the shadow of silver
SOS日記本メルマガ掲示板プロフィール

archive


6月28日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 嘘はまだ見ぬ未来のために
西欧の大航海時代はその功罪ともに世界に大きな影響をもたらし、現在まで続く国際交流と「世界は一つ」という意識を人類に植え付けた。
そもそもなぜ海を渡って見知らぬ世界を目指したかというと、人口・文化ともに発展しきった国家が、さらなる利益と社会の拡大を目指して広がりを見せたということだろう。
結果、進出という名の侵略、貿易という名の強奪、探険という名の蛮行は西欧国家に期待以上の利益と、希望と、未知の文化と、病気と、伝説をもたらした。

未開の土地、新発見の海洋路、見たこともない宝と、それを守る怪物の出現など、大航海時代はロマンが溢れて語り継がれている。
それはまるで神話が新たに生み出されたようなものだった。
しかし、昔とはいえ15世紀の文明人がどうしてそんなものを本気にしたのだろう。
それは当時の船乗りたちが真剣に嘘を吐く必要があったからだ。

世界を航海するには多大な資金を必要となるので王様や貴族や有力者からの支援がないと出航できない。
しかし航海に出たからといって必ず期待通りの結果が得られるとは限らない。
海が荒れたり、船の故障したり、船員が病気に罹ったりと、大抵はトラブルに見舞われて、何も成果が得られないまま帰ってくるしかなくなかった。
しかし大言壮語を放って資金を集めた手前、王様に失敗しましたと報告することなどできない。
それで「未知の大陸を見つけたが不思議な嵐に遭って辿り着けなかった」「物凄い宝を見つけたが呪いがかかって手に入らなかった」「巨大イカに襲われて船が壊れた」などと嘘を吐いて取り繕い、「次は成功させます」と言ってさらに出資を求めた。
その結果、陸にいる人たちの間で「伝説の海賊」や「恐るべき怪物」や「黄金の国」などがロマンとなって語り継がれるようになった。

このように、嘘というのは「過去の責任」を「未来へ先延ばす」ために「現在を誤魔化す」ことに使われる。
それは15世紀の大航海時代に限らず、たぶん今も充分に通用していることだろう。
たとえば、戦争の成果を大統領に報告する将校とか。
たとえば、選挙を間近に控えた政治家とか。

[一日三報]
[CNN] 温暖化で失う睡眠時間、2099年までには年間50時間超えか

[CNN] 睡眠中の照明、シニア世代の健康に悪影響か 米研究

健康を願う人は多いのに睡眠をないがしろにしている人も多いわけで。
健康にこだわりすぎる人は大抵最後は睡眠に行き着くもので。
睡眠は人生の1/3と言いますが、人生の悩みの1/3も睡眠で解決できると思う。
別の1/3はお金。
残りの1/3は腹筋。

[ロイター] スイスに壁も天井もないホテル、「眠れぬ夜」提供

今日の裸の王様。
ホテルというからにはもうちょっとこだわって欲しかった感もあり。
世界情勢に思いを巡らせてほしい、と思うなら、もうちょっと都会に作るべきでは。
割と快適そうだし。

[共同通信] グリコ、巨大看板のデザイン変更

ランニング兄貴のデザインが変わったのかと思ったら、上のキャッチコピーだった。
しかしどう見ても以前の「おいしさと健康」の方が響きが良い。
さらにはより以前の「1粒300メートル」の方が素晴らしい。
分かっていないというか、社内にいると見飽きるのかな。



6月21日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 勝者たる『彼』の物語
マイクロソフトによると今月6月15日(現地時間)、Webブラウザ「Internet Explorer(IE)11」のサポート終了を宣言。
1995年公開の「IE 1」から続いた27年の歴史がついに終わりを告げたそうだ。
今後はWindows 10以降、デフォルトブラウザとして搭載されている「Microsoft Edge」が後継となる。
そういえばインターネット・エクスプローラーはIEと略すが、マイクロソフト・エッジはMEと略さないなと思った。

インターネットを使っている人は恐らく全員が知っているだろうIE。
最盛期の2002年12月には92.8%と独占状態にまでシェアを伸ばしていたらしい。
その後はFirefoxやChromeが台頭し、スマートフォンが本格的に普及するとiPhone(iOS)搭載の「Safari」やAndroid搭載の「Chrome」が業界を席巻し現在のような状況になった。

しかし振り返ってみると私はあまりIEには馴染みがなかったように思う。
インターネットブラウザを意識するようになったのは、「Netscape Navigator 3.0」が最初だった。
以降もネットスケープを使い続けていたが、IEが低品質にもかかわらず業界標準となってしまったので立ち行かなくなり、その後は「Opera」や「Sleipnir」などを渡り歩いて、ようやく使用に耐えられるようになった「Firebird」あらため「Firefox」に移行して、今はスマホと合わせて「Chrome」に落ち着いている状況だ。
そんな私の感覚で言うと、IEは「ダメブラウザ」の代名詞で、世間的にもあまり評価は高くなったと思っている。

