the shadow of silver
SOS日記本メルマガ掲示板プロフィール

archive


1月31日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 【閉じ込め列車ミステリー】
先日は最強寒波の予報通り、全国各地で低温と大雪が到来し、各地で大きな被害をもたらした。
さほど雪深くない関西に住む私の地域ではそこまで影響はない、と思いきや、JR西日本でトラブルが起きて長時間乗客が取り残されたり、新名神高速道路や名阪国道、国道1号線まで通行止めや大渋滞が起きたりしていた。
他地方のかたには分かり難いかもしれないが、要は主要な交通手段のほとんどが絶たれていたという感じだった。

JR西日本の交通被害は甚大で、15本の列車が線路上でストップ、乗客約7000人が最大10時間に渡って車内に閉じ込められた。
しかも夕方から夜にかけてのラッシュ時で車内は満員だったという。
私は閉所恐怖症ではないが混雑に弱い広場恐怖症の気があるので、状況を想像しただけで気分が悪くなる。
同じような心理の人やトイレの問題もあったと思うが、よく一人の死者も出さずに済んだものだ。

アガサ・クリスティの傑作「オリエント急行の殺人」では、機関車が雪の吹き溜まりにはまって立ち往生している中で殺人事件が起こった。
ミステリーにおいて出られない状況というのは事件を起こすのに打って付けだが、今の日本ではそんなことはまず起きないので使えない。
と思っていたのに、現実で起きてしまうから不思議だ。
ある列車は京都駅から電車に乗って山科駅に着く前に電車が停まり8時間も立ち往生したという。
しかし京都駅から山科駅までの区間はたった5.5キロしかない。
ということは、線路上のどこに停まったとしても最大で2.75キロ内でどちらかの駅に辿り着ける計算だ。
2.75キロなら歩いて45分くらい、線路上を歩けば雪も深くはなかったはずだ。
それにもかかわらず乗客の大半は混雑する列車内で復旧を待ち続けていた。
こちらのほうがミステリーに思えるだろう。

乗客が健気に待ち続けた理由は集団心理だけではなく、もうすぐ動き出すかもしれないという期待感があったからではないだろうか。
適切なアナウンスもなく、線路上を歩くのは危険な上にさらなる遅延を招くことにもなりかねない。
さっさと全員降りて歩いたほうが早いと伝えれば2時間ほどで終わったかもしれないのに、誰もその判断ができなかった。
もちろん乗客のせいではなく、運転手や車掌のせいでもない、さらに上層部の責任だろう。
だから、とりあえず関係者全員を満員電車に10時間閉じ込めて反省させてはどうだろうか。
いや違う、30分くらいで到着しますと伝えておきながら10時間閉じ込めよう。
そのほうが、自分たちがどれだけ残酷な真似をしたかよく分かるはずだ。

[一日三報]
[産経新聞] 奈良のシカに独自遺伝子型 世界遺産・春日大社保護で千年以上維持

大体そんな気もしていた。
奈良公園の鹿は野生動物の扱いだが、やはり普通の環境ではないだろう。
貴重なのは良いことだが、そのせいで過保護になって規制が厳しくなったらつまらないと思う。
今くらいの付き合いでいいよ。

[朝日新聞] 毎日温泉に入る人はうつになりにくい 別府で1万人調査 傾向を確認

大体知ってた速報。
宣伝のための調査という匂いもするが、まあ毎日温泉に入れる身分なら朗らかなことだろう。
本気で沈むと風呂に入る気もなくなるしね。

[神戸新聞] 「髪の毛が後退ではない…」孫正義氏の言葉を仏の解釈で説くと…名作マンガやお笑い芸人の「名言」も

今日の他力本願寺。
近頃ちょくちょく見かけるが、たまに盛大に滑っているものもあると思う。
寺や仏教を身近に感じてもらう取り組みとしては良いと思うが、突き詰めるとじゃあ仏教なんていらないのでは、と思われそう。
宗教って結局、人生のルールブックだったりするわけで。




1月24日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 【春の海にえびす神】
先日、大阪淀川の河口に突如マッコウクジラ流れ着いた。
物珍しさから淀川の淀ちゃんと名付けられたが、衰弱が激しくすぐに死亡が確認された。
その後、タンカーによって紀伊水道(紀伊半島と四国の間)まで運ばれて、重石を付けて海底に沈められた。
わずか一週間ほどの出来事だった。

