the shadow of silver
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12月27日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 【さながら、ながら作業ながら】
先日総務省が発表した1日の生活時間の配分を調査した結果(2021年)によると、「何かをしながら片手間で行う行動」(同時行動)にスマートフォンを含めたコンピュータの使用が32.4%とトップとなり、初めてテレビ(28.0)を上回った。
5年前(2016年)はそれぞれ21.5%と42.9%であったことを見ると、世間ではテレビ離れとスマホ依存が急速に広まりつつあると言えるだろう。

人間は賢い生き物なので、何かをしながら別のことをできる。
とはいえ1コアプロセッサのCPUのように、なんでも並列に処理できるものではなく、どうしても個々の情報処理能力は低下するものだ。
車の運転中にスマトーフォンの使用が禁止となったのも、それに気を取られて事故を起こす人が後を絶たなかったからだ。
事故が起きないだけで能力が落ちるのは仕事や勉強や遊びでも同じだろう。
個人的には「遊び」のスペックダウンが著しいと見ている。

一方、動物の世界において「ながら作業」のできるものは存在しない。
食事をする時は食事だけ、戦う時は戦うだけ、右へ行く時も右に行くことしか考えていない。
チンパンジーやイルカあたりなら「ながら作業」も器用にこなせそうな気もするが、そもそもする必要がない。
動物の世界にとって事故は死に直結している。
能力が低下する可能性が高い行動など取る必要もないのだろう。
逆に、チンパンジーにスマホを与えたら、それだけに没頭しそうにも思う。

スマートフォンは便利で楽しいメディアだが、所詮は人間を補助するためのデバイスに過ぎない。
うまく従えて活用するべき物であり、決してそれに囚われて操られるべきではないだろう。
今、その、ながら作業は、本当に必要なことだろうか。
少なくともご飯の時はご飯に集中したほうがおいしいと思う。

本年も日記をお読みいただきありがとうございました。
今年は新しい小説を出せませんでしたが、またぼちぼちと活動できれば良いなと思っています。
来年もよろしくお願いします。

[一日三報]
[デイリースポーツ] Amazonで充電ケーブルを注文→届いた化粧箱を開けると中身は27グラムの土!

色んな方法が思いつくものだなと逆に感心。
でも何でも簡単に返品交換を請け負うAmazonの商売もちょっとどうかと思う。
とはいえ品質第一に偏りすぎると価格アップや配送の遅延に繋がるのもまた事実。
なかなかに難しい話かもしれない。

[時事通信] 村上作品、廃棄処分へ 「非伝統的」禁止、吉本ばななさんも―ロシア図書館

まあ「スプートニクの恋人」だからなぁという気もするが、小説作品まで取り上げるのかと。
一方ウクライナでもロシア語の本やロシア人作家による本を処分しているという話もある。
本当に、つまんないよね、戦争って。

[毎日新聞] 業務用PCでソリティアなど275時間 横浜市の職員を減給処分

「マウスのクリック音があまりに多くて不自然」のパワーワード。
まあソリティアとマインスイーパは悪魔のゲームだから仕方ない。
これからは音の出ないタイプのマウスを使うべきか。
上司が全職員のクリック数と入力文字をこっそり傍受していたらヤだね。




12月20日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 【ゴブリンモードで駆け抜けろ】
オックスフォード大学出版局辞書部門「オックスフォード・ランゲージズ」は2022年を象徴する「今年の単語」に「ゴブリンモード」(Gobline mode)が選ばれたと発表した。
マスメディアや投資家たちが期待していた「メタバース」を抑えた圧倒的な得票率だった。
どこかの世間知らずのお爺ちゃんが勝手に選ぶ流行語大賞よりも、よっぽど納得される結果だと思った。

「ゴブリンモード」とは「社会通念や期待を否定する行動、怠惰でだらしなく、欲望のままに振る舞う」といった意味で使われている。
「嫌、めんどい、今日の私はゴブリンモードだから」と言えば伝わるだろうか。
コロナ禍におけるSNSの中で使われるようになったらしい。
面白いのは昨年2021年の単語は「vax」(ワクチンを接種する)だったことだ。
いつまでも収束しない社会にいい加減みんなうんざりしたのだろう。
もうみんな慣れきったとも言えそうだ。

「ゴブリン」とは後藤舞子のあだ名ではなく、ヨーロッパの民間伝承に登場する妖精、妖怪の類いだ。
「指輪物語」やゲームでもお馴染みのキャラクターで、その習性はいたずら好きの悪魔。
「ハリー・ポッター」で翻訳されていた「小鬼」が日本人の印象に合っているだろう。
「ゴブリンモード」は「私の中の小鬼の仕業」ということだ。