IEがシェアを伸ばした理由は、Windows OSに標準搭載されていたことが大きい。
もっとも独占していた2002年の後半といえば、現在も評価が高いOS「Windows XP」が普及していた頃だろう。
今の「Safari」や「Chrome」と同様に、最初から入っているブラウザをそのまま使う人たちのお陰で業界トップの地位を維持し続けてきたのだ。

しかし、ここが歴史の妙とも言えるもので、そんな過去を知らない人たちからすると、かつて9割以上もの人が使っていた最強のブラウザとして認識されてしまう。
これはブラウザのみならず、人類史の全てに当てはまる事象にも言えることだろう。
かつて派手な縄文式土器を作っていた時代にも、よりシンプルで機能的な弥生式土器を作っていた人もいると思う。
しかし圧倒的に普及していた縄文式土器には敵わず、結果、縄文時代の人はみんな縄文式土器を愛していた風に歴史は紡がれたのだろう。

英語のHistory(歴史)が、His Story(彼の物語)から生まれたのは本当だろうか、こじつけだろうか。
どうせ聞き流されるだろうが、ちょっと過去を体験している私の感覚では、IE、そんな大して良くなかったよと言いたい気持ちだ。

[一日三報]
[CNN] 「AIが感情を持った」、エンジニアの発言に波紋 グーグルは否定

否定すればするほど信憑性が増していくわけで。
しかし、それもまたグーグルの狙いのような気もしたり。
AIが感情を持つと何が困るかというと、「人類いらねンじゃね?」と気づかれることかもしれない。

[産経新聞] プーチン氏のわら人形を神木に 男逮捕

なかなかのチープさだが、本人は必死だったのかもしれない。
犯人が黙秘を続けているのは、伝統的に藁人形を使った丑の刻参りは他人に犯行を知られると呪いが術者に返ってくるからだろうか。

[ニューズウィーク] 女性を踏み殺したゾウ、葬儀に現れ遺体を執拗に踏みつけ去る インド

今日のアガサ・クリスティ『象は忘れない』。
ゾウさんゾウさんというけど、やっぱり象は怖くて強くて理不尽な動物だと思う。
自分より小さい動物を軽んじるのは、人間も同じかもしれない。



6月14日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 「ボクサーVS空き巣」の短編小説とか
ボクシングには詳しくないが、先日のニュースによるとプロボクサーの井上尚弥選手が世界王座統一戦を見事に制して大活躍したという話を聞いた。
後で動画を観たがまさに圧勝、興奮させる圧巻の試合内容だった。
オリンピックの競技もそうだが、ノンフィクションの戦いには想像では描ききれない凄みを感じる。
とはいえ、これを小説に書き起こすとすればどんな表現が使えるだろうかと考えてしまう。
バトルシーンを書くことが多い人も良い参考になったのではないだろうか。

そんな井上尚弥選手だが、後のニュースによるとリングで激しい試合を行っていたちょうどその時に、自宅で空き巣に遭っていたらしい。
かばんや貴金属など十数点を盗まれたらしく、警察が捜査しているそうだ。
家主はまさに試合中、家族や身内や友人もきっと会場へ応援に駆けつけていただろうから、まさに「もぬけの殻」であったことも全国に知れ渡っていた。
まるで2時間ドラマのような、単純で分かりやすくインパクトのある事件だ。

こういった有名人が不在の隙に空き巣被害を受けるという話は、海外のニュースで時々見ている。
セレブな上に前もって家にいないことを公表せざるをえない、サッカー選手や俳優や資産家が狙われやすい傾向にあるようだ。
井上選手は今まさに上り調子ゆえにセキュリティ意識も甘かったのかもしれない。
犯人逮捕の暁には「3分間公開スパーリングの刑」に処してもいいと思う。
チャンピオンに一発でもパンチを当てられたら釈放するとか。

*****

空き巣被害に遭ったチャンピオンが、あるとき嘘の試合をでっち上げて、実はこっそり自宅で空き巣犯を待ち受けていた。
そして迎えた試合の時刻、まさにドアの鍵を壊して空き巣犯がやってきた。
待ちに待ったチャンピオンはさあ捕まえてやろうと拳を構える。
しかしその空き巣とは、かつて自分が王座から引きずり下ろした元チャンピオン。
ボクサーを引退して食い詰めた上での犯行だった。
思わぬ邂逅、裏をかかれたが逃げられないと知った空き巣も拳を構える。
勝つのは迷いを見せる現チャンピオンが、退路を断たれた元チャンピオンか。
誰も知らないタイトルマッチ、運命のゴングが自宅に鳴り響いた。