クジラというのは古くは「えびす神」の一つとされており漁業の神として海の人たちに慕われてきたという。
新春から流れ着くなど、こいつは春から縁起がいいやというものだが、今のご時世では可哀想な迷い海獣として扱われてしまうようだ。
縁起物なら食うのも作法かもしれないが、やはり死亡の理由も判明せず、何かしらの病原菌を持っている可能性もあるのでそういうわけにはいかない。
陸揚げせずにそのまま海へ帰すのは正しい判断だろう。
ちなみに歯や皮膚や筋肉などのサンプルは採取したそうだ。

海で死んだクジラはどうなるのかと言うと、アニマルプラネットの掟通り肉食の海洋生物のエサとなって解体される。
大体は死ぬ前の弱ってきた時点で狙われて、とどめを刺されるという感じになるだろう。
綺麗さっぱりに食べられて、太くて固くて重い骨は海底へと沈んでいくが、実は海底にはその骨をエサとするグソクムシのような生物やより細かな生物が多数確認されている。
それらが長い期間、時には年単位の時間をかけてゆっくりとクジラの骨を削り取り、やがては完全に分解されるそうだ。
本当に自然界は無駄なく綺麗に循環していると思う、人間以外は。
ということで、弱ったクジラが岸まで流れ着いて人の目に留まったというのは、奇跡的に外敵を逃れられたか、野生も口にしない理由があったのだろう。

迷いクジラが海に帰される様子はテレビ局がヘリコプターまで飛ばして後を追っていた。
船底が開くパージ船(運搬船)の作業員が沈める前に塩を撒いて合掌していた姿が心に響いた。
物価高騰で食料品の値上げも続く昨今、海に帰ったえびす神が豊漁をもたらしてくれることを願いたい。
新聞のおじさん臭いコラムみたいになってしまった。おわり。

[一日三報]
[読売新聞] 国葬反対「ツイッターデモ」、3・7%の投稿で全体の半数…4219回のアカウントも

今日の知ってた速報。
もう「ツイッターで話題!」「インスタで話題!」も信用できなくなったよね。
こういうことをすると、本気で意思を持って反対活動している人たちまで穿った目で見られるようになり、結局は賛成派の利するところになりかねない。
一方で多くの人に関心を持って欲しいから無理矢理にでも露出を増やすという宣伝活動も決して無駄とは言い切れない。
しかし企業の話題作りすらステマと言われてしまうだけに、こういった馬鹿をそそのかす企ては「正義」を標榜する団体や個人には向いていない手段だと思う。

[CNN] マスク着用求めた警備員を射殺、一家3人に終身刑 米ミシガン州

結局、人間、銃を持っていたら撃つし、刀を持っていたら斬るし、目からビームがでるならやっぱり撃つと思う。
日本の政治や政策については今も昔もトンチンカンで呆れることが多いけど、ただひとつ銃の所持と流通を限りなく抑えていることだけは評価したい。




1月17日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 【カブトムシは甘い樹液の夢を見るか】
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は知名度の割に実は読んだことのない人が多数、くわえてアンドロイドが電気羊の夢を見るかどうかを検証する物語だと思っている人が多い説を提唱したい。
それはともかく、睡眠中に見る夢って夏場より冬場のほうが多いというか、起きても記憶している場合が多い気がするのは私だけだろうか。
これは寒くて布団から出たくないという思いが睡眠と覚醒の間を行き来する結果、睡眠時の夢が覚醒時にまで入り込むのではないかと考えている。

睡眠と夢の研究は現在も行われているが、未だに完全な解明には至っていない。
推測されているのは人は睡眠によって記憶の再構築、覚醒時に活性化された脳波と化学物質を安定化させていること。
また夢はその際に脳の深いところにある橋(きょう)という部位から発生する信号が視覚を伝達するルートに入り込むことで見るそうだ。
要するに睡眠中の記憶を整えている最中にうっかり漏れたものを見てしまうことが夢になるらしい。
それでいて、いつも見る夢が理路整然としていないのは興味深いところだ。

