は等しく死ぬ定めにあり、いくら嘆いたところでどうなるものではない、だから受け入れなさいという話だ。
古今東西、浄土真宗に限らず宗教家の教えというのは、さすがにどれも名文で聞き取りやすい。
分かりにくい話を分かりやすく伝えるために推敲を重ねているからだろう。
文章が上手くなりたい人は経文を学んでみるのもいいと私は思っている。

人間は生まれた時から発信する動物で、赤子は泣き、子供はだだをこね、思春期はSNSで悩みを伝えて、大人は机を叩いて主張する。
死とはその発信が止まることであるため、死を恐れる人ほど後世に何かを残そうと躍起になるのかもしれない。
とはいえ、結局は全て無常の風に運び去られて何も残らない。
そうと分かっていながらも、そうせざるを得ないのも人の世なのだろう。

先日、福井県のふくい産業支援センターが運営する企業支援サイト『ふくいナビ』にて、全データが消失し復旧不可能な状態になったことがニュースになった。
原因はサーバー管理会社がクラウドサーバーの使用権を購入していなかったために契約期限終了にともないデータが削除されたということだ。
そのため県内の産業・企業支援情報200件、メーリングリスト287件がバックアップを含めて完全に消失してしまった。

恐らく今も真っ青になって胃を押さえている担当者のミスは当然としても、サーバー管理者側もなかなか猶予も慈悲もない措置に思える。
しかしこの業界では期限終了とともにデータを完全に削除することは、守秘義務の上でも常識的な措置であり、不当に保管するほうが漏洩のリスクに繋がり契約違反になるだろう。
プログラムも完全に消失したのでサイトの復旧には相当な時間と費用がかかるに違いない。
また復旧できたとしても、それは完全な新サイトであり、旧サイトのデータは一切引き継がれていないだろう。
まさに無常の風が吹いてしまったようだ。

データの長期保存という点では経文にして寺に預けたり、あるいは木簡や石版に書き連ねておくほうが正解かもしれない。
あくまで受け継ぐほど価値のある場合にはだが。

[一日三報]
[神戸新聞]「彼氏、幼く見えるね」SNS発端 少年ら50人巻き込む傷害事件に

もはや何が何だか分からないが、世界の戦争もこんな感じで起きてしまうものかもしれない。
どっちのグループにも入りたくないけど、そうは言えない環境もあるのだろうなと。

[AFP]【図解】米大統領の待遇

今話題のアメリカ大統領、アメリカ大統領が今話題って言うのもなんですが。
下世話かもしれないけど、こういう図解はなかなか分かりやすくて良い。
日本の総理や陛下バージョンもあるのかしら。
でもみんな妙に何かと隠したがるよね。

[ITmedia] 爆破予告が急増 大学など教育機関に集中、コロナ禍のストレス原因か

たとえば私が学生だった頃はインターネットも発展途上だったので、SNSで気軽に爆破予告などできなかった。
やるとすれば直電か、FAXか、頑張ってもメールくらい、某巨大掲示板に書き込んでも、きっと無視されただろう。
だから余程のたくらみか、精神の暴走がないと行動は起こせなかった。
今は色んな方法で手軽に爆破予告できて、しかも世間が過剰に反応して休講などの措置が取られるので、何と言うか、面白くてやりがいもあることだろう。
この自制が効かず気軽に犯罪のできる環境というのは、加害者にとっても罠だと思う。


11月10日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
アメリカ大統領選挙は、どうやら民主党のジョー・バイデン氏で決着がつきそうだ。
現職のトランプ大統領の是非を問い、今後4年間のリーダーを決める重要な行事は史上空前の盛り上がりを見せ、結果、国を二分しかねない自体にまで発展している。
米国民ではないので投票権もない私にはどっちが良いのかは分からないが、結局、トランプ大統領の新型コロナウィルス対策が評価の大きな要因になったのだろうなと感じている。
さすがに全米で23万人以上も亡くしてしまっては失敗と見られても仕方ないだろう。

コロナ対策にどう取り組むことが一番良いかについては、恐らく今後何年にも渡って検証されていくだろうが、少なくとも現時点ではマスクの着用が手軽で有効な手段の一つであるのは間違いない。
ところがアメリカでは大統領からして不要と言い張ったり、やっぱり必要と言い換えたりしてはっきりせず、国民の間でも必要派と不要派で言い争いが起きているようだ。
同じくヨーロッパの各地でも習慣がないという妙な理由で着用を推進できず、結果的に感染を拡大させている様子がよく見られた。