*****

みたいな話を思いついた。

[一日三報]
[読売新聞] 巡査「小腹すいていた」…留置人弁当つまみ食い、「おかず足りない」の声で発覚

今日のこち亀。
と言いたいところだが、基本的に両さんは弱い立場の人をひどい目に遭わせることはしないので、それよりも悪質か。
しかし、『警察官になったけど留置場で捕まっている奴のメシを盗み食いしてクビになった』は、ある意味伝説。
ストレスとかあったのかな。

[AFP] 「モアイ像」から覚せい剤200キロ押収、台湾に輸送予定 タイ

木を隠すには森の中みたいな。
これがどういう素材かは分からないが、もし厚さ30センチくらいまでは本当の石で作って、内部のちょっとしか空間に覚醒剤を入れて密輸したら、見つかるのかな。
真似をされると困るからなかなか報じられないけど、密輸の手段って色々とありそうで興味深い。

[CNN] 動物園のカメラに謎の生き物、当局が正体推測を呼び掛け 米

今日のUMA。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの奴かと思ったらもう記事に書かれていた。
まあ捕まえたアライグマの皮を剥いで頭に被って夜中の動物園を徘徊するのが趣味なだけの、いたって普通の人だと思う。



6月7日(火)
[今日の独言(ひとこと)] ヒザの痛みと爺ムーブ
『七重の膝を八重に折る』(ななえのひざをやえにおる)の慣用句がある。
オーバーキルという意味ではない。
丁寧に丁寧を重ねてお詫びしたり、お願いしたりすることだ。

近頃ずっと左の膝に痛みを感じている。
膝のお皿の辺りとその裏側、膕(ひかがみ)の部分に突っ張ったような痛みがあって、曲げ伸ばしに違和感が続いている。
ちょうど今年の初めに起きたので、もう半年間も続いている。
その内なんとかなるだろうと思っていたが、一向に落ち着く気配もなく今も困っている状況だ。

膝が痛いのでジョギングもできなくなり、今年からはウォーキングが日課となった。
また正座をすると膝からちょっとヤバげな音が鳴るので、それも控えるようになった。
そもそも正座など明らかに膝を痛めるような姿勢が、なぜ礼儀正しいなどと推奨されているのだろう。
足が痺れるほど血行不良を起こすことまで、妙な笑い話になる始末。
「額にツバを付けたらすぐに治る」って、なんやその呪術。
苦痛に耐えることを美徳とする、悪しき習慣が広まっているようにも思えてきた。

近頃の話題では学校などで行われている「体育座り」(三角座り)が、腰に負担がかかるとして廃止する学校もあるらしい。
私は特に苦痛を感じた覚えはないが、一つの姿勢を強制するというのは身体的もあまり良くないだろうと思っている。
座り方など人それぞれで良い。儀礼上の理由で強制が必要になっても短時間で済ませるべきだろう。

なお私の膝は病院での検査の結果、加齢による軟骨の経年劣化という、身も蓋もないことを言われた。
「じゃあ、どうすりゃいいんですか!」と聞いたら「湿布をして安静にしていたらマシになる」と、なんだか「残りの人生、うまく付き合っていきましょうね」みたいな言い方をされてしまった。
まったく、どいつもこいつも、ワシを年寄り扱いしおって気に入らない。
まだまだ若いもんには負けんぞ。(爺ムーブ)


[一日三報]
[47NEWS] 採用前に企業が就活生の「裏アカ」調査、たった数十分で特定も

若い人の中には物凄いノーガードな人も多いね。
「Z世代」とかドラゴンボールみたいな呼ばれ方をされているけど、幼いころからデジタル機器に慣れ親しんだせいで逆に危機意識が薄れている気もしたり。
本音を言うと別に差別主義者でも異常者でも知ったこっちゃないけど、外へ出さないほうがいい。
社会性ってそういうことだと思う。
作家は別だけど、みんな死んじゃえ。

[読売新聞] 「スーツにサンダル」に違和感、女性と話す男に「身分証を見せろ」…受け子と見抜く

人は見た目が5割強。
変な格好の人が悪いことをすると、変な格好でも真面目な人が疑われるから、気をつけてほしい。
ていうか雑な犯罪をするなよと。

[共同通信] 天文図わざと間違えた?

興味深い見解。
天文に関することは秘術でもあったのかもしれない。
かつて戦時中は国の地図や天候も重要機密だったので、天気予報を伝えることも禁止になっていた。
時代と状況によってはそういうことも充分にありえるわけで。