私にとって「ゴブリン」が印象的なのはゲームの「ファイナルファンタジー」シリーズだ。
近作はどういう扱いかは知らないが、初期は「ドラゴンクエスト」におけるスライム的な最弱モンスターだった。
でも天野喜孝タッチで全然可愛くないので人気にも話題にもならなかった。
ということで「ゴブリンモード」と言われても最弱の雑魚キャラになったという印象が強くて私はしっくりこない。
日本だとどんな表現になるだろうか。
「駄々っ子モード」とか「暴れん坊将軍」あたりが近いかもしれない。

[一日三報]
[AFP] 「しらふのW杯」意外に好評 カタール訪れた各国ファン

意外となかなか盛り上がる結果に終わった今回のワールドカップ。
イスラム教圏ということでアルコール類も禁止で開催されていた。
酒にさほど重きを置いていない私としても、この展開は良いことだと思っている。
飲酒運転は言うに及ばず、酔って暴力、酔って転落、一気飲みで新人潰し、酔った勢い、アル中、肝硬変、記憶にございません。
一体どれだけの人が、被害者も加害者も関わらず、アルコールによって不幸になったことか。
せめてこういうイベントの場では一切禁止でも良いと思うのだが、どうか。

[朝日新聞] 火葬後に残った金やプラチナ、1.2億円に 京都市「大切に活用」

そういやどうしているのかと思ったら、きちんと運用の方法があるらしい。
どうせなら遺体も火葬で灰にせずに、貴重な栄養素を活用すべく肥料というかコンポスト化すれば良いと思う。
化学物質漬けで使いにくいのかな。

[リセマム] 高校生、今の自分は「幸せ」が過去最高の80.8%

振り返ればあの頃が一番幸せだったような気もするが、当時アンケートを受けたら絶対不幸と答えていたと思う。
そう考えると幸せと感じている高校生が多いのは良いことだが、結局、幸・不幸というのは相対的な面も大きいので、余所と比べて、あるいは自分の未来と比べて今は幸せという残念な感覚もあるだろう。
「卒業後の進路として大学・短期大学・専門学校のいずれかへの進学を検討している人を対象」というのも大きい気がする。
進学を検討していない人や高校にも行けていない人は初めから含まれていない。
それで自分は不幸だと言えるのは、わがままか文学少年くらいかも。



12月13日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 【スマホは命綱か、あるいは首輪か】
先日7日、大阪府泉佐野市の路上で17歳の男子高校生がバイクとともに倒れているのが見つかり死亡が確認された。
事故に遭ったものとみられ警察が詳しい経緯を調べている。
消防によると事故は衝撃によって作動するiPhoneの自動通報機能により119番通報があり分かったそうだ。

iPhoneやApple Watchなどの一部の携帯端末には衝撃を受けると警告音を発して画面に警告文が表示される。
その際、数十秒以内に解除しないと自動的に緊急通報されるそうだ。
通報先には自動音声によりそれが自動的に発信されたものであることと、現在地の緯度と経度が伝えられる。
消防はそれを受けると発信者の電話番号にかけ直し、応答がなければ出動して状況確認に向かうそうだ。

Apple Watchなどの腕時計型端末にはさらに心拍数を計って異常があると使用者に警告し、緊急通報を案内する仕組みもある。
衝撃検知機能と同じく誤検知もあるが、精度がさらに高まれば救える命もあるだろう。
一人暮らしや高齢化社会においては心強いデバイスになる可能性も高い。
スマートウォッチでなくても単にブレスレット的な物なら使いやすそうだ。

ミステリー脳としてはその検知機能を利用したトリックなどを考えたいが、やはりテクノロジーとの親和性は薄くあまりワクワクしない。
せっかく孤島で殺人事件を起こしたのに、訳の分からない機械の自動通報ですぐに警察が駆けつけたら犯人もガッカリだ。

[一日三報]
[CNN] 中国警察、携帯電話のデータでデモ参加者を追跡

スマホは有事の際には人を助ける命綱になるが、同じく有事の際には国民を監視する首輪にもなりかねない。
しかも国民はその首輪を自ら進んで買い求めては首に巻こうとしてくれる。
権力者にとってはこれほど便利なデバイスはないだろう。
昔のSF物にあった、国民の生殺を自由にできる電子首枷みたい。
もちろん権力者がまともな国であればこれほど素晴らしいものはないが、残念ながらそんな国はどこにもないわけで。