マスクなんて別に着けりゃ良いじゃんと言いたいところだが、実はこれは根深い問題がある。
アメリカやヨーロッパのいくつかの国では『覆面禁止法』が定められていることも理由の一つになっているようだ。
『覆面禁止法』というのはその名の通り、人前で顔を隠してはならないという法律で、テロリストや反社会的勢力の活動を抑制するために定められている。
アメリカでは有名な人種差別組織『KKK』が、白いフードを被って活動していたこともあって、つまり顔を隠している奴は悪い奴だという意識が強いようだ。
ジェイソンもレザーフェイスもブギーマンもジグソウも仮面や覆面を被って人を襲っている。
あれは個人情報の漏洩を恐れているのではなく、マスクは悪役の必須アイテムだからだ。

ということで、己にやましいところのない清廉潔白で健全なアメリカ国民は、マスクの着用に敢然とNOを突きつけて、結果感染を広めてしまっているようだ。
なお『覆面禁止法』は去年辺りから香港でも今さら導入の是非を巡って揉め続けている。
これはもちろんコロナ対策とは何の関係もなく、政府への抗議デモの参加者を抑制する目的で進められているようだ。
政府はデモ参加者の暴動を止めるためだと言い、市民はデモへの参加をためらわせるものと訴えている。
主張はともかく、どちらの理由も含まれているのだろう。

日本の首相もいつの間にかぬるりと入れ替わったが、世界のフェーズがまた変わりつつある。
あらためて国家の運営って難しいんだなと特に感じる一年だ。

[一日三報]
[AFP] バイデン氏の勝利を予言、ロシア動物園のクマやトラ

クマさんすげぇ、と思ったけど、よく考えたらこれどっちの意味にも使える。
これがロシアの恐ろしいところか。

[日テレ] 車に落書き「エロあそび…」71歳の男逮捕

なかなかの言語センス。
やったことはよろしくないが、一体何がどうなってこんなキーワードを捻り出して書くに至ったか、その心理状況に興味が惹かれる。
で、その素敵なイベントはどこで開催されているのか。

[CNN] 米人気書店、「書店のにおい」の香水を販売

ああ、はいはい、あの匂いねと分かる感じ。
古書店のほうがより強く感じられるかも。
わざわざ嗅ぎたいとも思わないけど。


11月3日(火)
[今日の独言(ひとこと)]
高いビルの屋上から下を眺めた時、ビルやマンションの屋上に社や祠を設けている建物をたびたび見かける。
大企業が所有するビルや新しいマンションでは少ないが、やや小ぶりな古い建物、恐らく所有者は中小企業の社長やオーナーあたりのものでは、そうなっていることも多いようだ。
人生は奇跡の連続で成り立っており、振り返ってみると自分の実力以上の運やタイミングが功を奏したと思うこともある。
あのライバルより成功したのはなぜか、あの投資が大化けしたのはなぜか、どうしてあの時、あんな発想・判断に至ったのか。
そんな奇跡を実感したことのある人が、ビルの屋上に祠を建てるのではないかと思っている。

イタリアのポンペイにある遺跡は、ローマ帝国時代の西暦79年に火山の噴火により一夜にして建造物もそこに住む人々も灰の下に埋もれてしまったという。
最近のニュースによると、カナダに住む女性が15年前にポンペイ遺跡から持ち帰ったタイルや壁の一部を返還したそうだ。
添えられていた手紙には、この出土品を持ち帰った後から自分の身に不幸が立て続けに起きるようになり、呪いを受けていると思い返却したいとあった。
驚くべきことに、ポンペイ遺跡では同様のケースで盗んだ出土品が返還されることがしばしばあるそうだ。

人間は何事も理解して、納得しなければ安心できない本能を持っている。
ミステリー小説好きは特にその傾向が強いと思う。
奇跡や呪いを信じるのも、結局はその本能によるものだろう。
いや、もしかすると、彼らの思い込みのほうが真実なのかもしれない。
でも結局分からないから、まあ良いことがあったら手を合わせて、悪いことがあったら償おうとなるのだろう。

[一日三報]
[Forbes] ポルノにディープフェイク、よりも驚異となる「フェイス・フェイク」とは何か

インターネットは自分以外コンピューター説を信じている私です。
あなたが知っているネットのあの人が、実はCGとAIで作られた非実在人間だとしたら、そんなSF小説の世界が現実のものになりつつあるわけで。
それはそれで楽しいかも。

[産経新聞] フィリピンの鶏、警察署長死なす 摘発中、脚のナイフで

今日の暗殺。
犯人は脚にナイフを付けた闘鶏だった!はお国柄ミステリーにも使えそうだけど、現実に起きるとシャレにならない。
でも一番の被害者はニワトリさんじゃないかしらね。

[AFP] 「アラジンのランプ」と偽り980万円で販売、男ら逮捕 印

今日のお国柄犯罪。
そんなわけあるかと言いたいところだが、アラジンのランプの代わりに霊験あらたかなる水晶玉や、呪いのヒトガタさまを出されたら、ちょっと信じてしまう人もいるのでは。
でも実際にランプの魔人が出てきたら途端に冷めちゃうか。