ということで、睡眠だけでなく夢の発生も脳内における非常に原始的な部位を使っている。
よって夢見は人間だけなく、犬猫はおろか魚や昆虫までも見ているのではないかと言われているそうだ。
そう考えると予知夢や夢占いというものは自分の脳内を観察しているだけで何のあてにもならない。
ただ、自己を見直すという点では役に立つこともあるだろう。

そういえば「寝言に返事をしてはいけない」という話がある。
返事をしたら眠りから目覚めなくなるとか、早死にするとかいう話がまことしやかに伝えられている。
どこで誰が言い出したかは知らないが、睡眠や夢見が脳や精神の安定をもたらしているとしたら、大切な脳作業の邪魔をしてはいけないという教えとも取れるだろう。
皆さま、よい睡眠を。

[一日三報]
[読売新聞] 給食献立「油淋鶏」から「めかぶ」に急きょ変更…期限切れ材料の使用発覚で

なかなかインパクトのある事件。
めかぶに何の罪もないが、子供たちのガッカリ感は凄かっただろう。
小麦粉の賞味期限が前日で切れていたというが、鶏肉をキャンセルするほどのことだろうか。
お前よくそれでSDGsとか言ってんなと思うが、まあ厳密にしておかないとって気持ちも分かる。

[AFP] 南アのゴーストハンター、ハイテク機器で超常現象を追う

争いが起きると娯楽を受け入れる気持ちがなくなるから良くないと私はたびたび言っている。
銃撃戦の隣でミステリーやホラーなんて楽しめないだろうということだ。
でもこの記事のように、銃声の鳴り響く街でゴーストハンターをしている人もいるわけで。
仕方なしの慣れもあるだろうが、人間ってたくましいなとも思う。

[CNN] うその美談で集めた多額の寄付を詐取、女に禁錮3年の実刑 米

心の汚れた私はNPOとかクラウドファンディングとか聞くとこういうものを想像してしまう。
もちろん大多数はきちんとした目的を持って活動している、という前置きはともかく、みんな結構簡単に信じるものだなあと見ている。
ちなみにクラファンサイトで全く支援されていない投稿を閲覧するのは、色々キワ立っていて面白いのでオススメです。




1月10日(火)
[今日の独言(ひとこと)] 【電話じゃ思いは伝わらない】
北海道新聞帯広報道部によると、昨年に投稿したツイートの中で最も反響が大きかったのは紙面で「黒電話マークを廃止しました」という内容だった。
よく電話番号の始めに付けられるマークのことだ。
理由は何のマークか分からない人が増えたからとのこと。
恐らく編集部内でも全く触れたことのない人が増えたのだろう。

ミサイルの発射に定評がある某国の某指導者は、その特徴的な頭部の形状から「黒電話」と揶揄されている。
あれもきっと名付け親はそこそこの歳の人で若い人には何が面白いのかも分からないことだろう。
言葉の通用にかかわらず認識を高めるために使用されるピクトグラムだが、その絵のモチーフ自体が使われなくなると象徴的な意味も失われてしまう。
パソコンソフトでは伝統的に保存のマークはフロッピーディスクのアイコンが使われているが、実物を見たことがない人も多いことだろう。
というか今はフロッピーディスクに収まる容量でない場合がほとんどだ。
たまに3つほどのリングが重なったハードディスクのマークもあるが、シリコンドライブが普及した今ではそれすらも使われていない場合も多い。
ハードディスクの仕組みも知らないだろう。

映画や映画館も伝統的にリール式の映写機マークが使われているが、あんな物は骨董品だ。
車のマークも凸型の車両が多いが、今の車道でメインに走っている車は後部がフラットになっている。
ちなみに郵便マークは74年前に廃止となった逓信省のテの字がモチーフだ。

とはいえ、今は何でもコンプラ、平準、形状の均一化が好まれているので、電話も保存も映写機も車も電車もトイレの男女もピクトグラム化するとほとんど四角い箱や棒人間になってしまう。
そのため、これからは物よりも行動を表現したものが増えてくるようになるだろう。
東京オリンピックではないが、人間の行動すべてをピクトグラム化するとなるとどんな物が想像できるだろうか。
完成すれば異星人との交流にも使えそうな気がする。