[下野新聞] 那須の殺生石にイノシシ8頭死骸 九尾の狐伝説の地、有毒ガスか

以前に割れたという記事があったと思うが。
いよいよ『始まり』つつあるのかもしれない。
と、昔の人も思ったわけで、だいたい迷信にも根拠はあるものだ。

[河北新報] 「ナスカの地上絵」さらに168点発見 山形大の坂井正人教授ら 制作目的解明の足がかりに

見つかる度にへっぽこ感が増していくナスカの地上絵。
これを見て思うのは、有名なハチドリやクモやサルを書いた人ってやっぱり千年に一人の天才だったのだろう。
古代文明もみんながみんな凄かったわけじゃない、今と同じで。




12月6日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 【文化遺産と裁判記録】
先ごろ、国際連合教育科学文化機関、通称ユネスコは日本の民俗芸能「風流踊」を無形文化遺産に登録することを決めた。
風流踊は「ふうりゅうおどり」「ふりゅうおどり」と呼ばれるもので全国各地の夏祭りや秋祭りやその他の儀式で舞われている踊りのことだ。

風流踊とはいわゆる盆踊りのことで、遡ると平安時代、室町時代の踊り念仏、念仏踊りに繋がる仏教儀式のことだ。
一般的に知られている盆踊り、やぐらの上で太鼓を叩き、その周りで人々がぐるぐる回るのは、関東大震災以降の東京で人々の結束力を高めるために新しく生まれて広まったものだ。
本来は死者の霊を慰めるためのシャーマン的儀式だったが、娯楽の少なかった昔の人々にとっては一大イベントとして盛り上がり、各地で独特の進化を遂げて受け継がれてきた。
今は人口減少などで衰退著しい踊りも多いが、これを機に保存に向けた取り組みが活発になって欲しいと思う。

一方、全国の裁判所ではかつて起きた神戸での児童殺傷事件やオウム真理教の事件など歴史的に重大な犯罪を取り扱った裁判記録を破棄していた問題が起きている。
民事手続きの記録の保存期間は5年間だが、社会の耳目を集めた事件などは「特別保存」に指定し、永久的に保存することになっている。
しかし先の2件はその対象に含まれず議論もされていなかったそうだ。
また大分の地裁では特別保存に指定されていた記録も廃棄されていた。
どうやら制度自体が適切に運用されていなかったのだろう。

記録が廃棄されたからといって事件そのものが消失するわけではないが、いつの世かに誰かがより詳しく調査、検証を行おうとした時に情報がなく困ることになるかもしれない。
特に裁判は先例主義が大きいので、結局困るのは後の裁判官になるだろう。
物書きとしてはその辺が気になっている。

記録を残すはずの機関でこれだから、無形文化遺産がいかに大切なものか分かる。
受け継ぐというのは人類にとって重要な能力のひとつだ。

[一日三報]
[CNN] バイデン氏、感謝祭前に七面鳥を「恩赦」 選挙に絡めたジョークも

今日の奇祭。
無関係な者たちの目からは奇異に映る祭事を奇祭と呼ぶならば、これもまさしくその一つだろう。
その由来は各自ググるとして、実際は特に長い歴史があるわけでもなく、キリスト教的祭事とも一切関係がない。
しかし大量消費される七面鳥の中から数羽を選び、大統領がジョークを交えて恩赦と称して解放するというのは、ある意味で非常にアメリカ文化の象徴と言えなくもない。
赦すとはなにか、誰に対する何のための赦しなのか。
仏教にも放生会(ほうじょうえ)というのがあるけどね。

[AFP] バンクシー壁画剥ぎ取った8人逮捕 ウクライナ

今日のバンクシー。
この、知っているのに知らないふりをしてメッセージ性を高める手法はやっぱり苦手。
逮捕されたというが、この場合誰の物を窃盗したという容疑になるのだろうか。
家屋の持ち主とするならば返却されるのだろうか、落書きされていない壁を盗んでも逮捕するのだろうか、描かれた瞬間から自動的に国の芸術作品とされるのだろうか、初めからそのつもりでみんな了解していたのだろうか。
色々と気になるけど、たぶんまた謎なままなのだろうなと。

[Internet Watch] 目がハートになった笑顔の絵文字はビジネスチャットでは「不快」?  調査で明らかに

ビジネスチャットで快く受け入れられる絵文字なんてあるのか。
「ありがとう」の後に怒っている絵文字とか、「よろしくお願いします」の後にバイバイしている絵文字とかなら使ってもいいかもしれないが。
「ありがとう」って言ってんだから笑顔とか関係なくね?と思う人です。