[一日三報]
[福井新聞] 110番通報、スマホでの誤発信が急増 ハンズフリーで思わず「無応答」ケースも、福井県警分析

[共同通信] 110番通報、映像も622件 昨年10月から試行、2カ月で

今日は110番の日。
画像や動画が送れるシステムがあったとは知らなかった。
勘違いなど誤って通報してしまったケースは仕方ないとして、本人も気づかないままに発信していたというのはなかなか難しい。
会話ができないほどの緊急事態かも知れず、放ってもおけないだろう。
とはいえ発信方法を複雑にしたり、誤通報者を処罰してしまえば本末転倒の面もあるわけで。
ただもうご苦労さまですと言うしかない。

[読売新聞] 「二十歳を祝うつどい」参加の男、酒に酔って大学生に因縁つけ背後から殴る

そもそもハタチの人を一同に集めたらいざこざが起きるのも当然なわけで。
それはともかく「因縁を付け」という言葉が普通に新聞記事の文章に使われていることに違和感。
それで意味が通るのだろうか。
今までは「言い掛かり」とかそんな風に表現していなかっただろうか。
ジャリがインネン付けたのでボコったらポリにパクられた模様。

[CNN] 旅客機の2段式シートの座り心地は? CNN記者が体験

今日の三等車両。
自分の席が下段の真ん中だと気づいた瞬間、キャンセルしたくなる。
でも一時間くらいならありかも、安ければ。




1月6日(金)
[今日の独言(ひとこと)] 【死へのカウントダウン】
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

歳を取ると時間の経つのが早くなる、と先輩方はしみじみ語られる。
何を訳の分からないことをと思っていたが、どうやら私もそれを実感できる年齢になってきたようだ。
気がつけばもう2023年、いよいよ西暦2000年と言われてからもう23年も経ってしまった。
昨年もなんだか知らない内に過ぎてしまったというか、11月あたりは無かったんじゃないかという気すらしている。
しかしどうやらきちんと年月は経過している。
電気代も一か月のワープすらなく引き落とされていた。

この感覚は一体どういうことだろうか。
物知りたちは、そういうもんだと達観し、聞きかじりたちは一生に対する割合の違い、つまり1年/1歳と1年/45歳の違いなのだと語っている。
しかし、どうも納得がいかない気はしないだろうか。

そこで私が見出した結論は、死へのカウントダウンだ。

死とはなにか。
死とは永遠の時間だ。
もう先へ進むことはなく、その瞬間に取り残されることだ。
輪廻転生とか最後の審判とか、そういうのはともかく、生物的な概念だ。

私たちは誰しもが、生まれた時から死へと向かっている。
それは事故や突発的な病ではなく、細胞としての死を意味している。
歳を経る内に年月が短く感じられるのは、体感時間が永遠へと向かっていることを意味する。
1年が半年に感じられるようになり、1か月となり、1日となる。
しかし体感としては逆となり、1日が1年となるだろう。
すると最後には無限大の年月が一瞬に集約される。
それが死だ。
停止とは未来がその場に留まることだ。
ゆえに歳を経ると時間が早く感じられるようになるのだろう。

分かっていただけるだろうか。
少なくとも、私が年末年始にもかかわらず、そんなことを考えていたと分かっていただけるだろう。

[一日三報]
[ITmedia] 「ディスコード」→「ヅァシヶョデ」などすごい誤植だらけで1月発売の書籍が発売延期に

作家は校正者を頼りにしているので一言一句を集中してチェックしない。しても間違える。
校正者は作品の内容ではなく、日本語文の正誤をチェックして誤りがないよう苦心する。
印刷業者は作品も日本語も関係なく、受け取ったデータをそのまま印刷する
本が完成する頃、作家は次の作品を執筆しており、校正者は別の作品の校正をしており、印刷業者も他の作品データを印刷している。
誰も気付かなかったという状況は容易に想像できて、怖い。

[CNN] 脳が衰えない高齢者「スーパーエイジャー」研究進む 米大学

高齢になっても凄く発想が新鮮で頭の回転が速い人がいる。
一方で若年層や中高年でも興味も発想も貧困でぼんやりと鈍い人もいる。
むしろ若年者の脳レベルの低下速度も個人差が大きいように思えて、そっちの研究も進めてほしいと思う。

[ロシア・ビヨンド] 今も生きるソ連の家庭の伝統7選

奇しくも昨年から大きな注目を集めることになったロシア。
こんなに素敵で綺麗で興味深い国なのに、やはり戦争は全てを台無しにしてしまう。